中国の太陽光ブームが壁にぶつかる、業界の損失が積み重なるにつれて
- China’s Solar Boom Hits A Wall As Industry Losses Mount
中国の太陽光発電産業は、急激な過剰設備投資と市場環境の変化が重なり、主要企業の赤字転落という大きな局面に直面している。
太陽光発電における中国大手3社(晶科エネルギー/Jinko Solar、晶澳太陽光発電/JA Solar、通威/Tongwei)の直近半期決算は、いずれも赤字を記録した。市場拡大を牽引してきた上位メーカーが揃って巨額の損失を計上したことは、産業全体の収益性低下を象徴している。
業績悪化の背景には、主に以下のような複数の要因が絡み合っている。
国内需要の伸び悩みと制度変更
国内の新設容量は前年の急増期に比べて大幅に減少した。売電価格の刷新を控えた駆け込み需要の反動に加え、過剰な生産能力に対する産業調整が短期間では機能しきっていない点が挙げられる。
貿易摩擦と輸出環境の激変
主要輸出先における関税引き上げや貿易規制の強化により、海外需要が直接的な打撃を受けた。さらに、政府による輸出還付金の廃止・削減といった内側の施策も、メーカーの採算性を圧迫している。
累積設備容量における節目
新規導入ペースには鈍化が見られるものの、これまでの大量導入により、総設備容量では太陽光(1,274 GW)が石炭火力(1,275 GW)にほぼ並ぶ水準へ達した。インフラとしての規模拡大が進む一方で、製造企業の収益モデルは再構築を迫られている。
電気自動車と同じ構図。補助金を使い赤字で販売。シェアは拡大できたが持続性のないビジネス
- 中国の太陽光・EV産業は、手厚い補助金と地方政府の主導で過剰な生産能力を築き、世界シェアを拡大した。
- 国内需要の鈍化や補助金縮小により価格破壊が起き、大手であっても収益を出せない構造に陥っている。
- 海外での貿易摩擦や関税引き上げも重なり、従来の「安売りによるシェア獲得」モデルは限界を迎えている。
国内需要をはるかに超える設備投資を重ね、低価格でシェアを占有したものの、市場が成熟した段階で自滅的な価格競争に陥る構図は共通している。
構造の共通点
補助金と地方政府の主導による過剰な設備投資
地方政府の誘致合戦や中央政府の産業育成策により、無数のメーカーが設立され、実需を大きく上回る生産能力が整備された。
出血覚悟の価格破壊
増えすぎた在庫を処分するため、原価を割るような値引き合戦が勃発した。その結果、市場シェアを獲得できても利益が全く残らない構造が定着した。
海外からの反発と出口の閉塞
国内で売れ残った製品を海外へ輸出してしのごうとしたが、欧米をはじめとする諸外国が関税引き上げや輸入規制などの貿易障壁を設置したため、外需による吸収も厳しくなっている。
まとめ
制度的な支援や価格競争力だけに依存した規模拡大は、需要の伸び鈍化や政策の変更によって容易に破綻するリスクを孕んでいる。

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