2025年12月20日 <限界大学>短大が30年で半減、27年度までに49校閉校へ 保育士不足に懸念
- この記事は、日本全国で短期大学(短大)の閉校が急増している現状を伝えています。以下に内容を要約します。
短大の減少状況
- 1996年度に598校あった短大は、2025年度には292校に減少。
- そのうち49校が2025〜2027年度に募集停止予定で、27年度末までに閉校見込み。
- 30年間で約半減という加速度的な淘汰が進行している。
背景
- 大学進学率は過去最高の59.1%に上昇する一方、短大の進学率は過去最低の3.1%に低下。
- 短大生は約7万1000人(93年度は約53万人)まで減少。8割超が女性。
- かつては女子の高等教育や事務職就職の主なルートだったが、女性の社会進出に伴い4年制大学志向が強まった。
- 企業も総合職採用で「大学卒」を条件とするケースが増えた。
影響と懸念
- 短大は保育士、介護福祉士、栄養士、看護師などの養成機関として社会的役割が大きい。
- しかし労働環境や低賃金の問題もあり志望者が減少中。
- 閉校が進むと、これらエッセンシャルワーカーの人材供給にも影響が出る懸念がある。
近年の閉校加速の要因
- 文部科学省の修学支援制度(授業料減免など)の「厳格化」が拍車をかけている。
- 各校が3年連続で定員充足率80%未満の場合、制度対象外に。
- 支援から外れると学生募集が一層難しくなり、経営困難に陥る。
- 2024年度は31校が制度対象外となり、そのうち15校がすでに募集停止を決定。
関係者の見解
- 日本私立短期大学協会の麻生隆史会長は、「特に地方では短大進学率が高く、修学支援制度の厳格化で撤退を余儀なくされた例もある。保育士などの担い手確保に支障が出かねない」と危機感を表明している。
短大の減少は地方の教育機会やエッセンシャルワーカー養成に直結しており、今後は国・自治体による制度設計の見直しが必要とされる状況です。
予期して準備をしてこなかった点が問題
短大の減少が問題ではない。根本的には人口減少、そしてそれを予期して準備をしてこなかった点が問題。
その指摘は非常に的確です。短大の減少は「結果」であり、「原因」ではありません。根本的な問題は、
- 出生数の減少による若年人口の縮小
- 教育制度や地域社会がこの人口構造変化に十分に備えてこなかったこと
にあります。
日本の18歳人口は1992年の約205万人をピークに、2025年にはおよそ105万人まで半減しました。それにもかかわらず、多くの大学・短大が定員をほぼ維持し、学生獲得競争を強めるだけの「量的対応」にとどまった点が構造的な失敗です。
また、少子化が進む中で「地域で必要な人材をどう育成・確保するか」という観点が十分に政策設計に組み込まれず、エッセンシャルワーカーを支える基盤(地元短大など)が衰退してしまったとも言えます。
結局、短大の淘汰は教育機関の問題ではなく、人口減少に対応した教育・雇用システム改革を怠ってきた国全体の制度的遅れを反映した現象です。
