一方で指導力不足などの課題も残る。
年齢にとらわれず敬意と成果を重視する姿勢が求められている。
年下の上司に75%が抵抗なし、若その裏で若い世代が抱える本当の悩み
年下の上司に対する女性の意識とその背景
- 約8割が「抵抗なし」・・・2025年4月~5月に実施された「女の転職type」の調査によると、働く女性の75.2%が「年下の上司と働くことに抵抗はない」と回答しています。この結果は、年功序列が色濃く残るとされる日本の職場においても、年齢よりも能力や実績を重視する意識が広がっていることを示しています。
- 年代別の意外な傾向・・・年代別に見ると、20代・30代の若い世代ほど年下の上司に抵抗を感じる割合が高く、40代・50代ではその割合が低いという逆転現象が見られました。これは、年齢を重ねるほど年下の上司と働く経験が増え、現実的な対応力が身に付くためと考えられています。実際、年下の上司と働いた経験は20代以下で18.2%、50代以上では91.3%と大きな差がありました。
抵抗感の理由と実際の評価
- 主な抵抗理由・・・年下の上司に抵抗を感じる理由として最も多かったのは「敬語の使い方や態度に気を遣う」(55.6%)、次いで「年下であることに心理的な抵抗がある」(49.4%)、「経験や知識不足が不安」(30.9%)でした。これらは能力への疑問というより、コミュニケーションの難しさや心理的な戸惑いが大きな要因となっています。
- 実際に働いてみての評価・・・一方、実際に年下の上司と働いた経験がある人からは、「年齢に関係なく能力や実績が評価されると感じた」(37.2%)、「新しい視点や発想を学べた」(32.1%)、「フラットで風通しの良いコミュニケーションができた」(26.5%)など、ポジティブな意見が多く寄せられています。「年齢差を意識しなかった」「優秀かどうかは年齢ではないと分かった」といった声もあり、実体験によって意識が変化する様子がうかがえます。
- 課題としての指導力不足・・・一方で、「指示や指導の経験不足を感じた」(33.8%)、「精神的に未熟だと感じた」(28.6%)といった、マネジメント経験や精神面の未熟さを課題とする声も上がっています。これは個人の努力だけでなく、企業による管理職育成の重要性を示唆しています。
- 年下の上司と働く際の心構え・・・年下の上司と働く際に心がけたいこととして、「年齢にとらわれず、敬意を持って接する」が最も多く(70.8%)、次いで「仕事の成果で信頼関係を築く」(52.0%)、「困ったことや疑問点は遠慮せず相談する」(47.2%)が続きました。年齢に関係なく、一人のビジネスパーソンとして真摯に向き合う姿勢が主流となっています。
まとめ
- 約8割の女性が年下の上司に抵抗を感じていない。
- 若い世代ほど年下の上司に抵抗を感じやすいが、経験を重ねることで抵抗感は薄れる。
- 抵抗理由は主にコミュニケーションや心理的な要素が中心。
- 実際に働くと、能力主義や新しい発想などポジティブな面が評価される一方、指導力不足などの課題も残る。
- 年齢にとらわれず敬意と成果を重視する姿勢が求められている。
この調査結果は、年齢よりも実力や成果を重視する職場文化への転換と、若手管理職の育成強化の必要性を浮き彫りにしています。
- 『上司は話し方が9割』(佐藤英郎 著)は、2023年5月にアーク出版から刊行されたマネジメント書籍です。この本は、部下のパフォーマンスを最大限に引き出すための「上司の話し方」のコツを解説しています。「話し方」を変えるだけで、組織の成果や部下のやる気・能力が大きく向上するという実践的な内容が特徴です。
主な内容と特徴
- 上司の役割は「部下を介して仕事をする人」であり、部下のやる気や能力を引き出しながら組織目標を達成することにあると定義しています。
- 部下の目的や思い、考え方を理解し、やる気や能力を引き出すための具体的な話し方を学ぶことの重要性を説いています。
- 激変するビジネス環境の中で、部下を育てる情熱を持つ上司にとって役立つヒントや心得が多数掲載されています。
こんな人におすすめ
- 部下のマネジメントに悩む上司
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- コミュニケーション力を磨きたいビジネスパーソン
まとめ
- 上司としてのコミュニケーションスキルを高め、部下のパフォーマンスを向上させたい人にとって実践的なアドバイスが詰まった一冊です。Kindle版も販売されており、手軽に読むことができます。