天使の街からゾンビの街へ…
- From The City Of Angels To The City Of Zombies…
ロサンゼルス(Los Angeles)は、スペイン語で「天使たち」を意味することから、アメリカでは古くから「The City of Angels(天使の街)」という愛称で呼ばれています。
このタイトルは、かつて美しく栄華を誇ったロサンゼルスが、プログレッシブ派(革新派)の失政や浮浪者問題、都市の荒廃によって、まるでゾンビが徘徊するような街へと変わり果ててしまった、という執筆者の強い皮肉と批判を込めた表現になっています。
提示されたコラムは、2026年6月のロサンゼルス市長予備選挙の動向をきっかけに、現代のプログレッシブ(革新派)政治や民主党のマシーン政治、さらには共産主義思想に対する強い批判を展開したものです。
執筆者は、現職のカレン・バス市長や、開票の過程でリパブリカン(共和党)のスペンサー・プラット氏を追い抜いて2位に浮上したニシヤ・ラマン市議を急進的な左派として非難しています。
また、2025年1月に発生したロサンゼルス大火災における行政の対応の遅れや、アメリカが身柄を拘束したベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領と選挙システムとの関連性を示唆し、現行の政治体制への危機感を煽る内容となっています。
ロサンゼルス市長選挙の現状
コラムが執筆された2026年6月現在、ロサンゼルス市長の予備選挙(ジャングル・プライマリー方式:政党を問わず全候補者が同じ投票用紙に並ぶ仕組み)の開票作業が進められています。
民主党の現職であるカレン・バス市長が1位で11月の決選投票(ランオフ)への進出を確実にしている中、2位の座を巡る争いが激化しています。
当初はリアリティ番組のスターで共和党員のスペンサー・プラット氏がリードしていましたが、郵便投票の集計が進むにつれて、プログレッシブ派のニシヤ・ラマン市議が逆転して約3,000票の差をつけて2位に浮上しました。
これにより、11月の決選投票はバス氏とラマン氏による民主党左派同士の対決になる見通しが高まっています。
行政への批判と2025年の大火災
コラムでは、こうしたプログレッシブ派主導の政治が都市の崩壊を招いていると批判されています。
その象徴として挙げられているのが、2025年1月にロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事(パ利セーズ火災やイートン火災など)です。
この火災では、強力なサンタアナ風(南カリフォルニアに吹く強い乾燥風)によってパシフィック・パリセーズやアルタデナなどの地域が甚大な被害を受け、多くの住宅が焼失し、複数の死者が出ました。
執筆者は、当時の消火栓の不具合や行政の危機管理能力の欠如を激しく批判し、火災後の復興プロ修セスの遅れがハリウッドをはじめとする現地の主要産業に大打撃を与えていると指摘しています。
共産主義思想への傾倒とマシーン政治への非難
執筆者は、バス市長が若き日にキューバを訪問していた経歴を捉え、彼女の政策の背景にはマルクス主義的な動機があると主張しています。
すべての生産手段を政府が管理するような体制は、過去のソ連の崩壊や現在のキューバの困窮に見られるように機能しないというのが執筆者の論調です。
さらに、現代の民主党を19世紀のニューヨークにおける「ボス・ツイード」のような利権誘導型の「政治マシーン(組織)」になぞらえています。
過去の腐敗政治家は根底に愛国心を持っていたのに対し、現代の左派勢力はアメリカの資本主義システムそのものを破壊しようとしていると断じています。
選挙不正への疑惑提起
コラムの最後では、カリフォルニア州の選挙制度に対する不信感が表明されています。
トランプ前大統領がメディアで主張している選挙の不透明さに言及し、その背景としてベネズエラのマドゥロ前大統領の身柄が現在アメリカの拘束下(2026年1月に米軍の作戦によって拘束され、麻薬テロなどの容疑でニューヨークの連邦裁判所に起訴されている状態)にあることを挙げています。
ベネズエラで使われていた投票集計システム(スマートマティック社など)の疑惑と、アメリカ国内の選挙制度との関連を疑う視点で締めくくられています。
トランプの施策失敗が共和党を不利にしている
