「敵対国に重要な物資を依存する」グローバル化は終わった

トランポノミクス2.0、旧来のグローバリゼーションの戦略を破棄

  • Trumponomics 2.0 throws out old globalization playbook

提示された記事は、アメリカの経済政策が安価な輸入品とグローバル化に依存する従来の路線から、国内生産やサプライチェーンの強靭化、国家安全保障を重視する路線へと大きく転換している状況を報じています。

この方針はトランプ政権だけでなく、バイデン前政権とも共通する超党派的な世界的潮流(グローバル化の見直し)になりつつある点、そして新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏による金融政策の対話手法の変更を財務長官が支持している点が主な内容です。

経済 statecraft(国策)の転換とグローバル化の終焉

スコット・ベセント財務長官はニューヨーク・エコノミック・クラブでのスピーチで、これまでのグローバル化の前提であった「低価格が国内の生産能力喪失を補う」という考え方は誤りであったと指摘しました。

敵対国に重要な物資を依存する状態は真の主権国家とは言えず、消費だけに依存する国は本当の繁栄を築けないと主張しています。

これからの米国経済は、国内生産の拡大、サプライチェーンの強靭化、そして安全保障に重きを置く構造へと移行します。

超党派で進むグローバル化への懐疑論

この「市場が常に資本を効率的に配分し、サプライチェーンが機能し続けるという前提は間違いだった」という認識は、バイデン前政権のジェイク・サリヴァン国家安全保障顧問が2023年に語った内容と酷似しています。

つまり、パンデミック前のような自由貿易至上主義への懐疑論は、民主党・共和党の枠を超えたアメリカ全体の共通認識になりつつあります。

ただし、トランプ政権の経済政策(トランポノミクス20)においては、アメリカに対して不公正な貿易を行う国への対抗措置として、より明確かつ断固とした関税措置や、相互主義(ギブ・アンド・テイクの要求)が強調される点で違いがあります。

金融政策における新たな方針

ベセント財務長官は、新FRB(連邦準備制度理事会)議長のケビン・ウォーシュ氏が打ち出した「フォワードガイダンス(将来の金利方針の事前提示)」の廃止方針を高く評価しました。

ウォーシュ氏は、中央銀行が市場に対して手取り足取り将来の見通しを伝える従来のやり方を改め、政策声明文を簡素化し、データ重視の姿勢を明確にしています。

トランプ大統領もウォーシュ氏に対して公私ともに絶大な信頼を寄せているとベセント氏は述べています。

 

 

グローバル化の終焉は、世界的に物価高騰が続く

グローバル化の見直し(国内回帰やサプライチェーンの分散)が進むと、効率性や安さを最優先したこれまでの仕組みが機能しなくなるため、中長期的に世界的な物価高騰(インフレ)が続きやすくなります。

生産コストの上昇と構造的なインフレ

これまでのグローバル化は、労働コストの低い国で大量生産を行い、関税を引き下げることで、世界中に安価な製品を行き渡らせる役割を果たしていました。

しかし、生産拠点を自国に戻す「リショアリング」や、同盟国・友好国に限定する「フレンドショアリング」を進めると、これまでよりも人件費や工場建設のコストが高くなります。

効率性よりも安全保障や確実性を優先することになるため、製品の製造コストが上がり、それが最終的な価格に転嫁されて物価を押し上げる要因になります。

関税の掛け合いによる物価への影響

アメリカのトランプ政権が主張するような、相互主義に基づく広範な関税措置は、輸入品の価格を直接的に押し上げます。

関税を課された国が対抗措置として関税を掛け返す「貿易摩擦」が激化すると、部品や原材料の調達コストが世界規模で上昇します。

これにより、企業はコスト増を吸収しきれなくなり、世界的な物価高騰が定着しやすくなります。

金融政策への波及

物価が下がりにくい構造(高インフレの常態化)に変化すると、中央銀行は金利を高い水準に維持せざるを得なくなります。

新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏がフォワードガイダンス(事前の慎重な景気予測の提示)を廃止し、その時々の経済データに応じて柔軟に政策を決める方針をとる背景にも、こうした先行き不透明でインフレ圧力が強い経済環境への移行が関係しています。

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