私は記事にあったハッキングデータを見たわけではないが、当局発表の人口動態とデータが酷似していたのであれば、確かに本物だろう。ただ、思うのは中国の場合、身分証とよばれるIDカードで個人を管理しており、それも長距離バスや電車で広く利用しており、収集したデータが抜け落ちるということはない。もし、抜け落ちがあれば、一部の人は列車等の検札を通ることができないからである。ただ、子どもや高齢者は、IDカードを持っておらず、戸籍簿しかなかったりするし、海外生活が長い中国人もまた、戸籍簿しかないことも多い。戸籍簿しかない住民のデータも盗んだのか否かは気になるところ。だとしても、中国の人口は10億から12.8億ぐらいが妥当な数字だろう。毎年発表されるGDPの伸び率も信用できないしね。有名な話だけど。怪しげな数字を信じて、投資して、失敗なんて、外資の経営者は責任取ったほうがいいと思うけど…。
ハナから共産党の出す数字なんて話半分、嘘や見栄が散りばめられているもの。データの上の人口が真の人口である、と言うのは今の中国は個人の統制のためにあらゆるところでオンライン化を推し進めているから、そこから漏れる人間を極力減らしたい共産党の思惑とも辻褄はあう。とは言え、一昔前は一人っ子政策のせいで2人目以降の子供の存在を抹消して、戸籍が無い人が大勢いるって話もあったが。気になるのは、生活する上でIDが欠かせなくなったら勿論共産党幹部も例外ではないはずだが、高級幹部のデータがどの程度あるのかだな。
別に記事のような事は驚く事では無いです。自分は、中国の数字は共産党が作ると中国の友人から教えられました。恐らく当の中国人たちは、こんな話を聞いても驚か無いと思います。ただ14億が10億は、作ったのもあるんだろうけど仕事がいい加減なのもあるんじゃないかな?
基本的に党中央が掲げた目標を「達成した数字」を地方幹部たちが出してくるから、公表値と実際の国勢数値はハチャメチャでしょうね。中々ショッキングな説ですが可能性はあります。1億人くらいなら確実に誤差があると思っていますが、さて実際はどうなのか?
10億人でもすごい数で14億人と比べてどうなのかピンと来ない所がある。世界のサプライチェーンを人質にするのが国家戦略なのだから記事のようなことも起こりうると思う。衛星写真で見る夜間の照明量や、コロナ災禍で時々流れる地方都市、それも昔からの中核都市の中心部の古くて寂れた風景等、日本の都市部と比較してどうもしっくり来ない部分がある。先進国ほど人口の都市集積が進んでいないとも考えられるが。ベリングキャット等の機関での研究、解明が進むこと期待するが、CO2排出量関係のデータ等も心配になって来る。
合計特殊出生率を1.6と偽ってますね。一人っ子政策取っていたんだから普通に考えたら1.0前後(少数民族は2人まで出産ゆるされていたのと、金持ちがお金払って2人目3人目を産んでいたので1を超えることもありえるということで)でしょう。どう頑張っても1.6までいかないでしょうね。一人っ子政策廃止後も出生数は伸びていないので、今後合計特殊出生率が1.0と想定すると中国の80年後の人口は7億人と半減か。(今の人口が本当に14億人いたと仮定して)
共産中国では都市戸籍と農村戸籍の格差があるのは有名です。農村戸籍の若者は都市圏へ出稼ぎに行っても都市戸籍の人と同じような社会保障は受けられない。子弟は公立学校へ行けず、がんばって大学に進学後、そのまま都市の企業に勤務したいと思っても、戸籍の問題で就職できない、できても待遇が都市戸籍の同僚とは違うなど。ここ数年は都市圏に住める人口を増やすなどして緩和措置を取られているようですが。そんな農村も田舎へ行けば行くほど子どもが労働力。一人っ子政策下、戸籍外の黒孩子が多くおり、女の子の多くなどは乳幼児のうちに売買されているとか。その数は1300万人いるとも言われています。最近も「鎖につながれた女性が8人の子どもを出産」というニュースが話題になりました。資本主義にも欠点はありますが、共産主義、社会主義にはもっと陰湿な問題がありますね。
唐突に一人っ子政策をやめた2014年ごろ、出世率は1.77だった。これが2020で1.28、2022では、1.18と信じがたい速度だ。どの段階からウソをついてたのか、今はどうなのか。実際は1を切ってるのでは?もう中央も事実はわからないだろうな。