トランプ大統領の政策や政権運営から生じた課題が、2026年11月の中間選挙を控える共和党にとって大きな逆風となっているのは事実です。
特に外交面での緊迫化に端を発するインフレの再燃や、政府効率化を掲げた改革への反発、さらには強硬な内政方針が、無党派層や穏健派保守層の離反を招き、共和党の選挙基盤を揺るがす要因として指摘されています。
経済と外交の連動によるインフレ再燃
トランプ政権の経済運営における最大の誤算とされるのが、地政学リスクの管理と物価への影響です。
政権によるイランへの強硬な姿勢や軍事行動の余波を受け、イラン側がホルムズ海峡の石油タンカー航路を封鎖する事態に発展しました。
これにより原油価格が急騰し、アメリカ国内で再びインフレ(物価上昇)がスパイク(急上昇)する結果を招いています。
バイデン前政権期のインフレ不満を取り込んで勝利したトランプ氏でしたが、自らの外交措置によって生活費の高騰を再燃させたことで、経済運営への信頼感が低下し、共和党全体の支持率を押し下げる要因となっています。
政府効率化省(DOGE)の急進的改革への反発
イーロン・マスク氏らが主導する政府効率化省(DOGE)による歳出削減や連邦政府職員の削減といった急進的な改革も、有権者の反感を大きく買っています。
当初掲げた「2兆ドルの削減」という目標には遠く及ばず、限定的な成果にとどまっている一方で、行政機能の混乱や雇用への不安が先行する形となりました。
この急進的な改革路線の影響はすでに選挙結果にも表れており、2025年春のウィスコンシン州最高裁判事選挙で共和党系候補が敗北したほか、共和党の地盤とされる地域でも得票率を減らすなど、中間選挙に向けた不安材料となっています。
強硬な内政方針と中間選挙への影響
内政においては、大規模な不法移民の強制送還政策(デポーテーション)の強行や、犯罪対策を名目とした民主党優位の都市部への州兵派遣など、分断をより助長するアプローチが目立ちます。
こうした強硬策は、コアな支持層(MAGA)を熱狂させる一方で、選挙の勝敗を握る独立系(無党派)有権者や、地方の穏健な保守層の間で「行き過ぎた権力の行使」として忌避感を強める結果となっています。
さらに、共和党内でも人気の高かったブライアン・ケンプ氏(ジョージア州知事)らが2026年の連邦上院選挙への立候補を見送るなど、トランプ氏主導の党運営に距離を置く動きもあり、有力な候補者を欠いた状態での戦いを強いられています。
民主党の巻き返しと下院過半数奪還の現実味
これらの一連の政策不調や政権への批判を受け、2026年中間選挙に向けた世論調査(リアルクリアポリティクスなどの平均値)では、議会選挙での投票先として民主党が共和党をリードする傾向が続いています。
民主党側は、トランプ政権の独走を止めるための「チェック&バランス(抑止と均衡)」をスローガンに掲げ、下院の過半数奪還に向けて攻勢を強めています。
共和党にとっては、トランプ氏の低い支持率と生活費をめぐる国民の閉塞感が、選挙区の区割り(ゲリマンダリング)などの構造的優位性を相殺しかねないほどの深刻な逆風となっています。
トランプ政権の主要な経済的成果が消滅:賃金上昇分が帳消しに
- Key Trump economic win disappears: Wage gains wiped out
2025年1月にトランプ大統領が就任して以降、労働者の実質賃金はわずか0.1%の上昇にとどまっています。エネルギー価格の高騰によるインフレが原因で、過去1年間に積み上げてきた賃金上昇分が、ここ4ヶ月でほぼすべて打ち消されました。
実質賃金上昇の消失
トランプ政権の経済的な成果として主張されていた「インフレ調整後の賃金上昇」が、最近のインフレ急増によって急速に失われました。
一般労働者の実質賃金は、2025年1月の政権発足時と比べて0.1%しか増えておらず、労働者の購買力は就任当時とほぼ変わらない水準に後退しています。
ホワイトハウスへの影響
実質賃金の上昇は、ホワイトハウスが「経済は改善している」と主張するための強力な根拠となっていました。
しかし、エネルギー主導のインフレが家計の購買力を圧迫したことで、政権がアピールしていた経済的な優位性は大部分が消滅した形です。

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