中国の需要がアフリカのロバ資源に大きな圧力 農村の生活や経済に深刻な影響

世界のロバ皮を飲み込む中国、漢方薬需要がアフリカの農村圧迫

中国のロバ皮需要とアフリカへの影響

  • 中国の伝統薬「阿膠(e-jiao)」の需要増加が、アフリカの農村社会に大きな影響を与えています。
  • 阿膠は、ロバの皮から抽出したコラーゲンを原料とする伝統薬で、血を補い、免疫力を高め、病気を予防すると信じられています。
  • 中国国内のロバ頭数は1992年の約1,100万頭から2021年には174万頭まで80%以上減少し、国内需要を賄えなくなったため、アフリカを中心とした海外からロバ皮を大量に輸入するようになりました。
  • 阿膠産業は年間約590万枚のロバ皮を必要としており、その多くがアフリカから供給されています。

アフリカのロバと農村社会

  • アフリカは世界最大のロバ頭数を誇り、ロバは農村部で運搬や農作業などに不可欠な労働力です。
  • 特に女性や少女の労働負担軽減に役立っており、ロバの減少は生活や生計に直接的な悪影響を及ぼしています。

規制と課題

  • 多くのアフリカ諸国はロバ皮の輸出や取引を禁止していますが、実際の取り締まりや規制の徹底には課題が残っています。
  • アフリカ連合(AU)はこの問題に対して明確なコメントを出していません。

中国側の立場

  • 中国政府は「アフリカの意向を尊重し、互恵・ウィンウィンの協力を重視している」とし、現地の法律や規則を守るよう中国企業や市民に求めていると述べています。

まとめ

  • 中国の阿膠需要がアフリカのロバ資源に大きな圧力をかけ、農村の生活や経済に深刻な影響を及ぼしています。規制強化や持続可能な協力の模索が急務となっています。

具体的な国名

中国のロバ皮需要に関連して、具体的に影響を受けている、または取引や輸出を禁止している国には以下のような国々が挙げられます。

  • ニジェール(ロバの輸出禁止)
  • ブルキナファソ(ロバの輸出禁止)
  • タンザニア(ロバ皮の取引禁止)
  • ボツワナ(ロバ皮の輸出禁止)
  • ケニア(中国資本の屠殺場が閉鎖)
  • コートジボワール(ロバ皮の取引禁止)
  • ガーナ(ロバ皮の輸出禁止)
  • セネガル(ロバ皮の輸出禁止)
  • 南アフリカ(輸出規制・施設拡充)
  • パキスタン(ロバ皮の輸出禁止)
  • ブラジル(ロバと馬の屠殺禁止法案)
  • コロンビア(ロバ皮の輸出禁止)

これらの国々は、ロバの個体数減少や社会経済への悪影響を受け、規制や禁止措置を講じています。

ロバのシルベスタ-とまほうの小石
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著者・受賞歴

  • ウィリアム・スタイグ作・絵、せたていじ訳の絵本。
  • 1970年にアメリカでコールデコット賞を受賞した名作です。
  • スタイグは映画『シュレック』の原作者としても知られています。

あらすじ・物語の概要

  • 主人公は、変わった形や色の小石を集めるのが好きなロバの少年シルベスター。
  • ある日、シルベスターは「触れたまま願いごとをすると、どんな願いもかなう」魔法の小石を見つけます。
  • 帰り道でライオンに出会い、とっさに「岩になりたい」と願ってしまい、本当に岩になってしまいます。
  • 岩になったシルベスターは、もう小石に触れることができず、元に戻れなくなります。
  • 両親は必死にシルベスターを探しますが、岩となった彼を見つけることはできません。
  • 季節が巡り、奇跡的な出来事によってシルベスターは元の姿に戻り、家族と再会します。
  • 物語の最後、魔法の小石は金庫にしまわれ、「家族一緒の幸せ」という本当に大切な願いが叶ったことが強調されます。

テーマ・特徴

  • 「何でも叶う魔法」よりも「家族の愛や絆」が大切であることを描いています。
  • 擬人化された動物たちと、水彩画のやさしい挿絵が特徴です。
  • 絵と言葉の相補性や、家族愛の表現が高く評価されています。

出版情報

  • 日本語版は評論社より刊行。初版は1975年、2006年に新版が出ています。
  • この絵本は、子どもにも大人にも深い感動を与える普遍的なメッセージを持った作品として、長く読み継がれています。