なぜ女性は歳を取ると夫を嫌いになるのか?

フロイトの名言

忘れるのは、忘れたいからである。

人は迷いをどう解きほぐせるか
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なぜ女性は年を取ると夫を嫌いになるのか

若い頃は愛し合っていた2人が年を取るにつれて少しずつ離れていくことがあります。特に女性が夫から心を閉ざしていくことが多いのです。これは1日で起こることではありません。少しずつ少しずつ変わっていきます。小さな不満が積み重なり言えなかった気持ちが溜まってやがて大きな壁になるのです。

心の仕事

結婚生活の中には目に見える仕事と見えない仕事があるということです。見えない仕事。私はこれを「心の仕事」と呼んでいます。誕生日を覚えること。家族の集まりを計画すること。子供の友達の名前を覚えておくこと。こういった「心の仕事」はほとんどの場合女性がやっています。「私が夫の母親の誕生日を覚えていなければ彼は自分の母親の誕生日さえ忘れてしまうのです。電話をかけるのも私。プレゼントを選ぶのも私。でも夫はありがとうとも言わないのです」。これは単なる不満ではありません。私の心理学では人間の行動は全て目的があると考えます。女性たちは最初家族の絆を守るという目的のためにこういった「心の仕事」を引き受けます。それは愛情表現の1つなのです。しかし多くの男性はこの「心の仕事」に気づいていません。彼らは自分の仕事はお金を稼ぐことと考え家庭内の感情的な繋がりを維持する仕事の価値を見落としているのです。私はこれを共同感覚の欠如と呼んでいます。家族という小さな共同体の中でお互いの貢献を理解し感謝し合うことが大切なのです。女性は年を取るにつれてこの負担の重さを感じるようになります。特に子育てがひと段落し自分自身を見つめなおす時間ができるとどうして私だけがこんなに頑張らなければならないのと思い始めるのです。これは不公平感から来る自然な感情です。

会話の質の変化

この「心の仕事」の問題はやがて次の問題につがっていきます。それは「会話の質の変化」です。結婚したばかりの頃カップルはたくさん話をします。今日はどうだった?何を考えているの?将来の夢は?互いの考えていることに好奇心を持ち相手を理解しようとします。お互いの希望や恐れ喜びや悲しみを知ることで私たちの関係は深まりました。これこそ私が「共同体感覚」と呼ぶものの基盤なのです。人は誰かと深く繋がり理解し合いたいという基本的な欲求を持っています。でも時間が経つと多くの夫は妻と深い話をしなくなります。今日も疲れた。晩御飯は何。明日の予定は。という表面的な会話だけになっていきます。同じ家に住んでいても心はどんどん離れていきます。私の心理学では人間は所属の欲求と証人の欲求を持っていると説明しています。女性は話を聞いてほしい。気持ちを分かち合いたい。と思っています。これは単なるおしゃべり好きではなく深い心理的欲求なのです。それがないと「私はもう大切にされていない」「私の気持ちはもう重要ではない」と感じ始めます。ある患者さんはこう言いました。「私が話すと夫はただ頷くだけ。でも本当は聞いていないことが分かります。質問をしてもまとはずれな答えが帰ってくるから」。彼女の目には涙が浮かんでいました。これは「私は見えない存在なのか」という深い痛みの現れです。

終わることのない家事の負担

さて会話の問題から派生する3つ目の課題は終わることのない家事の負担です。結婚生活で女性がよく不満に思うのはこの終わらない家事です。現代になっても多くの家庭では女性が家事の大部分を担っています。私の心理学では人間関係における貢献のバランスが重要だと解いています。双方が公平に貢献していると感じられる時、関係性は健全に保たれるのです。しかし家事においてはこのバランスが崩れていることが多いのです。私の臨床経験から言えば小さな不満が積み重なるとやがて大きな怒りになります。洗っていない皿。片付けられていない服。床に落ちたままの靴下。こういった小さなことが時間と共に大きな壁を作ります。ある患者さんは言いました。アドラー先生、私は45年間毎日3回食事を作り、片付けてきました。計算すると49275回です。もう疲れました」。この数字を聞いた時、私は家事の蓄積が女性にどれだけの負担になるか実感しました。私自身も反省するべき点があります。ある時私は、妻のラーシが疲れて座っているのを見て、何も手伝わずに新聞を読んでいました。彼女はため息を付き、私を見ましたが、何も言いませんでした。その表情に気づいた時、私は自分の行動を恥ました。彼女の疲れた顔を見て家事を分担することの大切さを学んだのです。人は誰しも証人を求めています。家事という目に見えにくい仕事もしっかりと認められ感謝されるべきものです。妻が何十年も当たり前のようにこなしてきた家事を夫が気づかないままでいると彼女の中で「私の努力は価値がないのか」という思いが芽生えます。これが年齢と共に大きくなりやがて夫への嫌悪感につながるのです。

