高市早苗首相は先手を打ってアメリカに対して「共同開発」を提案した
高市早苗首相は、南鳥島周辺の「レアアース泥」開発をめぐり、日本単独ではなく日米による共同開発を提案しています。これは、中国がレアアースの輸出規制を武器化してきた過去を踏まえ、資源確保を「経済安全保障」の一環として日米連携で進める狙いがあります。
高市首相は、2025年秋の日米首脳会談でも、「安全保障と希少物質を一体で考える」方針で合意。南鳥島レアアース泥を中心に、採取・精錬・供給網の各段階で米国と技術協力を進める意向を表明しました。
背景には次のような意図があります。
- 中国がレアアース供給を制限した場合のリスク分散。
- 米国のEV・半導体産業との資源連携強化。
- 太平洋の島嶼地域での中国進出をけん制。
要するに、高市政権は南鳥島レアアースを外交・技術・安全保障の「戦略資産」と位置づけ、アメリカとの協調によって日本の主導権を確立しようとしている動きです。
2025年12月11日 「“南鳥島は中国の領土だ”と言いかねない」日本が発見したレアアース泥に高まる期待と懸念 脱“中国依存”は実現可能？揺れる日中関係の行方
この記事は、日本の南鳥島周辺で発見された「レアアース泥」をめぐり、日本の脱・中国依存と日中関係の今後について議論している内容です。主な論点を整理します。
日中経済関係の現状
- 日本にとって中国は最大の貿易相手国で、輸出入の約2割を占める。
- 一方で、中国にとって日本の存在感は低下し、2005年の約11％から2023年は約5％程度まで減少。
- 専門家の木内登英氏は「中国が経済制裁などを行った場合、打撃を受けるのは日本側」と指摘。
- 食品や生活用品などの供給減による物価上昇リスクも懸念されている。
中国の圧力と文化面の影響
- 尖閣諸島衝突（2010年）や福島処理水放出（2023年）では実際に中国が日本製品の輸入を停止した前例がある。
- 近年、中国国内で日本人アーティストのイベント中止が相次ぎ、文化交流面にも影響。
- 高岡達之氏は「日本政府は中国に抗議するより、世界に向けて文化の自由を訴えるべき」と主張。
- 石原伸晃氏も「中国の行動はプロパガンダ的。日本は第三者に“どちらがまともか”を見てもらうべき」と述べた。
レアアースをめぐる新展開
- 中国は世界のレアアース埋蔵量の約49％、精錬の約9割を握る“資源覇権国”。
- これに対して日本は、南鳥島周辺で高品質・放射性物質を含まない「レアアース泥」を発見。
- 東京大学の中村謙太郎教授によれば、「数百年分以上の資源」が眠り、環境負荷も低い。
- 高市首相は2026年から実証実験を開始予定で、3〜5年以内の商業採掘を目指すという。
懸念と地政学的リスク
- 中村教授は「中国が先に南鳥島EEZ（排他的経済水域）付近で活動を始める恐れがある」と懸念。
- 石原氏は、「中国は“南鳥島は中国領だ”と言い始めかねない」と警鐘。
- そのため、日米協力の下で“安全保障と資源戦略を一体的に推進”することの重要性を強調した。
今後の展望
- 高岡氏は「日本は希少金属に頼らない磁石技術をすでに持っており、『レアアース依存の終焉』が近い」と指摘。
- つまり、中国の“資源カード”は長期的には効力を失う可能性があるという見立て。
- 一方で、日本の課題は、低コストで安定的な採掘・製錬技術を確立し、民間企業による開発を支援すること。
要するに、南鳥島のレアアース泥は日本の「資源安全保障」を大きく変える可能性がある半面、中国との地政学的対立リスクも高める要因となっている。脱中国依存への道筋は見え始めたが、その実現には技術開発・外交戦略の両面で慎重な対応が求められる内容です。
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