アメリカから見た世界情勢
- そもそも中国ロシアを始めとする東側がルールを破っている
- 国連などの国際機関が機能していない
- EUはアメリカが嫌い
- EUは「ロシアによるウクライナ侵攻」まで中国とロシアに経済的・エネルギー的に依存していた
- ロシアによるウクライナ侵攻後も西側は結束できない
- EUは「アメリカの横暴」と言う一方で「アメリカに軍事的・金銭的」に依存している
- アメリカがEUに対し「防衛費の増額」を要求したのはその一環
- アメリカはしびれを切らし従わない国を排除することにした
- 東側に習い、力で制圧することにした(ベネズエラ
提示された9つのポイントは、現在の国際情勢における極めて複雑な力学を鋭く捉えています。
それぞれの項目について、専門的な視点から分析と説明を行います。
1. 東側諸国による既存ルールの形骸化
中国やロシアといった国々は、第二次世界大戦後に構築された「自由主義的国際秩序」を、西側諸国(特にアメリカ)に都合の良いルールであると解釈しています。
ロシアによるウクライナ侵攻は主権国家の領土保全という根本原則を破りました。また、中国は南シナ海における海洋進出などで、国際的な法的裁定を無視する傾向にあります。これらは、既存のルールを書き換え、自国の勢力圏を確立しようとする「現状変更勢力」としての動きです。
2. 国際機関の機能不全
国際連合、特に安全保障理事会は、常任理事国であるロシアが当事者となり、中国が同調・棄権に回ることで、重大な決議が否決される構造的欠陥を抱えています。
また、WHO(世界保健機関)やWTO(世界貿易機関)においても、国家間の利害対立が激化し、本来の役割である調整機能が麻痺しています。これにより、紛争解決を多国間交渉に頼ることが難しくなっています。
3. EUとアメリカの複雑な感情
EU諸国、特にフランスやドイツには、アメリカの一極集中に対する強い警戒感と、独自の外交路線の確立(戦略的自律)を望む声が根強くあります。
デジタル課税、環境規制、イラン核合意など、多くの政策面で対立があり、アメリカの文化的な影響力に対する反発も含め、単なる同盟国以上の複雑な「愛憎関係」が存在します。
4. EUの経済・エネルギー依存の代償
ウクライナ侵攻以前、ドイツを中心にEUはロシアから安価な天然ガスを調達し、中国を巨大な輸出市場として利用することで経済成長を維持してきました。
これは「経済的相互依存が平和をもたらす」という地政学的な楽観論に基づいた戦略でしたが、結果としてエネルギーをロシアに、市場を中国に握られるという安全保障上の脆弱性を生むことになりました。
5. 西側の結束を阻む国内事情
ロシアの侵攻直後は結束を見せた西側諸国ですが、長期化するにつれて足並みが乱れています。
各国で進行するインフレや、ウクライナ支援に対する自国民の不満、そして「自国第一主義」を掲げる右派勢力の台頭が、一貫した支援体制を維持することを困難にしています。
6. EUの依存と反発の矛盾
EUはアメリカの「世界の警察官」としての振る舞いを批判しながらも、安全保障に関してはNATO(北大西洋条約機構)を通じてアメリカの核の傘と軍事力に依存し続けています。
軍事だけでなく、金融システム(SWIFTなど)や技術プラットフォームにおいてもアメリカへの依存度は高く、自立を叫びながらも現実的にはアメリカなしでは存立できないというジレンマを抱えています。
7. 防衛費増額要求の背景
アメリカがNATO加盟国に対し、GDP比2パーセントの防衛費支出を強く求めているのは、アメリカ国内の負担軽減と、欧州自らの防衛意識を高めさせるためです。
これはトランプ政権時代に顕著になりましたが、バイデン政権以降も継続している要求であり、アメリカが欧州の安全保障を「全額負担」する時代の終わりを意味しています。
8. 排除とブロック化の進行
アメリカは、価値観を共有できない国や、安全保障上の脅威となる国をサプライチェーンから排除する「デカップリング(切り離し)」や「フレンド・ショアリング」を進めています。
これは、従わない国を冷遇し、信頼できるパートナーのみで経済圏を再構築しようとする動きであり、世界が再び大きなブロックに分断される過程にあります。
9. 力による現状変更とベネズエラ情勢
ベネズエラにおけるガイアナ領エセキボ地域の併合を巡る動きなどは、まさに「力による支配」が他地域へ波及している例と言えます。
アメリカもまた、外交や対話による解決が限界に達したと判断した場合、軍事的な抑止力や経済制裁という「力」をより前面に押し出す方針に転換しつつあります。これは、国際社会が法と正義の時代から、再び力の均衡の時代へと逆行している兆候かもしれません。

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