中国人口統計は人民共和国成立前は不正確で信頼出来る統計はほとんどないので大雑把な数字しか分からないとされていましたが、人民共和国成立以降の社会主義化のプロセスでようやく信頼性のあるデータが整備されつつあったところを大躍進運動失敗、文化大革命による混乱でまた闇の中に入ってしまいました。鄧小平時代の一人っ子政策の中で人口統計データはかなり整備されたもののそれでも抜け道も多く、90年代には実数として14億人以上いるかもしれないねというジョークは時々聞かされたものです。ところが近年の中国では大規模災害や事故などで正確な死者数が発表されない傾向が強まっており、それらが積み重なって辻褄が合わない統計が増えているようです。数年前の長江大洪水の時も、コロナ禍でも正確な死者数は不明です。つまり中国の人口統計は当局がこうだと決めた数値であり、恣意的に増えたり減ったりもするのだと言うことですね。
基本になるデータの信憑性が無くてはどうにもならない。近隣国なので本来は仲がいいに越したことはないのだが、基本的には世界各国が中国抜きで経済を回す仕組みを作るべきだろうね。
水増しされていた中国の人口、「本当は10億人だった説」の衝撃──ハッキングでデータ流出
<労働人口が増え続ければ経済は栄える…。「14億人市場」という売り文句で海外からの投資を呼んできたが、中国の改ざん、捏造の流儀に目をつぶったほうも軽率>
多産多死の時代から多産少死の人口増加期を経て、やがて少産少死の安定期に入る。このプロセスを「人口転換」と呼ぶが、その後半では(今の日本のように)少子高齢化が顕著になり、やがて人口減少の危機を迎えかねない。
それが歴史の常であり、この人口転換からはどの国も逃れられない。まだ人口は増え続けると豪語していた中国政府も、ついにこの1月、従来は「2030年以降」とされていた人口減少が、実は昨年から始まっていたと認めた。
深刻な事態だが、もっと深刻なのは、その背景にある中国ならではの特殊事情だ。
なぜ想定より8年も早く、人口減が始まってしまったのか。中国の人口が「2030年以降」に減り始めるという想定は中国政府の発表してきた過去の公式統計に基づくもので、大多数の国際機関や外国政府もこれを信じ、これによって中国の将来性や国力を推定してきた。
そもそも平時には、一国の人口が激変する事態は考えにくい。しかるべき統計データがあれば、先の予想は十分に可能だ。なのに、なぜ8年も計算が違ったのか。
どう見ても不自然で、基のデータがおかしかったと考えざるを得ない。中国政府の発表する公式統計の信憑性には以前から疑問が提起されていたが、人口統計に関しては明らかに意図的な改ざんがあったと思われる。
かつて中国には「国家衛生計画生育委員会(計生委)」という組織があった。計生委は巨大な官僚機構で、1980年代に急激に力を付け、国民からは最も嫌われ、軽蔑される組織の1つとなった。
なぜか。1980年頃に始まる悪名高い「一人っ子政策」の実行部隊として、計生委は強制的に妊娠を規制し、2人目以降の妊娠に関しては人工中絶を強要してきたからだ。
一方で組織内には腐敗が蔓延し、無能な共産党幹部が違法出産を見逃す代わりに私腹を肥やしていた。一人っ子政策の下でも人口が増え続けるのは、計生委の指導下でのデータ改ざんが原因だった(なお計生委は18年に廃止されている)。
■共産党が神話を主導
だが党の指導者──最初は江沢民(チアン・ツォーミン)、次いで胡錦濤(フー・チンタオ)──が旗を振らなければ、データの改ざんがこれほど組織的に行われることはなかっただろう。
江沢民も胡錦濤も、中国経済の成長を支えるには外国資本の誘致が不可欠と考えていた。だから中国には今でも10億人を超える巨大市場があり、その規模は何十年も先まで拡大を続けるし、安価な労働力もたっぷりあるという「神話」をつくり上げた。
データの改ざんは習近平(シー・チンピン)体制になってからも続いた。「14億の民」という標語を振りかざせば、軍事面でも外交面でも虚勢を張り、諸外国を威圧することが可能だった。
しかし偽りの楽観的な人口統計に基づく経済成長は持続不能だ。だから習近平は、あの「ゼロコロナ政策」を放棄したときと同様、唐突に「30年以降の人口減少」説を放棄した。そして中国の人口は既にピークに達し、減少に転じていると認めた。
それでも中国は、全てを白状したわけではない。22年の人口総数は約14億1000万人だったと、今も主張し続けているが、ここ数年の人口データの修正から考えて、極めて疑わしい数字だ。
なお米ウィスコンシン大学の人口統計学者である易富賢(イー・フーシェン)は、水増しされる前の出生データを基に、中国のピーク人口は約12億8000万人だったと推定している(ちなみに彼の著書は、中国国内では発売を禁じられている)。
だが昨年起きたハッキング事件により、中国の人口は彼の推定値よりもずっと少ない可能性が出てきた。
■データ流出で嘘が露呈?
