普及はしたが、日本では導入前から言われていたような速度が出ていない
日本で5Gの普及は成功と失敗のどちらが大きいか?
日本における5Gの普及は、高い人口カバー率の達成という点で成功している面が大きいですが、その一方で通信速度やサービス活用の面で課題も残っていると言えます。
まず成功点として、総務省のデータによると2023年度末には日本全国での5G人口カバー率が98.1%に達し、2025年度の目標97%を前倒しで達成しています。東京都や大阪府など大都市圏では実質ほぼ100%のカバー率で、全市区町村に5G基地局が整備されている状態です。このように全国的なインフラ整備は非常に進展しています。
しかし、失敗あるいは課題としては、実際に体感できる通信速度が海外の主要国と比べて遅い点が指摘されています。2023年の英国Opensignal社の調査では、日本の5Gダウンロード速度は156Mbpsで、韓国432Mbps、シンガポール376Mbpsなどに大きく劣ります。また、5Gが利用可能な時間割合も日本は約7%にとどまり、アジアの他先進国の20~30%に比べて低い状況です。
さらに5Gの有望なユースケースがまだ明確に多数出ていないことから、通信事業者は設備投資に慎重であり、普及速度やサービスの質向上に向けた加速が課題となっています。地方や過疎地域ではカバー率が都市部と比べ遅れている地域も残っており、地域格差も存在します。
総じて、インフラの整備・人口カバー率では「成功」と言えますが、速度・サービス活用面や地域差などを踏まえると「課題・失敗」的な側面も無視できません。つまり日本の5G普及は成功と失敗の両面があり、成功の比重は大きいものの、更なる品質向上と活用促進が今後の課題となっています。
5Gの有望なユースケースとは?
5Gの有望なユースケースは多岐にわたり、主に以下のような分野で期待されています。
- 製造業:
インダストリ4.0の実現に向け、IoTセンサーによる予防保全、生産性監視、遠隔制御、自動化の強化などで活用。リアルタイムのパフォーマンス監視や精密な産業プロセス制御が可能となる。 - 交通・自動車:
自動運転車や自動運転列車の高度な制御、車車間通信による事故回避や渋滞緩和、高信頼の接続による車内インターネットやソフトウェアの迅速アップデートなど。 - 教育:
5Gの高速・低遅延を活かしたAR/VRによる没入感の高い教育や、IoTセンサーによる出席管理、仮想野外旅行の促進など。 - 遠隔制御・遠隔医療:
高精細映像を用いた製造ラインの遠隔監視や手術支援など、即時の遠隔制御が可能となる。 - 拡張現実(XR):
リアルタイムで大容量のデータを高速通信し、現実世界と仮想世界を融合した新たな体験をもたらす技術。宇宙旅行の仮想体験なども期待されている。 - 港湾・航空宇宙:
ドローンやクレーンの遠隔操作、スマートカメラによる安全管理、プライベートネットワークによる安定した接続環境の提供。 - 農業:
センサーによる病害虫管理や水管理の効率化、農作業の資源節約と収穫量増加への貢献。
これらのユースケースは、5Gが持つ超高速通信、大容量通信、超低遅延、多数同時接続の特徴を活かし、4Gでは実現しにくかった新しいサービスや産業の効率化を可能にします。
特に製造業や自動車分野でのプライベート5Gネットワークの活用が進んでおり、各種センサーやAIと連携した高度な運用が注目されています。
以上から、5Gの有望なユースケースは製造、交通、教育、医療、農業、物流など多様な分野で実用例が進展しており、今後さらなる普及が期待されています。
日本で6Gが導入されるのはいつ?
日本での6Gの導入は、現在の研究開発の状況から2030年頃が目安とされています。総務省やNTTドコモをはじめとした企業や研究機関が6Gの技術開発を進めており、2030年代の商用化を目指しています。
6Gは5Gの次世代として、「Beyond 5G」とも呼ばれ、通信速度の大幅な高速化や低遅延、多数同時接続、さらには空・海・宇宙といった幅広いカバレッジ拡大、超高信頼通信、省電力化などの技術的な革新が期待されています。政府は6Gの研究開発を国家戦略の一環として推進しており、主要技術の確立を2025年頃に目指し、2030年代には本格的な普及を見込んでいます。
つまり、日本における6Gの商用サービスの実際の導入・普及は2030年頃から始まるのが現状の計画です。
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