国際刑事警察機構 中国人総裁が行方不明に
[2018/10/06 05:57]
- インターポール(国際刑事警察機構)のトップを務める中国人男性が行方不明になっていることが分かりました。
- フランスメディアによりますと、インターポールの孟宏偉総裁は家族と住むインターポールの本部があるフランスのリヨンから先月下旬に中国に一時帰国し、それ以降、連絡が取れなくなって夫人が届け出てフランス当局が捜査を始めたということです。インターポールは、ANNの取材に対して「フランスと中国の関連当局の問題なので、コメントしない」としています。孟総裁は中国公安省の次官も務めていて、おととし11月に中国人として初めてインターポールの総裁に就任していました。
2ch / Twitter / Google / Youtube / gunbird / gnews 孟宏偉
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ICPOが中国当局に説明要求 総裁行方不明問題
[2018/10/07 13:50]
- ICPO(国際刑事警察機構)の中国人の総裁が行方不明になっている問題について、ICPOは中国政府に説明を求めました。
- ICPOが6日に出した声明によりますと、先月、フランスから中国に帰国した後に消息が分からない孟宏偉総裁の状況について中国当局に対し、公式ルートで説明を求めたということです。フランスの新聞「ルモンド」によりますと、フランス当局は孟総裁が中国政府に拘束された可能性が高いとみて捜査しているということです。また、AFP通信はフランス内務省関係者の話として、孟総裁の妻が何者かに電話やSNSで脅されていたと報じています。
失踪前に「刃物の絵文字」 インターポール総裁、辞意を表明
2018年10月08日
- 国際刑事警察機構(インターポール、Interpol、ICPO)は7日、先月25日から行方不明となっている中国出身の孟宏偉(Meng Hongwei)総裁から辞意の表明を受けたと発表した。これに関連し中国政府は同日先に、孟氏が「違法行為を犯した」疑いがあるとして、取り調べが行われていると明かしていた。
- インターポールの発表によると、孟氏の辞任は「即時発効」し、韓国出身のキム・ジョンヤン(Kim Jong Yang)副総裁が総裁代行を務めるという。
- 中国人として初めてインターポール総裁に就任した孟氏は、先月25日に同機構の本部があるフランス・リヨン(Lyon)から中国に向かって以来、消息を絶っている。
- 孟氏の妻によると、その日同氏からソーシャルメディア上で「自分からの電話連絡を待つ」ようにとのメッセージを受信。その後同氏から「刃物の絵文字」が届き、妻は夫の身を案じていると話している。
- 中国政府は、フランス当局が5日に孟氏の失踪を発表した後も口を固く閉ざしていたが、7日になってようやく、同氏に対し「違法行為を犯した疑いで取り調べが行われている」との1行の声明文を出していた。
政敵人脈一掃、鮮明に=拘束の孟宏偉氏-ICPO
2018年10月08日
- 中国当局が孟宏偉・国際刑事警察機構(ICPO)総裁(7日に辞任)を拘束し、収賄容疑での調査を開始した背景には、習近平国家主席の政敵だった周永康・元共産党中央政法委書記(2015年に収賄罪などで無期懲役判決)に連なる人脈を一掃する狙いがある。
- 孟氏は黒竜江省ハルビン市出身の64歳。北京大法学部を卒業後、警察畑を歩み、04年に公安次官に昇格。当時公安相だった周氏を側近の一人として支えた。以来14年間、同次官を務めるとともに、13年からは海警局長、16年からICPO総裁を兼務していた。
- 孟氏の拘束を受け、公安省は8日早朝、趙克志・国務委員兼公安相が主宰する会議を開催。国家監察委員会による孟氏への調査を支持し、「反腐敗闘争」を断固推進することを確認した。さらに「周永康の害毒の影響を一掃する」必要性を強調、省内から「周永康派」を徹底的に排除することが狙いであることを鮮明にした。8日には同省ホームページの幹部一覧から孟氏の名前が消えた。