成長のスピードの違い

こうした日常の問題に加えて4つ目の大きな課題があります。それは成長のスピードの違いです。多くの女性は年を取ると新しいことを学びたい旅行したい世界と関わりたいと思います。子育てが一段落してからこそ自分の可能性を広げたいという願望が強くなるのです。私の心理学では人間には優越性の追求という基本的な動機があると考えます。これは単に他者より優れていたいという欲求ではなくより良い自分になりたい、成長したいという欲求です。女性たちは長年家族のために自分の成長を後回しにしてきました。そして時間ができるとその抑えられていた成長への欲求が強く現れるのです。しかし多くの夫は今まで通りでいい。なぜ変わる必要があるのか。と言って変わろうとしません。彼らは長年の習慣に安住し新しいことへの挑戦を避けたがります。そうなると女性は私だけが成長している。夫は置いて行かれている。と感じるようになります。私自身若い頃は「自分の考えが一番正しい」と思い込み頑固でした。自分のやり方を変えることに抵抗がありました。しかし様々な経験、特に第一次世界大戦での経験は私の価値観を大きく変えました。戦場で見た苦しみは人間の協力と理解の大切さを教えてくれたのです。医師として多くの患者と接する中で自分の考えを柔軟に変えることの重要性を学びました。私の患者の中に62歳のヘレンさんがいました。彼女は定年後大学で心理学を学び始めました。しかし夫は彼女の新しい姿勢に全く興味を示さず「そんなことをして何になるんだ」と言ったそうです。彼女は泣きながら言いました。「私は新しい世界を発見しようとしているのにそれを分かち合える相手がいないのです」。男性が同じ場所にとどまり、女性だけが前に進もうとすると、2人の間の距離はどんどん広がっていきます。これは単なる趣味の違いではなく人生の方向性の違いです。私の心理学ではこれを「生活スタイルの不一致」と呼びます。2人の生き方の根本的な方向性が異なると心理的な距離も広がっていくのです。

親密さの喪失

この成長に対する価値観の不一致の問題は5つ目の課題である「親密さの喪失」につがっていきます。触れ合いとは単に体が近くにあることだけの問題ではありません。それは心でつがること。お互いを必要とし合っていると感じること。深く理解し合っていると感じることなのです。時間が立つと多くのカップルはこの大切な触れ合いを失っていきます。私の心理学の確信は「人は社会的存在である」という考え方です。人間は1人では生きていけず、他者との意味あるつながりを求めています。これは私が「共同体感覚」と呼ぶものの重要な側面です。特に長年連れ添った夫婦においてはこの深い繋がりが幸福感の源泉となります。しかし日々の生活の忙しさや慣れによってこの繋がりは薄れていくことがあります。最初は小さな変化かもしれません。目を見て話さなくなる。手を握らなくなる。おはようのキスがなくなる。こういった小さな親密さの欠如がやがて大きな溝になっていくのです。私がウィーンでカップルカウンセリングをしていた時60代のエマさんはこう言いました。「アドラー先生、夫は昔私の目を見てたくさん話しかけてくれました。私が何を言っても興味を持って聞いてくれました。でも今はまるで壁に話しかけているみたい。彼は同じ部屋にいてもまるでそこにいないかのようです」。エマさんの言葉には深い寂しさがにじみ出ていました。私は治療の中でこうした触れ合いの欠如が女性たちにとっていかに深い痛みとなるかを目の当たりにしてきました。彼女たちは「私はもう魅力的ではないのか」「私はもう価値がないのか」と自問自答とするようになります。そして徐々に自分を守るために心を閉ざし始めるのです。私自身も結婚生活の中で時に妻との親密さを当たり前だと思いおろかにしたことがありました。ある日ラーシは静かに言いました。「アルフレッド、あなたは最近私を見ていない」。その言葉で私は我に帰りました。彼女が言ったのは物理的に見ていないということではなく彼女の存在、彼女の気持ち、彼女の価値を見ていないということだったのです。女性が「もう大切にされていない」「昔のように見てもらえない」と感じると自己防衛のために心を閉ざし始めます。これは単なる意地悪からではなく傷つかないように自分を守る自然な反応なのです。そして一度この心の扉が閉じると再び開くのは難しくなります。そしてこの触れ合いの喪失がさらに深刻な問題になる重要な転機が来ます。それは退職です。退職は本来、人生の黄金期。ゆっくり楽しむはずの時間です。長年の労働から開放され自分の時間を自由に使えるようになる時期です。でも実際には多くのカップルにとってこれは新しい問題の始まりになります。私の心理学では人間には生活課題というものがあると考えます。「仕事」「社会との関わり」そして「家族との関係」です。退職によって仕事という重要な課題が突然なくなると人は空虚感を覚え残された課題に過度に依存することがあります。特に男性はアイデンティティを仕事に強く結びつけていることが多いため、退職後の空白をどう埋めるかという問題に直面するのです。私の友人のヨーゼフの例を見てみましょう。彼は優秀な法律家として40年働き毎日過ごしていました。しかし退職後彼は何もすることがなくなりました。彼は妻に「今日は何をする」「どこに行く」と1日中聞き続けました。彼の妻マルタは最初は優しく対応していましたが数ヶ月後には「私はあなたの遊び相手ではない」「私にも自分の人生があるのよ」と怒りました。これは珍しい例ではありません。多くの男性は退職後の人生に対する具体的な計画がないのです。彼らは毎日規則正しく働くことから突然時間を持て余すことになります。そして最も身近にいる妻に「私を退屈から救って」「私を楽しませて」と期待するようになるのです。私はこれを「目的の喪失」と呼んでいます。人間は目的を持って生きてこそ幸福を感じます。退職後新たな目的を見つけられない男性は妻に過度に依存し彼女に自分の幸福の責任を押し付けるようになるのです。女性にとってこれは想定外の大きな負担となります。多くの女性は子育てが終わり夫も退職したら「やっと自分の時間を持てる」「自分のやりたいことができる」と思っていました。ところが現実には夫の世話という新しい仕事が増えたように感じるのです。彼女は「私も自分の人生を生きる権利があるはずなのに」と感じ始めます。私が診察していた68歳のマリーさんは言いました。「アドラー先生、私は40年間夫と子供の世話をしてきました。やっと自分の時間ができると思ったのに今度は夫が大きな子供のようについてくるのです。私はもう疲れました」。この不満は表面化せずに静かに2人の関係を壊していくことが多いのです。女性は最初夫のために自分の時間を犠牲にします。しかし時間が経つに連れ彼女の中に恨みが育っていきます。そして「私の人生はいつ始まるの」という問いが夫への愛情を徐々に蝕んでいくのです。

