医師不足、看護師不足は1990年代から予測されていた

医師不足、看護師不足は以前から予測されていた

医師および看護師の不足は、1990年代から2000年代にかけての政策、および人口構造の変化によって、四半世紀以上前から予測されていました。

医師については過去の抑制政策による絶対数の不足と地域・診療科の偏在が、看護師については高齢化に伴う需要増に対して供給が追いつかない構造的課題が指摘され続けています。

医師不足の予測と経緯

医師不足の背景には、1986年の厚生省(当時)による「将来の医師過剰を避けるための医学部定員削減」という方針があります。

1990年代後半から2000年代にかけて、この抑制策の影響と「新医師臨床研修制度(2004年導入)」による大学病院の派遣機能低下が重なり、地方の病院や産科・小児科・救急などの現場で決定的な人手不足が表面化しました。

2008年以降、政府は一転して医学部定員を増員しましたが、医師の育成には10年以上の歳月を要するため、予測されていた需給の不一致は現在も解消されていません。さらに、2024年から施行された医師の働き方改革(時間外労働の上限規制)により、1人あたりの労働時間が制限され、実質的な必要医師数がさらに跳ね上がっています。

看護師不足の予測と構造的要因

看護師不足については、絶対数以上に「需要の急増」と「高い離職率」のミスマッチが以前から予測の焦点となっていました。

厚生労働省の需給分科会などの報告では、いわゆる「2025年問題(団塊の世代が75歳以上になること)」に伴う医療需要のピークが予見されており、2025年には約6万人から27万人程度の看護師が不足するという推計が過去に出されていました。

不足の主な要因は、高度化する医療への対応に伴う業務負担の増加、夜勤等の過酷な労働環境による離職、そして生産年齢人口の減少による新規入職者の獲得難です。

2026年現在の状況と展望

2026年現在、日本医師会などの提言によれば、医師の偏在(地域格差)の是正は依然として道半ばであり、少子化の加速によって医療従事者の志望者数そのものが減少するフェーズに入っています。

今後は単純な人員増だけでなく、タスク・シフティング(業務の移管)やAI・ロボットの導入、さらには医療機関の集約化といった構造改革が避けられない状況です。

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