1日に4杯のコーヒーで若死にするリスクが大幅に減少。コーヒーに含まれる抗酸化物質が心臓を守る(スペイン研究)



1日に4杯コーヒーを飲むだけで若死にするリスクが大きく低下するそうだ。
スペインの研究者が10年間25~60歳の20万人を追跡調査した結果、コーヒーに含まれる化合物が心臓にいい影響を与え、またガンの発生を抑えるらしいことが判明した。
1日コーヒー4杯で死亡リスクが3分の2も減少
研究の開始時点において被験者の平均年齢は37歳と比較的若かったため、その後10年の調査期間における平均死亡率は1.7パーセントと非常に低かったが、コーヒーを最も多く飲んでいたグループではさらに死亡リスクが低かったそうだ。
コーヒー2杯ごとに死亡率が22パーセント低下し、45歳以上の被験者の場合は低下の割合が30パーセント低下した。
また4杯飲んでいた人では、全く飲まないか滅多に飲まない人に比べて、死亡率が64パーセント低かった(したがって絶対的な死亡率は1パーセント未満)。

コーヒーに含まれるポリフェノールの抗炎症作用
研究リーダーであるナバーラ病院のアデラ・ナバーロ(Adela Navarro)博士は、「コーヒーをたくさん飲むようにお勧めします。きっと心臓にいいですよ」と話す。
ナバーロ博士の考えでは、コーヒーに含まれているポリフェノールの抗炎症作用が健康にいいのだという。
今回の研究はあくまで統計的な調査であるので、コーヒーが死亡率を改善することを証明できたわけではない。しかし結果自体はこれまでになされた研究結果と一致している。

数々の研究がコーヒーの健康に対する有効性を証明
ちょうど先月、インペリアル・カレッジ・ロンドンが実施した52万人を対象とした研究で、コーヒーが肝機能の改善、炎症の抑制、免疫の活性化を促すことが判明したばかりである。
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コーヒーには、カフェイン、ジテルペン、抗酸化物質といったいくつもの化合物が含まれており、健康にいい効果を発揮してくれる。
カフェイン抜きのコーヒーを飲んでいる人を対象としたいくつかの研究からは、どうやら最も健康にいい化合物は抗酸化物質であることが分かっている。

たくさん飲めば飲むほど良いというわけではなさそうだ
なお今回の研究では1日に8杯以上飲んでいるような人はほとんどおらず、コーヒーを飲んでもいい上限があるのかどうかは明らかにされてない。
しかし飲み過ぎは禁物であると警告する専門家もいる。例えば、欧州食品安全機関は1日に摂取してもいいカフェインを0.4グラムと定めている。これはエスプレッソなら5杯分、インスタントコーヒーなら4杯分に当たる。
結局のところ、心臓疾患のリスクを下げ、若死を防ぐ最良の方法は、バランスのとれた食事、適度な運動、記念など、全体的に健康的なライフスタイルを送ることなのだ。