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止まらぬデジタル赤字“6.7兆円” 最新の「情報通信白書」が示す海外事業者の台頭
デジタル分野における日本企業のシェアは全般に低水準
- デジタル分野における日本企業のシェアは、全般に低水準であることが2025年版「情報通信白書」などの資料で明らかになっています。
具体的には、
- 日本のIaaS・PaaS市場では、Amazon Web Services、Microsoft、Googleの3社が大きなシェアを占めており、日本企業の存在感は低い。
- 定額制動画配信市場でも2024年にはNetflixが21.5%のシェアを持ち、海外企業の合計シェアは50%を超えている。
- 半導体や電子部品、家電・OA機器の一部を除き、グローバル市場における日本企業の売上高ベースのシェアは概ね10%前後か、それ以下にとどまっていると推測されている。
この背景には、
- 「ネットワーク効果」や「規模の経済性」、「ロックイン効果」などのデジタル市場特有の特性があり、大量のデータや莫大な収益を基盤にした海外のビッグテック企業の急成長がある。
- 日本には「デジタル人材・スキルの不足」が大きな課題として存在し、これがDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の足かせとなっている。
- また、レガシーシステムへの依存や企業文化、制度面での制約、経営層のデジタル理解不足もデジタル分野での遅れに拍車をかけている。
これらの要因が重なり、デジタル市場においては海外事業者のシェアが拡大する一方で、日本企業は苦戦を強いられている状況です。政府や企業がデジタル人材の育成やDX投資を加速させているものの、依然としてシェア拡大には至っていません。
貿易赤字にデジタル赤字を加えれば、国家間の経済不均衡は分かる
貿易赤字にデジタル赤字を加えることで、国家間の経済不均衡の実態をより正確に把握できると考えられます。
まず、貿易赤字は物理的な財の輸出入差から生じるもので、多くの国で経済不均衡の指標として用いられます。しかし近年、デジタル分野の重要性が増す中、海外のITプラットフォームやクラウドサービス利用に伴う支払い(デジタル赤字)が拡大しています。これは日本の場合、海外の巨大IT企業(GAFAなど)への支払いが受取を大きく上回るため、特に赤字規模が顕著で「一人負け」状態とされています。
国際経済学の見地からは、経常収支の不均衡は貿易のモノの部分だけでなく、サービス収支、特にデジタルサービスの取引も含めて評価すべきで、これにより国家間のマクロ経済的な不均衡の現実がより明確になります。IMFも経常収支の不均衡拡大を世界経済のリスク要因として警告しており、国内のマクロ経済政策の不均衡が背景にあると分析しています。
日本の場合、貿易赤字とデジタル赤字の両方を考慮すると、外貨獲得力の低下や円安を助長するリスクが高まっており、単なる貿易赤字以上に国際経済での競争力不足と構造的な課題が浮き彫りになります。
まとめると、
- 貿易赤字
モノの輸出入差
国家の製造業や物理財取引の不均衡を把握 - デジタル赤字
デジタルサービス利用の海外送金差額
デジタル経済の競争力と依存度を反映、サービス収支の不均衡を可視化 - 合算
貿易赤字+デジタル赤字
マクロ経済の真の国際収支不均衡が明確化、政策対応の精度向上
したがって、貿易赤字にデジタル赤字を加味した分析は、国家間の経済不均衡や国際競争力の実態把握に必要不可欠な視点となっています。
幕末の思想家・吉田松陰の言葉を現代にわかりやすく超訳し、行動や志、信念、覚悟の重要性を描いた人生哲学の本です。
吉田松陰は、ペリーの黒船来航という激動の時代に、当時禁じられていた海外渡航を死を覚悟で敢行し、西洋の先進技術や思想を学ぼうとした強い覚悟と好奇心の持ち主でした。当時の常識や法を超えて日本の将来を見据え、命がけで行動したその精神は、現在の私たちにとっても大きな示唆を与えます。
本書は、松陰の思想を「心」「士(リーダーシップ)」「志」「知」「友」「死」という章立てで紹介し、それぞれの言葉を現代の私たちに寄り添う視点で解説しています。松陰の言葉は、単なる過去の教訓にとどまらず、不安や迷いのある現代人の人生を前進させる指針となるものです。
さらに、松陰は松下村塾で多くの門下生を育成し、そこでの教育は彼自身の生き様に基づくものでした。松陰の生き方や教えは、後に明治維新を牽引する人材を多く輩出し、日本の近代化に重大な影響を与えています。
聴きやすいオーディオブック版もあり、松陰の言葉が日常生活で実践しやすい形で伝えられているため、初めて松陰の思想に触れる人にも勧められます。
まとめると、
- 激動の幕末に命がけで行動した吉田松陰の言葉と生き方を、
- 現代人向けにわかりやすく超訳・解説し、
- 行動力、志、覚悟の磨き方を示している人生哲学書。
現代の迷いや不安に向き合うヒントが得られる一冊です。
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