制度上も国籍による差別的な運用はない
「外国人は逮捕されても不起訴になりやすい」は本当か
- 埼玉のひき逃げ事件も…データから見えた事実
結論:統計的には「外国人の方が不起訴になりやすい」という事実はない
- 埼玉県三郷市で2025年5月に発生したひき逃げ事件で、中国籍の運転手は起訴され、同乗者は不起訴となりましたが、このような個別事例だけで「外国人が不起訴になりやすい」と判断するのは早計です。
- 法務省の『犯罪白書』など公的統計によると、刑法犯の検挙人数に対する起訴率は「外国人41.6%、日本人39.6%」と、むしろ外国人の方が起訴される割合が高いというデータが示されています。
- 特別法犯(入管法違反を除く)では外国人の起訴率が日本人より低い傾向もありますが、全体として「外国人が不起訴になりやすい」とは言えません。
不起訴処分の意味と理由
- 不起訴処分は「無罪」とは限らず、証拠不十分、起訴猶予、被害者の告訴なしなど様々な理由があります。日本の法制度上、不起訴理由の開示は義務づけられていません。
- 理由が明かされないのは、被疑者・被害者のプライバシー保護や捜査情報の保全など多様な事情によるもので、国籍による差別的な運用ではありません。
「外国人犯罪が目立つ」という印象の背景
- メディア報道では、日本人の場合「日本人男性」と国籍を明示しない一方、外国人の場合は「外国籍」と明記されることが多く、これが「外国人犯罪が多い」という印象を強めている可能性があります。
- 実際には、令和6年度の刑法犯検挙人員のうち外国人の比率は5.3%に過ぎません。
まとめ
- 個別の不起訴事例だけを見て「外国人は不起訴になりやすい」と考えるのは誤りです。統計的には外国人の起訴率は日本人より高い傾向があり、制度上も国籍による差別的な運用は認められていません。
- 社会全体として、先入観にとらわれず、事実と制度の背景を踏まえた冷静な判断が求められています。
内容紹介
- 本書は、1980年代以降に日本へやってきた外国人労働者とその2世たちが直面する現実を描いたルポルタージュです。パキスタン、バングラディシュ、イラン、ブラジル、ペルー、コロンビア、中国、ベトナム、ネパールなど多様な出身国の移民2世たちが、日本社会で貧困・虐待・差別といった困難に直面し、時には「裏の社会(パラレルワールド)」へと道を外れてしまう実態を追っています。
- 彼らが犯罪に手を染める背景や、「血」のアイデンティティを求めて理不尽に抗いながら生きる姿を通じて、日本社会の知られざる現実を浮き彫りにしています。
主な章立て
第一章 外国人ギャングというコミュニティ――ブラジル、ペルー
第二章 外国人パブの子どもたち――フィリピン
第三章 成り上がった殺し屋の息子――コロンビア
第四章 日本鬼子(リーベングイズ)と呼ばれた男の生き様~中国
第五章 不良移民の最前線――ベトナム
第六章 差し伸べた手は届くのか――児童福祉
特徴
- 280ページにわたり、移民2世たちのリアルな証言と社会の闇を克明に描写
- 日本人には想像しづらい、移民社会の「ダークサイド」を明らかにする衝撃のルポ
評価・反響
- 日本の人口減少と移民政策の現実、そして移民2世が直面する厳しい状況について考えさせられるとの声があります。
- 政府の移民政策だけでなく、日本社会全体の意識改革の必要性を示唆する内容です。
まとめ
- 移民2世の若者たちが直面する困難や、彼らが作り上げるパラレルワールドを通して、日本社会の見過ごされがちな現実を鋭く描いた一冊です。