アサドを引き渡してもらいシリア内で悪行を裁く事に意義がある

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2025年10月16日 シリア暫定大統領、ロ軍基地の安全確保示唆 モスクワで首脳会談

シリアのシャラア暫定大統領は2025年10月15日、ロシアのプーチン大統領とモスクワで直接会談を行い、過去に締結されたシリア・ロシア間の全ての合意を尊重する考えを示しました。この会談でシャラア氏は、ロシアが駐留を続ける西部タルトゥースの海軍基地と北西部フメイミム空軍基地の安全確保を示唆しました。

また、シャラア氏は「ロシアとの間には二国間関係と共通の利益があり、われわれはロシアと締結した全ての合意を尊重している」と述べており、関係の本質を見直すことに取り組んでいると伝えています。

一方、プーチン大統領は両国関係の再構築について「多くの興味深く有益な出発点に基づいて行動するために、ロシアは全力を尽くす用意がある」と応じました。

シリアでは昨年12月、シャラア氏率いる反政府勢力が首都ダマスカスを掌握し、ロシアが長年支援してきたアサド前大統領を追放しました。シャラア氏は本会談で、政権崩壊後にロシアに亡命したアサド前大統領の引き渡しを正式に要求したことが明らかになっています。

 

 

なぜアサドと仲が良いロシア軍基地の安全を確保する?

ロシアがアサド政権と関係が良いにもかかわらず、ロシア軍基地の安全確保を示唆している背景には、ロシアのシリアにおける戦略的利益と長期的な軍事拠点の維持が大きく関係しています。

まず、ロシアは冷戦時代からシリアと友好協力条約を結び、軍事援助を続けてきた歴史があります。シリアにはロシアのタルトゥース海軍基地やフメイミム空軍基地があり、これらは地中海における重要な軍事戦略拠点です。ロシアにとってこれらの基地は中東地域での影響力を維持し、安全保障を確保するうえで欠かせない資産となっています。

また、2011年に始まったシリア内戦では、ロシアはアサド政権を軍事的に強力に支援し、反政府勢力やテロ組織(ISILなど)に対する空爆も行っています。ロシアはアサド政権存続を支持しつつ、シリア国内の混乱がロシアの安保や地域の安定に悪影響を及ぼすのを防ぎたいという狙いもあります。

さらに、ロシアはシリアに駐留することで、中東における政治的・軍事的影響力を拡大し、他の大国と対等または優位に立とうとしています。基地の安全が脅かされれば、ロシアの戦略的立場が弱まるため、軍基地の安全確保はロシアにとって最優先の課題なのです。

つまり、ロシアがロシア軍基地の安全確保を強調するのは、アサド政権との歴史的・政治的な関係だけでなく、地中海や中東地域における戦略的軍事拠点の防衛と、地域における影響力維持という複合的な理由からです

 

 

アサドを引き渡してもらいシリア内で悪行を裁く事に意義がある

シャラア暫定大統領は、ロシアのプーチン大統領に対して、アサド前大統領をシリア国民に対する犯罪容疑で裁判にかけるために引き渡しを正式に要求しています。これはアサド氏の政権崩壊後も彼の行ったとされる悪行や犯罪をシリア国内で裁く意義を持つためです。アサド氏をシリア国内で裁くことで、暫定政権は正当性を強化し、国民や国際社会に対して責任ある統治を示そうとしていると考えられます。

この動きは、アサド政権を長年支持してきたロシアとの関係調整を行いながらも、自国の政治的安定と司法の独立性を確保しようとするシャラア暫定政権の戦略の一環といえます。

 

 

アサドを裏切るプーチンとロシアに正義はあるのか?ただの保身のためか?

ロシアは長年、シリア内戦でアサド政権を支援し続けてきました。2011年の内戦開始以降、ロシアは反体制派を「テロリスト」と見なし、アサド政権に軍事介入して戦況を好転させ、シリア国内の重要な軍事基地(タルトゥース海軍基地、フメイミム空軍基地)を維持しています。この支援はロシアの中東における影響力確保や戦略的利益のためです。

しかし、アサド政権が崩壊し、反政府勢力が中心となる新たな暫定政権が成立したことで、ロシアの立場は微妙になっています。シャラア暫定大統領がアサド前大統領の引き渡しを要求した背景には、シリアの現政権として内戦や支配体制における正義や責任の追及を図る狙いがあります。