人生感の変化

これまでお話ししてきた問題に加えて最後にもう1つ重要な要素があります。それは年齢を重ねることによって生じる「人生感の変化」です。年を取ると人は人生を違う目で見るようになります。友達がなくなったりお葬式に出る機会が増えたりすると残された時間が貴重だと痛感するようになるのです。私の心理学では人生の課題という概念があります。人は皆「社会」「仕事」「愛」という3つの課題に取り組みながら生きています。若い頃はこれらの課題に無限のがあるように感じますが年を重ねると「残された時間で何を成し遂げたいか」という問いが重要になってきます。私自身60代になって初めて残された時間をどう使うかを真剣に考えるようになりました。ウィーンの街を散歩しながら自分の人生で本当に大切なことは何かと自問自としたことを覚えています。多くの女性も同じような内省の時間を持つのです。私の診療所に来る高齢の女性たちはしばしば人生を振り返り、自分に問いかけています。「私は幸せ」「愛されている」「残りの人生をこのように過ごしたい」。そして悲しいことにこれらの質問への答えがノーであることが少なくありません。その時彼女は自分を守るために心を閉ざし始めるのです。ある70代の患者さんは私にこう語りました。「アドラー先生、先週私の親友がなくなりました。彼女は私と同じように不満を抱えながらも夫に尽くして亡くなりました。彼女の葬式で私は考えたのです。私も同じように人生を終えたいのだろうか。その答えはノーでした」。これは単なるわがままではありません。人生の有限性を認識した時、人は本当に大切なものを見極めようとします。多くの女性はもう争いたくない。もう注目を求めたくない。もう変わらない人を変えようとは思わないと考えるようになります。私がよく目にするのはこのような女性たちが静かに自分の道を歩み始める姿です。彼女たちは自分の幸せに集中し新しい趣味や友人関係を築き、自分自身の時間を大切にするようになります。そして夫が彼女たちに近づいてこなけれが彼女たちは静かに感情的に時には物理的にも離れていきます。重要なのは彼女たちが夫を気にしなくなったわけではないということです。彼女たちはただ誰かの人生の脇役でいるよりもっと価値のある生き方があると気づいたのです。私はこれを勇気と呼びます。私の心理学において勇気とは自分の幸福のために立ち上がる力。変えられないものを受け入れる知恵。そして変えられるものに焦点を当てる決断力です。多くの女性が年齢と共にこの勇気を見出すのです。これは悲しい結末ではなく新しい始まりとも言えます。女性が自分自身を取り戻す未来の始まりなのです。