昨年6月、中国は史上最悪のデータ流出事件に見舞われた。上海警察のデータベースがハッカー攻撃を受けたのだ。
ハッカー集団は、個人を特定できる最新の情報を含む10億人分(23テラバイト相当)のデータセットを盗み、それをダークウェブで1セット10ビットコイン(約20万ドル)で売りに出した。
これを購入した研究者たちが分析してみると、その数値は中国の実際の人口動態プロファイルと酷似していた。つまりデータは本物と考えていいのだが、統計処理に当たって総人口の70%(総数を14億とすれば10億)ものサンプルを使うことはあり得ない。
強制妊娠という方向へ
一般論として、そんな必要はないし、手間も費用もかかりすぎる。普通はどんなに多くても10%程度だ。中国政府は毎年、サンプル調査を基に人口の変動を推計しているが、その際に用いられるサンプル数は総人口の1%だ。
そう考えると、昨年のハッキングで流出したデータセットには(国民の70%ではなく)全国民の個人識別情報が含まれていた可能性が高い。つまり、中国の本当の人口は14億でも12億8000万でもなく、せいぜい10億人程度という可能性が出てくる。
この国の政治は依然として一枚岩のトップダウン型で、それがデータ改ざんを助長する体質を生んだ。人口の水増しを伴うようでは、中央政府の進める壮大な建設プロジェクトも無用なものとなろう。
高速道路や新幹線の建設を急ぎ、人口増を見込んで不動産を開発しても、入居者のいない新築物件のゴーストタウンを生み出すだけだ。関連業界も含め、収益性を欠く無用の事業ばかりで、今や不良債権が山積みされている。
統計偽装の弊害は高齢者の医療保険や年金にも及ぶ。1960年代に生まれたベビーブーム世代には、労働力の増加を前提として潤沢な支給が約束されていた。
ところが今、武漢などの大都市では「白髪革命」と呼ばれる抗議デモが起きている。医療保険の給付金減額に、高齢者が怒りの声を上げているのだ。
外交の分野では虚栄心に満ちた「一帯一路構想」が同じく持続不能となり、挫折しかけている。労働人口が増え続ければ経済は栄え、政府の資金も潤沢になる──。そんな前提で金をつぎ込んできたのだが、今や人口は減少に転じ、経済の先行きも暗い。
こういう展開は、同じような人口問題を抱える他の国々ではあり得ない。いわゆる計画経済に縛られていないから、誰も人口統計を改ざんする必要を感じないからだ。
しかし偽データの影響は他国にも及ぶ。外国の自動車メーカーや携帯電話の製造会社は、人口増という見込みがあればこそ中国に投資してきた。中国市場の拡大に期待し、安価な労働力を搾取して輸出品の生産もしてきた。これらも持続不能になる。
ブラジル、オーストラリア、カナダ、アメリカなどでは、中国を巨大な成長市場と信じて鉱業や農業の分野で生産規模を拡大してきた。これらの業界のもくろみも外れる。
だました中国が悪いとは言える。ただし長期プランを策定する際に中国の公式統計に頼ってきた企業側も、まあ自業自得だろう。
それは各国政府の罪でもあるかもしれない。改ざん・捏造といった、知らないわけではない中国の流儀に目をつぶっていたのは軽率だった。
習近平は最近、中国の人口危機に取り組むことを約束した。だが元紅衛兵ゆえに、かつての一人っ子政策より過激な政策に傾くかもしれない。今度は逆方向、つまり強制妊娠という方向へだ。
そんな発想は狂気の沙汰としか思えないが、世界では現に(毛沢東時代の中国と緊密な関係にあった)カンボジアのポル・ポト政権とルーマニアのチャウシェスク政権がそれを実行に移している。
参考となるのは1966年にルーマニアで制定された政令770号だろう。女性の月経を厳しく監視し、妊娠を中絶した者に厳罰を科した。望まない妊娠が増え、親に捨てられた子供たちで満杯の孤児院がいくつも出現している。習近平がそこまで愚かではないことを願おう。