- 外務省の陸慷報道局長は8日の記者会見で「中国政府が『依法治国』(法によって国を治める)を断固推し進めていることを反映したものだ」と強調した。ただ、国内の政治闘争を背景に国際組織のトップを拘束し、10日以上もその事実を公表しないやり方は、中国式「法治」の不透明さを国際社会に印象付ける結果ともなった。
不明のICPO総裁、中国当局が調査=収賄容疑で拘束-妻「国際社会の介入を」
2018年10月08日
- 中国の汚職摘発機関、国家監察委員会は7日深夜、国際刑事警察機構(ICPO=インターポール、本部仏リヨン)の総裁を務める孟宏偉・公安次官について、違法行為の疑いで調査していると発表した。趙克志国務委員兼公安相は8日の公安省の会議で、孟氏の容疑を収賄と報告。孟氏は9月下旬にフランスから中国に一時帰国した後に消息不明になったが、汚職の疑いで連行、拘束されていることが確認された。
- 孟氏の問題では、リヨンに残る孟氏の妻からの連絡を受け、仏当局が捜査に着手したほか、ICPOは中国政府に説明を求める声明を出した。妻は7日、リヨンで記者会見し、「国際社会の問題だ」と述べ、各国政府の介入を訴えた。
- 孟氏は2004年、公安省の次官に昇格。習近平指導部による反腐敗闘争で失脚した周永康・元党中央政法委書記(無期懲役判決)に引き上げられた。公安当局を牛耳った周元書記の腹心だった公安幹部は次々と拘束されている。8日の公安省の会議では、「周永康の害毒の影響を断固、徹底的に一掃する」ことで一致した。
- 孟氏は16年11月に中国人として初めてICPO総裁に選出された。海外逃亡した元腐敗高官の摘発を強化する習指導部は、同総裁のポストを握り、元高官の引き渡しなど国際的捜査を有利に進める思惑も持っていたとみられる。しかし世界各国の警察を束ねる国際機関トップを、送り込んだ国の当局が摘発するのは極めて異例。習指導部は国内的に、反腐敗闘争に聖域がないことを強く印象づけたい狙いだが、国際的には中国の信用とイメージを損なった形だ。
孟氏の妻によると、孟氏がリヨンから中国へ向かった9月25日、孟氏からインターネット交流サイト(SNS)を通じ「私からの電話を待つように」と書かれたメッセージを受け取った。危険を表す絵文字も送られてきた。その後孟氏とは連絡が取れなくなった。妻は記者団に対し、「彼に何が起きたのか分からない」と震える声で語った。
ICPO総裁摘発、裏に党内闘争? 「世界の恥だが…」
2018年10月10日
- 国際刑事警察機構(ICPO、本部・仏リヨン)の孟宏偉前総裁(64)=7日に辞職=が中国帰国後に失踪していた問題で、中国公安省は8日、孟氏を収賄などの容疑で捜査していることを明らかにした。国際機関の重要ポストを押さえ影響力拡大を図る中国の戦略がつまずいた形だが、それでも優先すべき国内の政治事情があった模様だ。
- 「世界の笑いものだ」「今後、中国人が国際組織の要職に就くのは難しくなるだろう」
- 9日、中国のネット上では孟氏の失脚について、こんな書き込みが相次いだ。
- 詳しい容疑は不明だが、公安省は8日、幹部会議を開き、「完全に自業自得だ」と孟氏を激しく非難。習近平(シーチンピン)国家主席らと対立し、4年前に失脚した元共産党最高指導部メンバーの周永康(チョウヨンカン)受刑者(収賄罪で無期懲役)に触れて「その悪影響を一掃する」とも指摘し、党内の政治的背景があったことを明らかにした。
- 孟氏は周受刑者が公安相時代に…
周永康元公安相の「側近」として出世した孟宏偉前総裁
国際刑事警察機構(ICPO)の孟宏偉前総裁が妻に送ったメッセージ。「電話するから待ってくれ」という言葉に続き、ナイフの絵文字を送っていた
フランスのリヨンで7日、記者会見する孟宏偉氏の妻。顔の公開は望まないとして、カメラに背を向けて報道陣に語った