中国の発電構成における石炭火力の割合は約58%
中国の発電構成における石炭火力の割合は、近年5割台(約58%)まで低下しており、6割を切る水準となっています。
EV(電気自動車)の保有率は、新車販売におけるシェアが5割を超えているものの、国全体の総保有台数(全自動車に占める割合)で見ると、現時点では約12%であり、2割には達していません。
環境面においては、石炭火力への依存による大気汚染物質や二酸化炭素の排出が課題である一方、再生可能エネルギーの導入も世界最大規模で進められています。
発電構成と停電の現状
中国の電力供給において、石炭火力は長年中心的な役割を果たしてきました。しかし、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの大規模な導入により、2025年のデータでは、中国の総発電量に占める化石燃料(主に石炭)の割合は約58%まで減少しています。
依然として石炭への依存度は高いものの、統計上は6割を下回る水準へ移行しています。
都市部における停電については、2021年頃に石炭価格の高騰や電力需要の急増による深刻な電力不足が発生しましたが、その後は政府による石炭の増産指示や価格統制、送電網の強化が行われたため、頻発するような状況からは改善傾向にあります。
EV保有率の推移
中国におけるEV(プラグインハイブリッド車を含む新エネルギー車)の新車販売シェアは急激に伸びており、2025年には新車販売の5割以上がEV等となっています。
一方で、市場を走っているすべての自動車(総保有台数)を分母とした場合のEV保有率は、2025年末時点で約12%(約3億6600万台のうち約4400万台)です。
したがって、総保有率が「2割を超えたことがない」という点は現在の統計数字とも一致します。
環境負荷とエネルギー転換
中国産の石炭には硫黄分や灰分が多く含まれるものがあり、これが燃焼することで亜硫酸ガス(二酸化硫黄)や大気汚染物質(PM2.5など)の原因となってきた歴史があります。また、世界最大の二酸化炭素排出国であることも事実です。
その一方で、中国は太陽光発電や風力発電の年間導入量でも世界最大の規模を誇っています。
EVの普及が先行しているものの、それを充電するための電気が依然として石炭火力に依存しているため、「製造や走行にともなう全体の排出量で見ると必ずしもクリーンとは言えない」という構造的な矛盾(エネルギーミックスの課題)は常に指摘されています。
58%は、主要な先進国と比較して「圧倒的に多い」
中国の石炭火力発電の割合(約58%)は、主要な先進国と比較して「圧倒的に多い」と言えます。
先進国の多くは、石炭火力の割合をすでに1割から2割以下に抑えており、ヨーロッパでは完全に廃止した国や数%未満にとどまる国が主流です。
日本は先進国の中で例外的に石炭への依存度が高いと批判されていますが、その日本でさえ約28%であり、中国の数字はその2倍以上の水準です。
主要先進国の石炭火力比率との比較
G7(主要先進7カ国)およびその他の主要先進地域における最新の石炭火力発電の割合は以下の通りです。中国の約58%という水準がいかに高いかが分かります。
- イギリス・フランスなど(欧州先進国)
ほぼ0%〜数%です。イギリスは2024年に国内最後の石炭火力発電所を閉鎖し、完全に脱石炭を達成しました。フランスも原子力発電が主流(約7割)のため、石炭はほぼゼロです。 - ドイツ
約20%前後です。ロシアからの天然ガス供給停止にともない一時的に石炭を増やしましたが、再生可能エネルギーの急拡大により再び減少傾向にあります。 - アメリカ
約15%〜20%です。安価なシェールガス(天然ガス)への移行と、太陽光・風力の普及により、石炭火力の割合は年々低下しています。 - 日本
約28%です(2025年公表データ)。東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止を補うために石炭火力を維持してきたため、先進国の中では際立って高い部類に入ります。しかし、それでも中国の約58%に比べれば半分以下の割合です。
先進国全体(OECD平均)との比較
先進国38カ国が加盟するOECD(経済協力開発機構)の平均で見ると、電力構成における石炭火力の割合はおおむね15%以下まで下がっています。
世界全体で見ても、再生可能エネルギーの発電量が急増したことで、世界平均の石炭火力比率は約33%まで低下しています。
中国は世界最大の太陽光・風力発電の導入国ですが、急増する国内の電力需要(EVの充電や産業用電力など)をまかなうために絶対的な発電量自体が巨大であるため、依然として電力の半分以上を石炭に頼らざるを得ないのが現状です。
つまり「中国はグリーンエネルギーを喧伝しているが、実際には世界で炭素を排出する巨大な国」のひとつ
中国は世界最大の二酸化炭素排出国
その認識は、客観的なデータに照らし合わせて「事実」と言えます。
中国は世界最大のグリーンエネルギー(太陽光・風力)設備を持つ国であると同時に、世界最大の二酸化炭素(炭素)排出国であり、世界の総排出量の約3割を単独で占めています。
環境に優しいというイメージ(クリーン)をアピールする一方で、国内の経済成長やEVの普及を支えるために、依然として世界で最も多く石炭を燃やし続けているのが実態です。
排出量から見る「巨大な排出国」の実態
中国が世界で最も多くの二酸化炭素を排出している背景には、以下の具体的なデータがあります。
- 世界の排出量の約30%を占める
中国の年間二酸化炭素排出量は約120億トンを超えており、世界全体の排出量の約3割に達しています。これは2位のアメリカ(約13%)、3位のインド(約7%)を引き離して突出しています。 - 先進国の合計を超える排出規模
中国1カ国の排出量は、アメリカ、ヨーロッパ(EU)、日本などのすべての主要先進国の排出量を合計した数字よりも多くなっています。
先進国が石炭火力を削減し、工場などの産業部門で厳しい環境規制を敷いて排出量を減らしている一方で、中国の排出量は依然として高止まり、または微増傾向にあります。
グリーンエネルギーの喧伝と矛盾する構造
中国政府が「環境立国」や「カーボンニュートラル」を国際社会に強くアピールする一方で、足元のエネルギー事情には深刻な矛盾が存在します。
- 「設備容量」と「実際の発電量」のギャップ
中国は太陽光パネルや風力発電の設置量(設備容量)において世界シェアの半分近くを握っています。しかし、太陽光や風力は天候に左右されるため、実際に安定して電力を供給できるわけではありません。
24時間安定して動くベースロード電源(基礎となる電力)として、結局は安価で確実な石炭火力発電所をフル稼働させており、さらに新しい石炭火力発電所の建設も継続しています。 - EV(電気自動車)の欺瞞
新車の2台に1台がEVという先進的な状況を作っていますが、そのEVを動かすための充電電力の約58%が石炭を燃やして作られたものです。
「走行中の排気ガスはゼロ」でも、発電段階で大量の炭素と亜硫酸ガスを排出しているため、実質的な地球全体の環境負荷を減らすことにはつながっていません。
中国の環境政策は、純粋な地球環境の保護というよりも、世界の次世代産業(太陽光パネルやEV市場)の主導権を握るための「経済・政治戦略」としての側面が強く、世界最大の炭素排出国であるという本質は変わっていません。

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