実はアメリカ人は悲観的

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アメリカ人は悲観的

アメリカ人は歴史的に自己認識において悲観的な傾向がみられます。繁栄期であっても、自分たちが前より悪くなっていると感じやすいという意識は、南北戦争以前から現代に至るまで連続しています。

  1. 歴史的背景
    アメリカでは南北戦争や大恐慌、大規模な社会変化を通して、社会の分断や不安感が繰り返されています。特に19世紀には社会格差・差別・貧困といった問題が根強く、国民の間に悲観的な見方が広がりやすい基盤が形成されました。
  2. 社会意識の特徴
    アメリカ人の楽観的なアメリカンドリーム志向と並行して、「自分たちは困難の中にいる」という危機感が持続的に社会に存在しています。政治、経済、社会情勢の変動時には不安や自己批判が強まり、近年も「現状は悪化している」という意識が蔓延しています。
  3. 現代までの傾向
    この悲観的な傾向は現代でも顕著です。経済格差や社会的分断が議論される中、客観的に見て繁栄している時代でも多くのアメリカ人が将来や現状に悲観的な感情をもちます。特定の層では過去のほうが良かったと感じる声も根強く、社会学的な宿命論を背景に議論も行われています。

このような悲観傾向は、国民気質の一部として長い歴史を通じて繰り返されている特徴です。

 

 

2025年09月28日 ゆっくりと、それから一気に──アメリカが「アメリカ」でなくなる日

この記事はアメリカの衰退や変質の可能性を、歴史的文脈とポピュリズムの動きに結びつけて論じています。核心的な視点は「アメリカは強大な力を保持しつつも、内面的な不安や政治的変動によって別の国に変容するかもしれない」というものです。

  • 冒頭、ヘミングウェイの言葉を引用し「変化はゆっくりと進行し、最後に一気に訪れる」という比喩が提示される。
  • 米国は長らく世界一の経済力と安全な投資先として信用を維持してきた。富、法制度、安定した政府に裏付けられ、国際的に羨望の的であった。
  • しかし米国人自身は歴史的に悲観傾向が強く、繁栄の最中でも「自分たちは前より悪くなっている」と感じやすい。そうした意識は南北戦争前から現代まで続き、ポピュリスト運動を周期的に生んできた。
  • 1990年代にもポピュリズムの台頭があり、自由貿易が雇用を破壊している、移民が労働を奪っている、アメリカは宗教的な罰を受けている、解決はナショナリズムを基礎とした産業政策だ、といった主張が広まった。
  • ロス・ペローやパット・ブキャナンといった政治家がそれを象徴し、大統領にはなれなかったが国民意識に大きな影響を与えた。

記事の示唆

  • アメリカは依然として他国に比べ優れた制度基盤と経済的ポジションを保っているが、内側からの自己不信や政治的分断が「アメリカらしさ」を変質させる可能性がある。
  • その変化は長い時間をかけて進行するが、ある時点で一気に可視化あるいは加速する、という「二段階の変化」が予感されている。

この後の続きでは「中国を思わせるような政治経済システムへの移行」というテーマに議論が進むと予告されており、アメリカが民主主義・自由市場中心の国から、より国家統制的な方向に向かう可能性が示唆されている内容です。

 

 

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