一方で、ロシアがアサド政権を支援してきたのは純粋な正義からではなく、自国の地政学的利益や中東における影響力維持のための保身的な面が大きいと見る専門家もいます。ロシアの軍事介入は地域の勢力争いの一環であり、アサドとの関係は戦略的パートナーシップとして機能してきました。したがって、アサドを裏切る今回の動きも、ロシアの中東における立場維持や国益を最優先した現実的な政策判断の産物といえます。

結論として、ロシアの行動には正義と保身の両面が複雑に絡み合っていると考えられます。

 

 

せっかくロシアに亡命したのにシリアに引き渡されるアサド。アサド本人はがっかりしているだろう

亡命中のアサド前大統領にとっては、長年の支援国ロシアに逃れていたにもかかわらず、シリア暫定政権から引き渡し要求が出される状況は大きな失望であると考えられます。アサド氏は政権崩壊後、ロシアに身を寄せていましたが、その保護に限界があることを示唆しています。

シリアのシャラア暫定大統領は、アサド氏をシリア国民に対する犯罪容疑で裁判にかけるためにロシアに引き渡しを正式に要求しています。これは暫定政権が正義の実現と国民の信頼回復を図るための重要な一歩であり、アサド氏自身にとっては自身の立場が非常に厳しくなることを意味します。したがって、アサド氏ががっかりしているのは自然な推測と言えます。

 

 

アサド引き渡しでロシアの権威は失墜?

アサド前大統領の引き渡し要求は、ロシアにとって一定の政治的リスクを伴います。長年の同盟関係で支援してきたアサドを引き渡すことは、ロシアの権威や信頼性にダメージを与える可能性があるためです。ロシアはシリアにおける戦略的軍事基地の維持や中東地域での影響力を重要視している一方で、変化したシリア情勢に対応し、暫定政権との関係も模索しています。

このため、ロシアはアサドの引き渡しについて沈黙を守るなど慎重な姿勢を示しており、引き渡しが実現すれば権威の失墜や同盟関係の変化を招くリスクがあると考えられます。しかし、シリア暫定政権との関係改善や軍基地維持を優先するため、状況によっては引き渡しを検討する可能性もあります。

結局のところ、ロシアの権威はアサド引き渡し問題で一時的に揺らぐことが予想されますが、中東政策や軍事拠点の維持という大局的利益を守るための駆け引きの一環とも言えます。

 

 

シリアはアメリカを始めとする西側、中国を始めとする東側、どちらと仲が良い?

シリアは外交的には中東における複雑な地政学的環境の中で、西側のアメリカやその同盟国、中国を中心とする東側諸国の両方と慎重な関係を持っています。しかし、歴史的背景や近年の動向から見ると、シリアはロシアと中国を含む東側諸国との関係をより重視してきました。

中国はシリア内戦が始まった2011年以降、一貫してアサド政権の転覆に反対し、西側諸国による武力介入や制裁決議に対して国連安全保障理事会で拒否権を発動しています。これは中国が国際的な主権尊重や内政不干渉の原則を重視し、またアメリカ中心の外交・軍事介入の拡大を警戒しているためです。経済的・軍事的にはシリアとの結び付きは薄いものの、政治的にはアサド政権支持の立場を崩していません。

一方、シリアとアメリカとの関係は冷え込んでおり、特に内戦開始以降は反政府勢力支援や制裁を通じて対立が激化しています。アメリカはシリアのアサド政権を強く非難し、影響力を失った政権に対しては懐疑的です。

総じて言えば、シリアは現実的な軍事的・政治的安全保障や経済援助の観点から、中国やロシアといった東側諸国との関係を強めている状況です。これによりシリアは西側諸国よりも東側諸国との協力体制を重視していると言えます。

 

 

アメリカは新たなシャラア暫定大統領を支援しアサド政権を追放したのではないのか?

はい、アメリカは新たなシャラア暫定大統領を一定程度支援しています。2025年5月には、トランプ米大統領がシャラア暫定大統領とサウジアラビアで会談し、シリアとの国交正常化や対シリア制裁の解除の可能性を示唆しました。シャラア氏が率いる暫定政権は、昨年12月にアサド政権を打倒して成立したもので、アメリカ政府はシャラア氏への逮捕報奨金を解除するなど一定の関与を示しています。

こうした動きはアメリカがシリアの新たな勢力としてシャラア暫定政権を支援し、アサド政権の追放に関与していることを反映しています。ただし、シャラア氏はかつてアルカイダと関係があった過去もあり、アメリカ国内でも支援には慎重な声があります。アメリカはシリアの復興支援や制裁緩和を通じて、暫定政権との関係を強化していく方針も示しています。

 

 

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