ロシア軍の死傷者は100万人 ウクライナ軍の死傷者は40万人

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ロシア軍の死傷者は100万人規模とも 国内で世論の反発が起きないのはなぜか?

ロシア軍の死傷者は約100万人に達しているとイギリス国防省が発表しています。このうち死亡者と行方不明者は約25万人にのぼり、これはロシアにとって第二次世界大戦後の紛争で最多の数字です。ロシアはこの大規模な死傷者数を受け入れ、戦争を続ける意向が強く、プーチン大統領も血みどろの地上戦を継続させる可能性が高いとされています。

それにもかかわらず、ロシア国内で大規模な世論の反発が起きていない理由には以下が考えられます。

  • 戦争の実態を都市部の多くの人々がテレビなどで遠隔的な「リアルではないもの」として捉えていること。
  • プーチン政権が国民に戦争の苦痛を感じさせないよう情報統制を行い、戦場の現実が身近に見えにくくしていること。
  • 戦争の被害が特定の階層や地域に限定され、国民全体の感覚として大規模な犠牲の実感が希薄であるため。
  • 死傷者数を指揮官が誇るなど、軍内部において犠牲者の数が戦果と見なされる特殊な風土が存在すること。

以上の点から、ロシア社会は膨大な軍損失にもかかわらず、強固な戦意を維持し続けている状況にあります。ただし、近年状態は徐々に変化しつつあり、徐々に戦争の現実が国民に浸透し始めているという指摘もあります。

 

 

ウクライナ軍の死傷者は?

ウクライナ軍の死傷者数は、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の2025年06月時点の推計で、約40万人にのぼります。このうち死者数は6万人から10万人程度と見られています。 ゼレンスキー大統領の発表でも、2024年12月時点の死者数は約4万5,000人で、負傷者はこれまでにのべ約39万人に達していると報告されています。

なお、正確な数字は戦況により変動し、また各国や関係機関の推計によって誤差がありますが、おおむねウクライナ軍の死傷者は40万人前後、死者数は6万~10万人程度と考えられています。

 

 

アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略
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米国の対中国戦略を描いた書籍です。著者は国防総省で国家防衛戦略の策定に関わる安全保障の専門家で、米中の軍事的緊張が高まる中で、米国が欧州や中東に資源を浪費せず中国の拡大を抑止する「拒否戦略」を提案しています。この戦略の要点は、中国によるアジアでの地域覇権を軍事的に拒否し、中国の侵攻や占領を不可能にして地域のバランスを保つことです。

書中では、経済力を根源としそこから軍事力を展開するパワーの概念を重視し、米国はアジアでの軍事的優位を確保するために日本やインド、オーストラリア、韓国と連携し、強力な反覇権同盟を形成すべきだと説いています。特に台湾問題や南シナ海での中国の動きを念頭に、中国の軍事的侵攻に対し圧倒的な防衛能力を持つことが不可欠であり、そのために日本の防衛力増強も強調されています。

また、著者は米国の対中戦略における中庸で実務的な立場をとり、「優越主義者」でも「抑制主義者」でもない「優先主義者」として、リアリズムに基づく戦略を提唱しています。米中対立と世界秩序の変動を踏まえ、アジアが世界GDPの約40%を占めるパワーの集積地であることを重視し、経済的・軍事的に中国の覇権確立を阻止する必要性を訴えています。

この本は、昨今の米中関係の緊張を背景に、現役の米国戦略家の視点から新たな軍事戦略をわかりやすく示しています。