日本は米中どちらに軸足を置くか、踏み絵を迫られている
「なめられてたまるか」米国か中国か選択迫られる石破首相
石破茂首相が「なめられてたまるか」と発言し、米国か中国かの選択を迫られているという論調は、2025年07月の米中対立の中で日本の立ち位置が厳しく問われている現状を象徴しています。
石破首相は、アメリカ・トランプ大統領による日本への関税強化に対し、7月9日の千葉県船橋市での演説で「国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。たとえ同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る」と強い姿勢を示しました。この発言は、国内外で「アメリカに対しては強硬だが、中国の尖閣諸島などへの圧力には遺憾表明にとどめている」との批判も呼んでいます。
その直後、アメリカは日本とオーストラリアに対し、台湾有事など米中軍事衝突時の「関与」を明確にするよう求めました。これは、単なる後方支援ではなく、集団的自衛権の発動や自衛隊の実戦参加まで含意した極めて踏み込んだ要求と受け止められています。
この状況下で石破首相は、「アメリカか中国か」という二者択一の“踏み絵”を突きつけられています。もし中国寄りの姿勢を強めれば、アメリカからの圧力や同盟関係の悪化は避けられず、逆にアメリカに明確に軸足を置けば中国との関係悪化や経済的報復リスクも高まります。
外交的には、石破首相はASEAN諸国との連携強化や「自由で開かれたインド太平洋」構想推進を掲げており、単純な米中二択ではなく、多角的な外交バランスを模索しています。しかし、米中対立が先鋭化する中で、日本の「中立」や「バランサー」戦略は現実的な選択肢として成立しにくくなっているのが実情です。
アメリカ側は、日本に「自国の防衛を自国の軍隊で担う」こと、すなわちアメリカ依存からの脱却と、アジアにおける安全保障の責任分担を強く求めています。石破首相の「なめられてたまるか」発言は、こうしたアメリカの要求に対する日本側の自立的姿勢の表明とも受け取れますが、同時に米国との同盟維持や中国への対応という難しい舵取りを迫られていることも明らかです。
要点として、
- 石破首相は対米関税交渉で「なめられてたまるか」と強硬姿勢を示したが、中国への対応は抑制的との批判がある。
- 米国は台湾有事を想定し、日本に「関与」＝軍事的役割を明確にするよう要求している。
- 日本は米中どちらに軸足を置くか、踏み絵を迫られている状況であり、石破政権の選択が今後の国防や外交の行方を大きく左右する。
この構図は、2025年の日本外交の最大の課題となっています。
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