米、ウクライナ平和維持部隊を空軍力で支援へ
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、欧州各国が計画しているウクライナへの平和維持部隊について、米国も空軍による支援を行う用意があると表明しました。ただし、地上部隊を派遣する考えは否定しています。
この多国籍平和維持部隊の構想は、和平合意が成立した場合にウクライナへ派遣される予定で、19日に具体化の動きが加速しました。トランプ大統領は前日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領や欧州の首脳らと協議を行い、この計画を検討していたことが明らかになりました。
米国は全面的な軍事介入は避けつつ、欧州主導の平和維持活動を後方から空軍力で支援する方針を示した形になります。
トランプ氏、解決を自負する「六つの戦争」とは
トランプ米大統領は2025年08月18日、ウクライナとロシアの紛争に関連して「停戦ではなく和平合意を目指すべきだ」と主張した。その中で、自分がこれまで「六つの戦争を解決した」と誇り、いずれも停戦ではなく直接交渉による解決を実現したと述べている。
さらにトランプ氏は、オバマ元大統領がノーベル平和賞を受賞したことを意識し、自分も同賞を目指していることを隠さず示した。彼は世界的に大きな影響を持たない紛争に対しても、自ら交渉の中心人物となることを好む姿勢を見せている。
欧州首脳陣、トランプ氏を称賛 「あなたのおかげで何かが変わった」
イタリアのジョルジャ・メローニ首相が訪米中にドナルド・トランプ米大統領と会談し「あなたのおかげで何かが変わった」と称賛の言葉を伝えた。メローニ氏は平和と正義を実現するためには国際社会が一致して取り組む必要性を強調し、その一環としてウクライナに対する安全の保証が重要な議題であると述べた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も同調する発言をしており、欧州首脳らがトランプ大統領の役割を評価する姿勢を示した。
欧州主要国の指導者たちがトランプ大統領の影響力を認め、特にウクライナ問題を含む国際的な協力の必要性を強調した内容となっている。
ウクライナ戦争はどう終わるのか 2つのシナリオ
ウクライナ戦争の終結について、最も可能性が高いとされるシナリオは二つあります。
- ウクライナが領土の一部を失うものの、安全な主権国家として存続するシナリオ。戦闘は続くものの、現在の前線の凍結や停戦合意を経て、ロシアとウクライナの間で領土や安全保障に関する交渉が行われる形がありえます。
- ウクライナが領土だけでなく主権も失い、ロシアの勢力圏に逆戻りするシナリオ。この場合、ウクライナの主権が大きく侵害され、部分的に傀儡政権が作られるなど、ロシアの影響下に入る状況となる可能性があります。
どちらのシナリオが実現するかは今のところ不透明で、アラスカでのトランプ・プーチン会談後も和平の突破口は開かれていません。プーチン大統領は、現状の軍事的優位を背景に戦闘継続の姿勢を見せており、ウクライナと西側諸国がロシアの地政学的目標を受け入れるまで戦闘が続く可能性も示唆されています。
また、他には長期的な消耗戦や戦闘の凍結、断続的な停戦状態が続くケースも考えられており、戦争が終わらず膠着状態となる可能性も高いと見られています。この状況でロシアの目的はウクライナの降伏や屈辱を狙う点にありますが、ウクライナ側も攻撃や反撃を続けて抵抗しているのが現状です。
これらの見通しから、ウクライナ戦争の終わりはまだ遠く、今後の展開は政治的・軍事的な駆け引き次第で大きく左右される状況です。
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