2025年09月26日 欧州、ロシアに戦闘機撃墜も辞さない構え示す－モスクワで非公開会合
ヨーロッパの外交筋は、ロシアに対して、NATO加盟国の領空侵犯が続く場合にはロシアの航空機を撃墜する準備があると非公式に警告しました。複数の報道によると、英国、フランス、ドイツの大使はモスクワの会議で、最近のエストニア領空侵犯事件がロシア軍の意図的な戦術であると指摘し、NATOはさらに違反があれば断固とした措置で対応すると伝えました。ポーランドやスウェーデンも自国の領空侵犯には撃墜も辞さない姿勢を示しています。
一方、ロシア側はこれらの領空侵犯を否定したり、ウクライナへの攻撃への対応と主張し、NATO加盟国がロシア機を撃墜すれば戦争状態に突入すると警告しています。NATO側は抑止力として厳しい対応を示し、欧州諸国はロシアの挑発に対して強い姿勢を見せています。
2025年09月25日 デンマーク複数空港に無人機再び侵入 1空港が数時間閉鎖
- デンマーク各地の空港で無人機が繰り返し侵入し、主要拠点であるオールボー空港が数時間閉鎖される事態となりました。警察は操縦者を特定できず、事件は欧州で相次ぐ無人機・サイバー攻撃や領空侵犯と関連して懸念が高まっています。
事件の概要
- 9月25日、デンマーク国内の複数空港と軍基地で無人機が目撃。
- 被害対象：オールボー空港（北部）、エスビャウ空港、スナボー空港、スクリュズストロプ空軍基地。
- オールボー空港は一時閉鎖後に再開。これはコペンハーゲン空港に次ぐ規模の大きな空港。
- 警察声明：「無人機は広範囲を数時間飛行し、撃墜は困難。操縦者も未特定」。
背景と関連事案
- 9月22日にはコペンハーゲン空港でも大型無人機による侵入が発生。
- メッテ・フレデリクセン首相は、「かつてない深刻なインフラ攻撃」と強調。
- 他の欧州諸国（ポーランド、ルーマニアなど）でも同様の無人機事案が確認され、またロシア戦闘機によるエストニア領空侵犯も発生。
国際的緊張との関係
- デンマーク政府は直前に「長距離精密兵器の取得方針」を公表、ロシアの脅威を警告していた。
- ロシア政府は関与を否定しつつ、駐デンマーク大使が「純粋な狂気」と非難。
この事件は、ヨーロッパのインフラを狙ったハイブリッド攻撃（無人機・サイバー・領空侵犯）がエスカレートしている流れの一環とされ、北欧の安全保障やNATOの対応に影響を与える可能性があるとみられます。
今後、デンマークや周辺諸国は無人機対策の強化に迫られると考えられます。
2025年09月25日 「ロシアの作戦が欧州に」ゼレンスキー大統領が警告
- ウクライナのゼレンスキー大統領は、24日の国連総会一般討論演説で「ロシアの作戦はすでにヨーロッパにも及んでいる」と警告しました。
演説の主なポイント
- 「ウクライナは最初の犠牲に過ぎない」と述べ、ロシアの攻撃が他国にも拡大していると訴えた。
- ロシアのドローンがヨーロッパ各地で確認されており、安全を守るには強力な同盟関係と自国の兵器に依存せざるを得ないと強調。
- 停戦が実現しないのはロシアが拒否しているためだと指摘。
- 兵器の増産と輸出についても言及し、西側諸国に協力を呼びかけた。
欧州での動き
- デンマークでは首都コペンハーゲン近郊でドローンが確認され、空港が一時閉鎖。24日にも北部の空港が閉鎖された。
- ノルウェーでも22日にドローンの飛来が確認され、ロシアの関与が調査されている。
- ヨーロッパ各国の領空侵犯が相次いでおり、プーチン大統領が戦争を拡大し続ける意思を持っているとゼレンスキー氏は警告。
この発言は、ロシアの侵攻がウクライナにとどまらず、北欧を中心に欧州全体に脅威を広げているとの危機感を国際社会に共有する狙いがあります。
この件について、ゼレンスキー氏の警告を欧州各国は軍備強化と対ロ協調で受け止めると考えられますが、実際に欧州世論がどこまで危機感を持つかが今後の焦点になります。
2025年09月24日 トランプ大統領、領空侵犯のロシア機をNATO加盟国は撃墜すべきだ
