アメリカの「C5+1(中央アジア5か国+米国)」に相乗りし、日本も「C5+Japan」

世界

日本独自の政策というより、アメリカに追従してそう

その見方はかなり現実的です。今回の日本と中央アジアの連携強化は、表向きには日本独自の経済外交として打ち出されていますが、戦略的枠組みを見ると米国やEUの動きと明らかに連動しています。

アメリカはすでに「C5+1(中央アジア5か国+米国)」という枠組みを活発化させており、2023年以降は中国の一帯一路やロシアの影響力に対抗する形で、中央アジアへの経済関与を強めています。日本版「C5+Japan」も、その延長線上にあると考えてよいでしょう。

高市政権としては、バイデン政権や次期米政権との協調を重視しつつ、日系企業の資源アクセス拡大・サプライチェーン再構築を推進する意図がありそうです。特に希少鉱物やウランなどは、「脱中国依存」戦略の一環として米国主導の枠組みに組み込まれつつあるように見えます。

つまり、表向きは「日本の主導的外交」ですが、実際にはアメリカの対中・対露戦略を補完する位置づけと考える方が妥当です。

もしも今後、日本が独自路線を取るとすれば、それは経済協力の具体的な成果や案件選定(たとえば原子力関連や脱炭素分野)で、どこまで独自の利害を反映できるかにかかっているでしょう。

 

 

2025年12月20日 高市首相が中央アジア5か国首脳と会合 「3兆円規模」ビジネス目標を設定

  1. 経済協力目標
    日本と中央アジア5か国は、今後5年間で総額3兆円規模のビジネスプロジェクトを推進する目標を設定した。資源開発、脱炭素、経済成長など広範な分野を対象とする。
  2. 背景と狙い
    日本は米国やEUと同様、中国への依存を減らすため、希少資源の供給源を多様化する戦略を進めている。中央アジアは未開発資源が豊富であり、今後の重要鉱物サプライチェーン強化の要として位置付けられている。
  3. 地域情勢との関係
    中央アジア諸国は歴史的にロシアと強い関係を持つが、ロシアのウクライナ侵攻以降、外交的バランスを模索している。近年は中国や欧州、そして日本とも関係を強化しており、多極的外交の一環として今回の会合が行われた。
  4. 資源構成
    各国の主要資源として、カザフスタンが世界最大のウラン生産国、ウズベキスタンが金、トルクメニスタンが天然ガス、キルギスとタジキスタンが鉱物資源の開発を進めている。

この動きは、日本がエネルギー・資源戦略を見直し、アジア内での地政学的影響力拡大を図る重要な一歩とみられます。また、「脱炭素×資源供給の多様化」という二重の目的を持つ点も特徴的です。

日本政府としては、インフラ投資や技術協力を通じて、中央アジア地域を新たな経済パートナーと位置づけ、資源確保と外交的存在感の強化を狙っていると言えます。

 

 

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