「No Kings」抗議デモ参加の華人組織に中共の影
概要
- 2025年6月、アメリカ各地でトランプ大統領および現行の移民政策に反対する「No Kings」と題した大規模な抗議デモが行われました。この抗議活動には、数百万人が参加し、全米の主要都市で実施されています。
華人組織と中共との関係
- 報道によると、「No Kings」抗議デモを主催する団体の一つである「米国アジア太平洋系進歩連盟」の会長・彭一玲氏は、「米国華人連盟」のトレーニングディレクターも兼務しています。「米国華人連盟」の指導層には、中国共産党(中共)の連合参謀部や国家安全部など、中国の情報機関での勤務経験を持つ人物が多数含まれていることが明らかになっています。
- オーストラリア在住の歴史学者・李元華氏は、「中共がアメリカの民主制度を利用し、制度上の隙を突いて浸透を図っている実態を示している」と指摘しています。表向きは人種差別反対など正義を訴えているものの、実際には中共の立場を支持し、その主張をアメリカ内で広めているとされています。
アメリカ社会への影響
- 「No Kings」デモは、トランプ政権の移民政策や権威主義的な姿勢に反対するものとして広がっていますが、その一部の主催団体に中共との関係が指摘されることで、アメリカ国内での中国の影響力や浸透活動への警戒感が強まっています。
- こうした背景は、アメリカ社会の分断や移民政策を巡る議論にさらなる複雑さを加えています。
まとめ
- 「No Kings」抗議デモに参加する一部の華人系組織には、中国共産党の情報機関と関係を持つ人物が指導層に含まれており、アメリカ社会に対する中共の影響や浸透が懸念されています。この問題は、移民政策や民主主義のあり方を巡るアメリカ国内の議論に新たな論点を提供しています。
内容紹介
- 本書は、中国共産党(CCP)が世界各国にどのように影響力を拡大し、グローバルな秩序を自らの望む形に作り変えようとしているのか、その全体像を明らかにするノンフィクションです。特に、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダなどの欧米諸国に対する「浸透工作」や、民主主義の弱点を突いた戦略、企業・政治・学術・メディア・華僑ネットワークなど多層的な影響力行使の手法を、具体的な事例とともに実名で暴露しています。
主な章立て・テーマ
- 中国共産党の野望の全体図
- レーニン主義政党、世界へ
- 政治エリートの中心:北米・ヨーロッパ
- 地方・周辺部の政治エリート
- 党と企業の複合体
- 華僑の動員
- スパイの実態
- メディア:またの名を中国共産党
- 文化を戦場にする
- シンクタンクと知識人たち
- 思想の管理:欧米の学術界への中国共産党の影響力
- グローバル・ガバナンスの再構築
特徴・評価
- 『目に見えぬ侵略』の続編として、日・米・欧での中国の影響力工作の全体像を初めて体系的に描き出したとされる。
- 中国共産党が民主主義国の制度的弱点を利用し、言論・報道の自由を脅かしながら、各国の世論や政策決定に影響を与える手法を詳細に分析。
- 欧米やオーストラリアなどでベストセラーとなり、ハミルトン教授は中国への入国を禁止されるなど、国際的にも大きな反響を呼んだ。
著者について
- クライブ・ハミルトン:オーストラリアの著名な公共知識人・学者で、中国の対外政策と影響力工作の研究で知られる。
- マレイケ・オールバーグ:ベルリンを拠点に中国のデジタル政策や世界的な影響力を研究する専門家。
こんな人におすすめ
- 中国の対外戦略、情報戦、影響力工作に関心のある読者
- 国際政治、現代中国、グローバル・ガバナンスの動向を知りたい人
- 欧米や日本の安全保障、民主主義の課題に関心がある人
まとめ
- 中国共産党がどのようにして世界の秩序や各国の社会に影響を及ぼしているのかを、具体的な事例とともに多角的に解説した警鐘の書です。民主主義国の脆弱性を突いた中国の戦略を知る上で、現代国際社会を理解するための重要な一冊です。