中国南部では新型コロナ感染が再拡大 実態と政府発表の間に大きなギャップ

中国南部での新型コロナ感染再拡大と現場の実態

現場での急死例と医療界への衝撃

  • 中国各地で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、広州市の三甲病院(最高ランクの総合病院)に勤務する医師が感染後に急死したニュースが、医療界に大きな衝撃を与えています。亡くなった医師は基礎疾患があり、体調の異変を軽視した後、症状が急速に悪化して死亡しました。こうした急死例は決して例外ではなく、現場の医師たちの間で危機感が広がり、再び個人の防護措置を強化する動きが見られます。しかし、公式な発表はほとんどなく、一般にはあまり知られていません。

感染拡大の実感と政府発表の乖離

  • 現場の医師や市民によると、実際の感染率や重症者、死亡者数は政府発表を大きく上回っており、「白肺」や「突然死」といった症例も依然として頻発しています。広州市や深セン市では、風邪や発熱を訴える患者が非常に多く、PCR検査を受けずに自主的に感染を疑う人が増えています。中国当局は社会不安を避けるため、感染者の報告義務を撤廃し、基本的な対策のみを求めている状況です。

公式データと現場の声のギャップ

  • 中国疾病予防管理センターによると、4月以降、全国的に陽性率が上昇傾向にあり、特に広東省や福建省など南部地域で高くなっています。一方、国営メディアは「全国的な感染増加傾向は緩和されている」と報道していますが、現場の実態とは乖離しています。市民の間では「重い風邪のような症状が長引く」「SNSで突然死の話をよく見かけるが、公式な統計がない」といった声が広がっています。

医療現場の逼迫と隠されたデータ

  • 過去の感染ピーク時にも、公式発表よりはるかに多くの感染者・死者がいたと医師は証言しています。三甲病院だけで600人以上が死亡し、遺体安置所が満杯になるほどだったにもかかわらず、当局はデータを公表しませんでした。現在も「新型コロナ外来」は一部検査業務を担っていますが、監視拠点的な役割が強調され、重要なデータは依然として不透明です。

社会の不信感と専門家の指摘

  • 政府は「透明な防疫」を強調していますが、死亡率や重症化率などの重要データが公開されないため、社会の不信感が高まっています。SNSや口コミに頼るしかない現状がデマや恐怖の拡大を招いており、専門家は「監視体制の再構築と透明性の確保」を求めています。感染の波が繰り返される中、社会の「信頼の危機」も深刻化しています。

このように、中国南部では新型コロナ感染が再拡大しており、現場の実態と政府発表の間に大きなギャップが存在しています。医療現場の逼迫や情報の不透明さが、社会全体の不信感を強めている状況です。

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