日本には法律上の明確な義務化はない
生活保護受給者に対して就労や就労支援活動の参加を義務付けている国の事例として、2025年からフランスが注目されています。フランスでは新たに生活保護(RSA)受給者に対し、週15時間の研修、インターンシップ、職業体験などの就労活動参加が義務付けられ、違反した場合は給付停止の罰則も設けられています。この制度改革は受給者の社会復帰促進と完全雇用の実現を目指して行われています。
日本では、就労支援プログラムは自治体やハローワークが実施しているものの、生活保護受給者に対する就労や就労支援活動の法律上の明確な義務化はなく、状況に応じた支援や参加の促進が中心です。例えば、稼働可能な生活保護受給者に対しては就労指導やボランティア、軽作業等の社会参加を促す制度設計がなされていますが、義務付けではなく支援・促進が主体となっています。
またオランダやドイツなどの国々でも、生活保護受給者の就労支援や自己責任原則の強調が見られますが、義務化の内容や罰則の有無については各国で異なっています(具体的な義務付けの詳細は示されていません)。
まとめると、フランスは2025年から生活保護受給者に週15時間の就労支援活動への参加義務を課す明確な制度を導入した例として知られていますが、日本や他国では義務ではなく支援や促進が主であり、義務化・罰則付きの制度は珍しいといえます。
フランスのRSA(積極的連帯所得手当)
2025年から受給者に対して週15時間の就労活動や就職活動が義務付けられます。具体的には、全てのRSA受給者は「フランス・トラヴァイユ」(公的な雇用支援機関)に自動的に登録され、研修、インターンシップ、職業体験、履歴書作成、求職活動、面接などの統合的な就労支援プログラムに参加しなければなりません。これらの活動に参加しない場合は、個人の事情を考慮したうえで給付停止などの制裁措置が講じられます。ただし、障害者や小さな子どもを育てるシングルマザーなど一定の例外もあります。今後の目標はRSA受給者の社会復帰促進と就労率向上です。
アメリカのTANF(貧困家族一時扶助)
最長5年の受給期限があり、就労関連活動の参加が義務付けられ、これを守らないと給付停止になります。トランプ政権時代にこの規制がさらに厳格化されています。
ドイツの旧ハルツIV制度(求職者基礎保障)
就労拒否に対し段階的に給付減額し、繰り返すと最大で給付が100%停止される厳しい制裁が科される仕組みです。
「ハルツIV(失業手当Ⅱ)」は、2023年から「市民手当(Bürgergeld)」という新制度に移行
以上の通り、3国とも公的扶助受給者に対し就労や就労支援活動参加を義務付け、参加拒否には給付停止などの制裁措置を課していますが、内容や厳格さに違いがあります。特にフランスは2025年に週15時間の活動参加義務化を本格導入予定である点が特徴的です。
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