歴史的な事実よりもナショナル・アイデンティティや独立の正当性を強調
韓国人が「8月15日に独立した」と強調する理由
韓国人が「8月15日に独立した」と強調する理由は、8月15日が日本による植民地支配からの「解放の日」とされているためです。
- 8月15日は韓国で「光復節(こうふくせつ)」と呼ばれ、1945年に日本がポツダム宣言を受諾し、朝鮮半島の植民地支配が終わった日とされています。
- この日をもって「奪われた主権を取り戻した」と象徴的に位置づけており、韓国では「8・15光復」とも表記されます。
- 実際には、1945年8月15日は日本の降伏と朝鮮の解放の日であり、韓国という国家が独立した日ではありません。大韓民国政府が正式に樹立されたのは1948年8月15日です。
- しかし、韓国社会では「日本の統治からの自主独立を取り戻した日」として8月15日を強調し、建国記念日として祝っています。
この強調の背景には、独立運動の成果として日本の撤退を位置づけたいという歴史認識や、日本統治時代に対する否定的なナショナル・アイデンティティの形成があります。また、実際の独立過程が米ソの分割占領や米軍政を経てのものであったため、「独立を自ら勝ち取った」という物語性を8月15日に重ねているともいえます。
「韓国においては、朝鮮総督府による降伏文書調印やアメリカ軍による軍政と関係なく、『1945年8月15日に朝鮮が日本の統治から脱し自主独立を取り戻した』とされているため、8・15光復とも表記」
要点をまとめると、8月15日は韓国にとって「日本の植民地支配からの解放=独立」と象徴される日であり、歴史的な事実よりもナショナル・アイデンティティや独立の正当性を強調するために重要視されているということです。
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