ネクスペリア問題は「中国資本による技術流出」

世界

ネクスペリア買収は、段階的乗っ取りの典型例

ネクスペリア買収は、フィリップス→NXP→中国ファンド連合→ウイングテック、という段階的乗っ取りの典型例。

 

 

オランダのフィリップスは2021年に中国の大手投資ファンドに売却された

フィリップス(Philips)はオランダの医療機器・ヘルスケア大手企業ですが、その家電事業は2021年に中国の大手投資ファンド「高瓴資本(ヒルハウス・キャピタル)」に約37億ユーロ(約4760億円)で売却されています。この売却により、フィリップスの家電事業は中国資本の傘下となりました。ただし、フィリップス本体は医療・健康分野のテクノロジー企業として事業を集中させており、家電事業は分離された形です。なお、家電事業はフィリップスブランドを15年間使用する契約も結ばれています。

 

 

NXPセミコンダクターズはオランダに拠点を置く半導体メーカー

Nexperiaは元々NXPの一部門でしたが、2017年に中国の投資家グループが買収し、2019年にWingtech傘下となりました。オランダ政府が最近、このNexperiaの経営権を中国資本の影響を懸念して一時的に掌握しています。

つまり、NXP自体は中国資本ではないが、そのスピンオフ子会社Nexperiaは中国資本であるという状況です。NXPは中国市場でも事業展開をしているグローバル企業です.

 

 

2025年10月13日 オランダ政府が「中国リスク」で半導体企業に緊急介入 技術流出に危機感か

オランダ政府は10月12日、中国大手電子機器メーカー「聞泰科技(ウィングテック)」傘下の半導体企業ネクスペリアに対して、国家安全保障上の理由で緊急介入を実施すると発表した。政府声明によると、ネクスペリアの経営管理に「深刻な欠陥」があり、それがオランダおよび欧州の技術力や知識の保持に対する脅威となっていると判断された。

政府は9月30日付で「物品利用法」を発動。これは国家安全保障に関わる重要資産や物資を一時的に国家管理下に置く措置で、同社の半導体生産は維持される見通しだが、技術流出を防ぐため経営権の制限などが行われる可能性が高い。

ネクスペリアはオランダ東部ナイメーヘンに本社を置き、自動車や家庭用電子機器向けチップを開発・製造している。フィリップス傘下から2019年に中国のウィングテックに買収されて以来、中国側の影響力が拡大しており、オランダ政府はサプライチェーンの安全確保を目的にこの介入を決定したとみられる。欧州では同国のASMLによる中国への技術輸出規制も続いており、今回の対応はその延長線上にある。

欧州全体への波及

  • この動きは、欧州連合が進める「経済安全保障」や「デリスキング(対中依存の低減)」政策にも符合する。オランダは最先端露光装置メーカーASMLを抱える半導体大国であり、ネクスペリア問題は「中国資本による技術流出」の警戒を一層強める契機となる可能性がある。

欧州の半導体サプライチェーン再編が加速するなかで、日本の電子部品メーカーや技術者にも連携・供給機会が広がる一方、対中取引の規制強化や技術管理体制の厳格化にも備える必要が出てきます。

 

 

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