2025年11月18日 独仏両国、次世代戦闘機の共同開発中止に向けて協議=FT
対立の本質
- 原因は単なる経済問題ではない。実質的には「主導権争い」だ。
- フランスのダッソー社は、自国の戦闘機技術(ラファールを基盤とする)と知的財産を守るため、「設計主導権」を独占したがっている。
- エアバス(特にドイツ側)は、「共同開発」の名の下で対等な参与を要求しており、実際には工程や下請け配分をめぐって対立が長期化していた。
- 設計責任の所在、労働分担、サプライチェーンの主導権、そしてどの国の産業が雇用を得るか──この全てが政治問題に昇華している。
欧州防衛への影響
- もしFCASが分裂すれば、欧州共同防衛の理念「戦略的自律性(strategic autonomy)」は後退する。
- ロシアの侵攻以降、欧州は米国依存からの脱却を唱えてきたが、結局は各国の国益や産業利害に埋没している。
- その結果、アメリカのF-35がさらに優位に立つ。ドイツは既に2022年にF-35を導入決定しており、これが欧州製戦闘機の開発意欲を内部から削いでいる。
- フランスにしてみれば「欧州の軍事主導権を米国に奪われたくない」という思惑があり、ドイツにしてみれば「自国の産業とNATO整合性を維持したい」という思惑がある。つまり、戦略ビジョンそのものが根本的に異なる。
今後の展開
- 年末までにメルツ首相とマクロン大統領が最終判断を下す見込みだが、現状の構図では「完全破談」か「機能限定型の縮小計画」に落ち着く可能性が高い。
エアバスは沈黙を保ち、フランス側はダッソーの地位を守ろうとする以上、再生の余地は少ない。 - もしこのまま崩壊すれば、欧州はまたしても「政治的象徴」を守れず、「実利」を優先したアメリカ製兵器依存へと回帰するだろう。長期的には、フランスが単独で第6世代戦闘機開発を試み、ドイツはNATO枠組みに回帰する — その二極化が現実的な帰結となる。
FCASの崩壊は「欧州の軍事的統合の象徴崩壊」であり、同時に「米国への戦略的従属の再確認」だ。
イスラエルの 「SPECIAL EDITION 」F-35が中東のすべてを変える!その理由がここにある
- イスラエルは、アメリカ製の最新鋭ステルス戦闘機F-35を独自にカスタマイズし、「F-35I アディール」として運用しています。この機体は、通常のF-35とは異なり、イスラエル独自の電子戦(EW)システムや兵器、ソフトウェアが組み込まれており、戦場での即時対応力や作戦の柔軟性が大幅に向上しています。
主な特徴と強み
独自の電子戦システム
- イスラエル製の電子戦スイートを搭載し、敵レーダーの無力化やミサイル誘導の妨害が可能。リアルタイムでの脅威対応ができるため、戦術的優位性を確保。
イスラエル製兵器との統合
- 高精度誘導爆弾「SPICE」や、先進的な空対空ミサイル「Python 5」など、イスラエル独自開発の兵器を搭載可能。GPS妨害下でも正確な攻撃ができる。
航続距離の拡大
- 機体に追加燃料タンクを装備し、作戦行動範囲が大幅に拡大。空中給油なしで遠方の目標(例:イランの核施設)攻撃も可能に。
柔軟なソフトウェアカスタマイズ
- イスラエルはF-35のソフトウェアやミッションシステムへの独自アクセス権を持ち、他国にはない柔軟な運用が可能。
将来的なアップグレード
- AIによる作戦計画、レーザー兵器の搭載、自律型ドローンとの連携など、さらなる先進技術の導入が予定されている。
地域への影響
- F-35Iの導入により、イスラエルは中東地域で圧倒的な航空優勢を維持。敵対勢力(イランやヒズボラなど)への抑止力を強化し、先制攻撃能力を高めています。また、ロシア製の最新防空システム(S-300/S-400)にも対応可能なため、従来の戦闘機では困難だった作戦も遂行できるようになっています。
まとめ
- F-35Iアディールは、単なるF-35のアップグレードではなく、イスラエルの戦略的ニーズに特化した「ゲームチェンジャー」となっています。今後もAIやレーザー兵器などの先端技術を取り入れ、航空戦力の最前線を走り続けることが期待されています。
マスクが「時代遅れ」と呼んだ有人戦闘機F-35は、イスラエルの改造で中東情勢をも塗り替えるゲームチェンジャーに
F-35は「時代遅れ」か?イスラエルのF-35Iアディールが示した現実
- イーロン・マスクは2024年11月の米大統領選直後、F-35戦闘機を「時代遅れ」「何でも屋、多芸は無芸」と酷評し、「未来はドローンのもの」と主張しました。しかし2025年06月、イスラエル空軍が独自改造したF-35Iアディールがイランへの大規模空爆で圧倒的な戦果を上げ、マスクの主張に現実が反論する形となりました。
イスラエルだけが許された「魔改造」
- イスラエルはF-35Aをベースに独自の電子戦システムや兵器、燃料システムの改造を施し、航続距離や作戦能力を大幅に強化した「F-35Iアディール」を保有。
- 他国には認められていないF-35のソフトウェア改造権も獲得し、イスラエル軍全体でリアルタイムに情報共有できるC4システムを搭載。
イラン空爆で証明された有人機の価値
- イスラエルのF-35Iはイランの堅牢な防空システムや核関連施設に対して数十回の長距離攻撃を実施。
- ほとんど抵抗に遭わず、一度も被弾せず帰還。イランの防空設備を無力化し、空域の大部分で制空権を獲得。
- 1600キロ近く離れた目標に空中給油なしで精密誘導爆弾を投下し、ステルス性能とパイロットの柔軟な判断力が不可欠だった。
専門家の評価:「今はまだ有人機の時代」
- 米空軍元幹部や英RUSIの研究員は「厳重に防御された敵に対して成果を上げる最も費用対効果の高い方法は有人ステルス機」と指摘。
- ドローンは偵察や飽和攻撃には有効だが、複雑な空域での柔軟な攻撃や回復力はまだ有人機に及ばない。
- AIや無人機が主役になるのは将来的な話であり、現時点ではF-35のような有人機が依然として最強のツールだという見方が主流。
ドローン革命と有人機の共存
- イスラエルも実際の作戦で小型ドローンを併用しており、「任務に応じて最適な手段を選ぶ」効果重視のアプローチを採用。
- ただし、現代の複雑な電子戦環境や防空網突破には、依然として有人ステルス機の柔軟性と総合力が不可欠とされる。
まとめ
- イーロン・マスクが「時代遅れ」と切り捨てたF-35ですが、イスラエルの独自改造と実戦運用によって、その価値と現代戦における有人機の必要性が改めて証明されました。ドローンの進化は著しいものの、現実の戦場ではF-35Iアディールのような高性能有人機が依然として「ゲームチェンジャー」であり続けています。

コメント