2025年9月にアメリカのトランプ大統領は、NATO加盟国はロシアの航空機が自国の領空に侵入した場合、それを撃墜すべきだと発言しました。トランプ大統領は、国連総会の際にウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、その場でこの見解を示しました。撃墜の実施については「状況次第」として米国が必ずしも直接支援するとは言わなかったものの、NATO加盟国として毅然とした対応を支持する姿勢を表明しています。
これに対し、NATOの事務総長マーク・ルッテ氏も同様の見解を示し、必要に応じてロシア機の撃墜も辞さないという方針を表明しました。ただし、撃墜は「即時の脅威かどうか」や「武装の有無」などの情報に基づき慎重に判断されるべきだと述べています。
2025年9月にポーランドやエストニアなどNATO加盟国の領空をロシア機やドローンが度重なる侵入をしており、NATOはそれに対して戦闘機の緊急発進（スクランブル）や一部撃墜で対応しています。トランプ大統領はこのような厳しい態度が必要だと強調すると同時に、ウクライナは欧州連合の支援を受けてロシアに勝利し、元の領土を取り戻せると楽観的な見方も示しています。
一方で、 NATO加盟国内で撃墜対応の方針に温度差はあり、ドイツなどは必ずしも撃墜までは行わない立場を示しているため、同盟内の意見は一致していません。
まとめると、トランプ大統領はNATOがロシア機領空侵犯に対して強硬措置を取るべきだと主張し、それを一部NATO関係者も支持している状況です。
2025年09月23日 ポーランド首相、ロシア機の領空侵犯に警告－撃墜「議論の余地なし」
ポーランドの首相ドナルド・トゥスクは、2025年9月にロシアの航空機がポーランド領空を無断で越えた場合、撃墜する準備があると明言しました。これは、ロシアによる一連のNATO領空侵犯を受けた強硬な対応表明であり、「領空を侵犯し、脅威となる飛行物体は躊躇なく撃ち落とす」と述べています。ただし、明確でないケースでは慎重な対応も示唆しています。トゥスク首相は同時に、「全ての同盟国が同じ認識を持って支援してくれること」を強調しました。これに対して米国のマルコ・ルビオ国務長官は、撃墜は攻撃的行動が伴う場合に限定すべきだとやや抑制的な見解を示しています。
この発言は、ロシアのドローンや戦闘機がポーランドやエストニアの領空を複数回侵犯したことを背景にしています。NATOはロシアに対し、あらゆる手段で領空を防衛すると警告しており、緊張が高まっています。国連安全保障理事会でもこの問題が議論されました。
まとめると、トゥスク首相はポーランドの安全保障を強く守る姿勢を示し、ロシア機の無断侵入に対しては撃墜も辞さないと明言していますが、同時に同盟国との連携強化を重視している状況です。
2025年09月20日 エストニア、ロシア軍戦闘機が領空侵犯と発表 NATOに対応協議要請
2025年9月19日、エストニア領空にロシアの戦闘機3機（MiG-31）が無許可で侵入し、12分間滞在したことを受けて、エストニアはNATOに対し第4条に基づく協議を要請しました。NATOはイタリア、フィンランド、スウェーデンが東側の防衛を強化する一環として対応し、迅速にロシア機を迎撃して追い出しました。ロシアは領空侵犯を否定していますが、ポーランドやルーマニアも同月にロシアのドローン侵入を報告しており、NATOはこれを「無責任なロシアの行動」と非難しています。エストニア首相は、NATOとして統一かつ強力な対応が必要と強調しました。NATOは数日後に北大西洋理事会を招集しの協議を行う予定です。
概要：
- ロシアMiG-31戦闘機3機が12分間エストニア領空に侵入
- エストニアはNATOに第4条協議を要請（これは加盟国の領土・安全保障が脅かされた際の緊急協議条項）
- NATOは迅速対応し、東側の防衛態勢を強化
- ロシアは否定、エストニアはロシアの行動を挑発的・無責任と非難
- ポーランドやルーマニアもロシアの領空侵犯を報告する中、地域の緊張高まる
- NATOは数日内に理事会で協議、政治的・軍事的な対応を協議予定
この国際問題はウクライナ情勢も絡む中で、NATOの結束と対応能力が試される重要な局面となっています。
コメント