恐怖忘れてがれきの下へ潜り込み 「自分がやらないと」 高齢女性を救った19歳の使命感
2026年7月の熊本地震(八代市)で、最初に「ベトナム人5人が高齢女性を救助した」とベトナムメディアや日本の一部報道が大きく取り上げた。
実際の状況は、ベトナム人グループが倒壊した家を発見し救出を試みたが、がれきに足を挟まれた女性を無理に引っ張ろうとしていた。
そこに通りかかった19歳の日本人男性・安齊俊聖さんが介入し、クラッシュ症候群の危険を指摘してがれきを慎重に取り除く方法で救助した。これが実態に近い。
報道の流れ
ベトナム側の報道が先行した。
八代市に住むベトナム人労働者5人が、近所の90歳前後の一人暮らし女性の家が倒壊しているのを発見し、地元住民とともにがれきを手で取り除いて救出した、という内容がベトナム通信社やVTVなどで報じられた。
日本のメディアもこれを受けて「ベトナム人らが高齢女性を救出」と伝えた。
実際の救助の詳細
産経新聞の取材によると、安齊俊聖さん(19歳、熊本市在住)は建築現場の仕事を終えて帰宅途中に地震に遭った。
倒壊した木造住宅で、高齢女性が足をがれきに挟まれているのを見つけた。近くのベトナム人グループが救出を試みていたが、焦って女性を引っ張ろうとしていた。
安齊さんは以前から自衛隊出身の友人から防災・救助の知識を学んでいた。長時間圧迫された足を無理に引っ張るとクラッシュ症候群(筋肉の壊死による毒素が全身に回りショック死する危険)を起こす恐れがあると判断した。
足の状態を確認しながらがれきを一つずつ取り除き、安齊さんを中心に慎重に女性を救い出した。女性は病院に運ばれたが命に別条はなかった。
安齊さんは別の家でも80代女性をがれきの中から救出している。
ポイント
発見したのはベトナム人グループで、初動で動いた点は事実。
ただ、救助の要領(クラッシュ症候群への配慮)が十分でなく、知識を持った19歳の日本人男性が介入して適切な方法で救助した、というのが産経の報道内容だ。
最初の報道はベトナム側の発表を基にしたものが多く、日本人側の具体的な役割が後から出てきた形になっている。

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