2004年2月13日 辻元被告に有罪
東京地裁判決「反省」猶予付き
政策秘書の給与約千八百七十万円をだまし取った
政策秘書の給与約千八百七十万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた社民党の元衆院議員、辻元清美被告(四)「と、土井たか子前党首の元政策秘書、五島(本名・渡辺)昌子被告)の判決公判が十二日、東京地裁であった。中谷雄一郎裁判長は、辻元被告に|懲役二年、執行猶予五年|(求刑懲役二年)、五島被告に懲役一年六月、執行猶予四年(同懲役一年六月)を言い渡した。
疑惑発覚後、秘書の進言を『ふーん』と聞き流し、他人事のように考えていた
中谷裁判長は「国民の負託や信頼に背く背信行為。犯行後は虚偽の弁解を強弁するという、国会議員にあるまじき無責任な対応で政治不信を招いた」と厳しく断罪。さらに「中島洋次郎衆院議員(当時)の疑惑発覚後、秘書の進言を『ふーん』と聞き流し、他人事のように考えていた」との意識の低さを指摘した。
勤務実態のない女性二人を政策秘書として登録
一方、猶予付き判決の理由について「すでに議員辞職するなど反省している。詐取した金を個人的用途に使う意図まではなかった」と述べた。判決によると、辻元被告らは、初当選直後の平成八年十一月から十年十一二月にかけて、勤務実態のない女性二人を政策秘書として登録。国から秘書給与名目で計約千八百七十万円をだまし取った。
秘書給与の詐欺に問われた国会議員は四人目
秘書給与の詐欺に問われた国会議員は四人目。辻元、五島両被告は、起訴事実を全面的に認めて謝罪し、情状酌量を求めていた。昨年十一月二十日の初公判から三カ月弱でのスピード判決となった。
判決後、辻元被告は「判決を厳粛に受け止めたい。多くの方々の信頼」を傷つけ、ご迷惑をおかけしたことを改めておわびいたします。今後は、さらに身を律して歩んで、まいりたい」とのコメントを出した。