AI市場の主役、現在はコンデンサ

ゴールドマンが予測する、コンデンサ需要の急増によって株価が大きく上昇する銘柄とその理由

  • “Capacitors Are The New Memory”: Why Goldman Thinks Soaring Capacitor Demand Will Spark Huge Gains In These Stocks

ゴールドマン・サックスの分析によると、AI市場の主役はエヌビディアのような直接的なAI企業から、インフラのボトルネックを解消する周辺企業(「つるはしとシャベル」の役割を果たす企業)へと移行しています。

データセンター、エネルギー、メモリに続き、現在は「キャパシタ(コンデンサ)」が新たな重要部材として注目を集めており、これが関連企業の株価上昇を牽引する次の要因になると予測されています。

AIインフラにおけるボトルネックの変遷

AIの普及初期には、エヌビディアなどのチップメーカーやハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)が市場の利益を独占していました。

しかし、AIインフラの拡大に伴い、供給のボトルネックが発生する箇所が次々と変化しています。市場の関心と投資の成果は、以下のような順序で移行してきました。

1. データセンターの運営・建設企業
2. インフラおよび冷却設備
3. 電力供給および原子力発電
4. メモリ(半導体記憶装置)

キャパシタが注目される理由

記事では「キャパシタは新たなメモリである」という表現が使われています。

これは、かつて汎用品として扱われ、価格変動が激しかったメモリ(DRAMなど)が、AIサーバー向けの需要急増によって記録的な利益をもたらす存在へと変貌した現象と重なるためです。

ゴールドマン・サックスのテーマ投資チームは、次世代のAIサーバー(エヌビディアのVera Rubinラックなど)の製造において、キャパシタの供給不足が深刻化すると指摘しています。

この供給の逼迫が価格決定権を生み出し、関連するキャパシタ製造企業の業績と株価を大きく押し上げる要因になると分析されています。

 

 

具体的な銘柄、ティッカーシンボル

ゴールドマン・サックスが今回のレポートで具体的に挙げている、AIサーバーおよびデータセンター向けキャパシタ(主に積層セラミックコンデンサ:MLCC)の需要急増によって恩恵を受けるとされる主要銘柄とティッカーシンボルは以下の通りです。特に日本の大手電子部品メーカーが市場を牽引する存在として位置づけられています。

主要なキャパシタ(MLCC)関連銘柄

村田製作所

ゴールドマン・サックスが最も強く推奨(コンビクション・リストに追加)している、世界シェア首位のMLCCメーカーです。AIサーバー「Vera Rubin」などの次世代インフラにおける需要拡大から、最も直接的な恩恵を受けるとされています。

  • 日本市場:6759
  • 米国ADR:MRAAY

TDK

村田製作所と並ぶ日本の大手電子部品メーカーであり、高性能なキャパシタや電源モジュールに強みを持っています。AIインフラの電力消費増大に伴う恩恵が期待されています。

  • 日本市場:6762
  • 米国ADR:TTDKY

太陽誘電

高容量のMLCCに強みを持つ日本の電子部品メーカーです。サーバーや基盤向けの需要逼迫による価格上昇の恩恵を受けやすいポジションにあります。

  • 日本市場:6976
  • 米国ADR:TYOYY

サムスン電気(Samsung Electro-Mechanics)

韓国を拠点とする世界的なMLCC主要サプライヤーの一つで、IT機器向けだけでなくAIサーバー向けの高付加価値製品の供給拡大が予想されています。

  • 韓国市場:009150

南通江海電容器(Nantong Jianghai Capacitor)

ゴールドマン・サックスが「買い」評価を与えている中国のキャパシタメーカーです。データセンターの電力インフラ構築において、直接的な需要を取り込む企業として言及されています。

  • 深セン市場:002484

 

 

コンデンサ生産国ランキング

コンデンサの生産・輸出規模における国別ランキングでは、中国がトップ、日本が僅差で2位となっています。これにドイツや韓国、台湾が続いています。

ただし、市場シェアの大部分を占める積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの高付加価値分野においては、日本企業(村田製作所、TDK、太陽誘電など)が世界シェアの過半数を握っており、技術的な主導権は日本が維持しています。

コンデンサの国別輸出額ランキング

世界のコンデンサ貿易データ(2024年時点)に基づく、主な輸出国のランキングと規模は以下の通りです。

1位:中国(約85億ドル)
2位:日本(約82.7億ドル)
3位:ドイツ(約18.5億ドル)

量産品や民生用機器向けのコンデンサを含めた総輸出額では、生産拠点の多い中国が最大の規模を誇ります。日本は僅差の2位ですが、貿易収支(輸出額から輸入額を引いた額)では約79.1億ドルの黒字を記録しており、世界で最も大きな黒字幅を持つ国となっています。

主要な生産国と地域の特徴

コンデンサの生産は、アジア太平洋地域に高度に集中しています。

  • 中国
    スマートフォンや家電、電気自動車(EV)などの巨大な需要地であり、国内外のメーカーが大規模な生産工場を展開しています。主に汎用品の量産において最大のシェアを持ちます。
  • 日本
    高級・高性能コンデンサの圧倒的な生産・開発拠点です。村田製作所(世界シェア15%以上で首位)を筆頭に、TDK、太陽誘電、パナソニック、ニチコン、ルビコンなどの有力企業が揃っています。
  • 韓国
    サムスン電気(Samsung Electro-Mechanics)が、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の分野で村田製作所に次ぐ世界2位の生産能力を有しており、国別の存在感を高めています。
  • 台湾
    国巨(Yageo)グループなどが中低位品から高付加価値品まで幅広く生産を拡大しており、電子機器の受託製造サービス(EMS)と連携した強固な生産体制を持っています。

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