2024年09月05日 フィリピンを不法出国の元市長を引き渡し インドネシア、空路でマニラへ強制送還へ
インドネシア警察当局者は5日、フィリピンを不法出国し、ジャカルタ近郊で拘束したフィリピン北部ルソン島バンバン市のアリス・グオ元市長をフィリピン側に引き渡したと記者団に明らかにした。グオ氏は5日にインドネシア当局に国外追放され、空路でマニラへ強制送還される見通し。
グオ氏はバンバンで人身売買が疑われる中国人向けオンライン賭博の運営に関与したことが発覚し、8月12日付で解任されていた。実際は中国人で、フィリピン国籍を偽装して違法に市長になった疑いがある。
フィリピン入国管理局によると、インドネシア警察は4日未明にグオ氏を拘束した。マルコス大統領は4日、刑事事件の被告として裁くことで「フィリピン国民の勝利」が得られるとして歓迎する声明を出している。
マルコス氏によると、グオ氏は7月18日に不法出国。フィリピン入管は、マレーシア、シンガポールを経てインドネシアに渡ったとみていた。
2024年09月04日 フィリピンの元市長、インドネシアで拘束 国籍偽装の中国人か 不法出国後に解任
フィリピンの元バンバン市長、アリス・グオ氏は、不法出国後にインドネシアで拘束され、フィリピン当局に送還されました。彼女は中国人でありながらフィリピン国籍を偽装して市長職に就き、中国系のオンライン賭博運営に関与したほか、資金洗浄や人身売買など複数の犯罪容疑が持たれています。2024年8月12日に解任され、2024年7月18日に不法出国。マルコス大統領は彼女のパスポートの無効化と、出国を助けた腐敗した政府職員の処罰も命じました。2025年11月には人身売買の罪で終身刑判決が下されています。
まとめると、
- グオ氏は中国籍の疑いが強く、フィリピン国籍を偽装
- バンバン市の中国人向けオンライン賭博運営に関与
- 不法出国により解任され、インドネシアで拘束・送還
- 資金洗浄や人身売買などの複数の刑事事件で起訴
- 2025年に人身売買の罪で終身刑判決
この事件はフィリピンにおける中国の影響力やスパイ疑惑の象徴的なケースで、政治的にも大きな波紋を呼びました。
2024年08月21日 「中国のスパイ」疑惑で解任されたフィリピンの女性市長が不法出国 政府職員が手助けか
フィリピンのマルコス大統領は、北部ルソン島のバンバン市長を解任されたアリス・グオ氏が「腐敗した政府職員の支援」を得て7月18日に不法出国し、シンガポールを経てインドネシアに入国したと発表しています。
アリス・グオ氏は実際には中国人で、フィリピン国籍を偽装していた疑いが強く、バンバン市内の中国人向けオンライン賭博の運営に関与し、重大な違法行為があったため8月12日付で解任されました。
国家捜査局はグオ氏の指紋が2003年に中国からフィリピンに入国した中国人のものと一致したと発表しており、これにより同一人物であることが証明されています。このことにより、「中国の浸透工作」疑惑が強まっている状況です。
マルコス大統領はグオ氏や家族のフィリピンのパスポートを無効にするよう指示し、入国管理局長は無効化によりグオ氏が速やかにフィリピンへ引き渡される可能性があると述べています。
以上の経緯から、アリス・グオ氏は中国人であることが指紋照合でほぼ確定し、フィリピンでのスパイ活動や違法オンライン賭博関与の疑いで解任・追及されている人物と認識されています。
2024年06月28日 指紋が一致 グオ・フアピンはグオ市長と同一人物
- フィリピン国家捜査局(NBI)は、タルラック州バンバン町の停職中の市長アリス・グオ(Alice Leal Guo)と、中国人国籍のグオ・フアピン(Guo Hua Ping)の指紋が完全に一致すると結論づけました。つまり、両者は同一人物です。
この鑑定は2024年6月25〜27日にかけて実施され、2006年の外国人指紋カードと2021年のアリス・グオの生体認証データが比較されました。
政治的・法的影響
- 上院議員リサ・ホンティベロスがこの鑑定を要請しており、彼女は次のように述べています。
- 「NBIはアリス・グオとグオ・フアピンが同一人物であることを確認した。つまり、“アリス市長”は偽のフィリピン人だ。中国人であり、POGO(オンラインギャンブル事業)に関わる犯罪を容易にするためにフィリピン市民を装っていた。」
- ホンティベロス議員は、これをもって資格(国籍)詐称に基づく公職追放(quo warranto)訴訟を法務総裁室に求めています。
偽造と身分盗用
- グオは、中国の福建省で1990年8月31日生まれ(パスポート情報)。
- にもかかわらず、選挙に立候補した際には「1986年7月12日、タルラック州生まれ」と虚偽申告。
- 母親が「アメリア・リアル」というフィリピン人だと申告したが、実際には中国人「リン・ウェンイ」だった。
- さらに、グオが代表を務めていたオンラインギャンブル関連会社「Hongsheng Gaming Technology」の設立書類にも問題があり、市場の露店商らの身分を盗用して偽の共同設立者を作り出していたことが発覚しました。
- 被害者の1人、コールセンター勤務のメリ・ジョイ・カストロ氏は「自分は法人設立に関わった覚えがない。日雇いで働くだけだ」と証言しています。
今後の展開
- 司法省(DOJ)と関係機関が人身売買および身分盗用事件として捜査を継続中。ホンティベロス議員は、グオが今後も上院の公聴会を欠席すれば、「侮辱罪(contempt)」に問う可能性を示唆しています。
分析
- この件は「地方政治家による犯罪的ネットワークの偽装」にとどまらず、
- 中国人がフィリピンの身分を不正取得して政治権力を握る、
- POGOを通じたマネーロンダリング、人身売買、賄賂構造、
という国家安全保障レベルの問題に発展する恐れがあります。
アリス・グオ=グオ・フアピンの同一性が公式に確認されたことで、今後は市長資格の剥奪だけでなく刑事訴追、さらに関係官僚や資金ルートの摘発へと進む可能性が高いです。
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