旧市営田浦月見台住宅、その後

神奈川県横須賀市にある月見台住宅の再生プロジェクト

  • 山の上の老朽化・無人化していた市営団地(長屋群)を「DIY・自由改修可」「店舗兼住宅(なりわい住宅)可」として貸し出したところ、申し込みが殺到しました。
  • 厳しい条件を「自分で店舗や好みの空間を作れる」という自由度の高さで価値に転換した成功例です。

話題となったプロジェクトの概要は以下の通りです。

物件と場所

神奈川県横須賀市田浦町にある「旧市営田浦月見台住宅」です。築60年超の平屋・ニコイチ長屋が集まる高台の団地で、元々は市営住宅として使われていましたが、老朽化と空き家化が進み住民ゼロの廃墟状態となっていました。

ヒットの背景と特徴

自由な改修(DIY)を許可

住人が自由に手を加えられるDIY賃貸として提供され、原状回復の制約を大幅に緩めた点が受け入れられました。

「なりわい住宅(店舗兼住宅)」として活用可能

単なる住居ではなく、カフェ、アトリエ、クラフト工房、民泊など、自宅で小さな商い(小商い)を始めたい人に向けた条件としました。

立地や不便さを「世界観」に転換

「車で入るのが大変」「坂の上で駅から歩く」というデメリットを、絶景や自然に囲まれた「天空の集落」「隠れ家」としての魅力に捉え直しました。

共用施設の充実

敷地内に住人専用のサウナやコワーキングスペースなどを整備し、コミュニティの場を設けたことも人気の後押しとなりました。

結果と影響

借り手がいない「負動産」と見なされていた場所が、DIYで自分好みの空間や店を作りたい若者やクリエイター層から強い支持を集め、満室・応募殺到となりました。自治体や民間事業者が手掛ける団地再生の先進的な成功事例として注目されています。

 

 

 

 

長所と短所

  • 長所(利点)
    圧倒的な自由度による空間作り、絶景と静かな環境、住人同士のゆるいコミュニティや小商いの実現。
  • 短所(課題)
    階段・坂道による移動の厳しさ、旧式構造に由来する寒暖差や虫問題、DIY費用や手間の自己負担。

田浦月見台住宅(月見台レジデンス等の名称で再生)に移住した住民から挙げられている主な声(感想)は以下の通りです。

長所(利点・満足している点)

空間作りの自由度が高い

壁の撤去やペイント、床の張り替えなどが自由にできるため、自分のライフスタイルや店舗のテーマに合わせた空間をゼロから作り込める点が最大の魅力とされています。

小商い(店舗営業)と住居の両立

カフェやアトリエ、サロンなどを自宅で開業できるため、家賃負担を抑えながら自分の店を持つ夢を叶えた住人が多く存在します。

景観と開放感

高台に位置するため日当たりや風通しが良く、緑に囲まれた静かな環境や、場所によっては海を見渡せるロケーションが好評です。

住人同士の適度なコミュニティ

「自分で何かを作りたい」「自由な暮らしをしたい」という共通の価値観を持つ人が集まるため、お互いの活動を応援し合う心地よい距離感のつながりが生まれています。

短所(課題・苦労している点)

アクセス(坂道・階段)のハード

急な坂道や階段を登る必要があるため、日常の買い物や荷物の搬入、悪天候時の移動には相応の体力が必要です。車が横付けできない棟もあります。

建物自体の古さと環境負荷

築年数が経過している長屋のため、断熱性が低く夏は暑く冬は冷え込みやすいほか、自然豊かな環境ゆえに虫が発生しやすい側面があります。

DIYのコストと手間

改修費用は基本的に自己負担となるため、本格的にリノベーションを行うと材料費や施工時間が想定以上にかかることがあります。水回りなどの専門工事はプロに頼む必要もあります。

インフラや設備の維持・補修

古い配管や構造部の補修など、入居後も継続的なメンテナンス作業が必要になる点に苦労を感じる声もあります。

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