2025年11月18日 習近平が掘った巨大な墓穴
- この記事は「極東ブログ」に掲載された中国政治情勢の分析であり、2025年10月に北京で開かれた中国共産党第二十期中央委員会第四回全体会議(四中全会)の異常な実態と、それが示す深刻な体制危機を論じている。以下はその要点である。
四中全会の異常事態
- 2025年10月の四中全会では、人民解放軍(PLA)出身の中央委員205名中44名のうち、実際に出席したのはわずか15名だった。出席率34%という異常な低さであり、多くの高官が「規律違反」で失脚していた。習近平に近い腹心たちが次々と粛清され、軍の指揮系統そのものが崩壊していることを示している。
習近平政権の経済的失敗
- 中国経済は不動産バブル崩壊、若年失業率の上昇、消費低迷、人口減少の「四重苦」に直面。習近平による「共通繁栄」政策やテック・不動産規制が景気を悪化させ、成長率は4%台に低迷。経済成長が正当性の根拠だった共産党にとって、政権維持の危機が深まっている。
軍の混乱と権力闘争
- 軍では幹部の大規模な失脚が続き、命令系統が不明瞭となり、演習やミサイル訓練も停止状態。このため台湾周辺での演習規模が縮小し、実際には「攻撃できない」状態にある。内部では地域派閥・実利派が台頭し、習派が自壊的状況に陥っている。
台湾有事の現実的可能性
- 軍機能の混乱により台湾侵攻の即応力は著しく低下。米国防総省と台湾の防衛報告はいずれも侵攻は少なくとも2年遅延すると分析している。ただし、2026年春以降、軍再構成が進めば、2027年の党大会を前に台湾冒険へ走るリスクも残る。
高市首相発言と日本の戦略的意図
- 高市早苗首相は国会答弁で、中国による台湾封鎖や米軍来援を「存立危機事態」になり得ると明言。これは、日本が従来の曖昧戦略を脱し、中国軍の脆弱期に合わせて抑止力を高める戦略的措置と考えられる。背後には米・台湾の情報共有や日米同盟強化の意図があると見られる。
日本への示唆と今後
- 記事は、日本に対し以下の3点を提言している。
- 南西諸島を中心とする防衛力の抜本的強化。
- 台湾との実質的な安保協力の深化。
- 経済面での中国依存からの脱却。
- 最後に筆者は、習近平政権は自ら「深い墓穴」を掘り続けており、その崩壊後には軍の暴走や核管理の混乱といった「ブラックスワン的破局」もあり得ると結ぶ。
要するに本稿は、表向き安定を装う中国の内実が極めて脆弱であること、軍・経済・政治各分野の機能不全が同時進行しており、日本にとっては抑止力強化の好機であると論じている。