ここまで様々な問題をお話ししてきましたがではどうすれば良いのでしょうか。年を取ってからの関係を良好に保つには何が必要のでしょう。それは派手なデートやプレゼントではなく、日々の中での「そこにいること」「理解すること」「尊重すること」が大切なのです。私が委員で臨床を行っていた時50年以上幸せな結婚生活を送っているカップルにその秘訣を尋ねたことがあります。彼らは口を揃えて「お互いを見ること」「お互いの話を聞くこと」と答えました。これはとても単純なようで実践するのは難しいことです。愛は一夜にして消えるものではありません。それは小さな瞬間に少しずつ薄れていくのです。女性が話しても聞いてもらえないと感じる時、1人で全ての重荷を背負う日々、助けが必要なのに誰も来ない時間に愛は少しずつ冷めていきます。しかし私の心理学では愛は選択だと考えます。私たちは毎日愛することを選択できるのです。愛が薄れていくのと同じように意識的な選択と行動によって、また愛を強くすることもできるのです。ある臨床例を紹介しましょう。結婚45年目のカップルが私のところに来ました。妻は「もう何も感じない」と言い、夫は途方にくれていました。私は彼らに「お互いを新しい目で見ること」を提案しました。彼らは徐々に対話を始めお互いの新しい一面を発見し始めたのです。6ヶ月後、彼らは手を取り合って私の診療所に来て私たちは再び恋に落ちましたと報告してくれました。私は患者さんにいつも次のようなアドバイスをします。

毎日話す時間を作りましょう

1つ目は毎日話す時間を作りましょうということ今日はどうだったと本当に聞きたい気持ちで聞くことテレビを消し電話を置き目を見て話を聞くのです私はこれを存在の贈り物と呼んでいますあなたの注意と時間という最も貴重なものを送るのです。

「心の仕事」を分け合いましょう

2つ目は「心の仕事」を分け合いましょうということ家族の予定を覚えることや配慮の気持ちを共有すること男性の皆さん妻があなたの母親の誕生日を覚えるのは彼女の仕事ではありませんそれはあなたの責任ですこの見えない仕事を分かち合うことでパートナーへの尊重を示すのです。

お互いの成長を応援しましょう

3つ目はお互いの成長を応援しましょうということ。新しい趣味や挑戦を支えること私の友人のカールとグレタは退職後それぞれ新しい趣味を見つけお互いの活動に興味を持ち応援し合いました。その結果2人の関係はさらに深まったのです。

ありがとうを言いましょう

4つ目はありがとうを言いましょうとということ。日々の小さなことに感謝の気持ちを伝えること。私たちは当たり前と思うことに感謝を忘れがちです。朝食をありがとう。家を美しく保ってくれてありがとう。いつも話を聞いてくれてありがとう。こういった言葉は魔法のように関係を温めます。

共通の目標を持ちましょう

5つ目は共通の目標を持ちましょうということ。2人で達成したいことを見つけて一緒に頑張ること。私の心理学では共通の目的が人を結びつけると考えます。旅行計画を立てる。庭を作る。孫と過ごす時間を増やす。目標を共有することで2人は再び同じ方向を向くことができるのです。これらは単なる技術ではなく「共同体感覚」を育む方法です。相手を1人の人間として尊重し共に成長する関係を築くのです。愛は年を取ったから消えるのではありません。私たちが育てることをやめた時に消えるのです。私がウィーンで心理医として多くのカップルを見てきた経験から言えることは長年連れ添った夫婦の間で起こる問題の多くは決して解決できないものではないということです。時には長い年月をかけて積み重なった小さな傷が大きな溝になっていることもありますがそれを修復する努力に遅すぎることはないのです。結婚はゴールではなく変わり続ける2人がお互いを選び続けることです。私はあなたを見ています。あなたを大切にしています。あなたは私にとって大事です。と小さな行動で伝え続けることなのです。私がある高齢のカップルに出会った時夫は妻の手を取りこう言いました。60年前に彼女を選んだことは私の人生で最も賢い決断でした。そして私は毎朝目覚めるたびにもう1度彼女を選びます。これこそが私が説く愛の本質なのです。私が長い人生で学んだことは幸せな関係を作るのに遅すぎることはないということです。愛を選び、理解を選び、お互いを選び続けましょう。これこそが私の言う勇気なのです。勇気とは恐れがないことではなく恐れがあってもそれを乗り越えて行動することです。多くの人がこの話を聞いて夫婦関係を振り返るきっかけになれば幸いです。どんな関係も意識的な選択と小さな日々の行動によってより良いものになっていくのです。

【アドラー心理学】なぜ女性は歳を取ると夫を嫌いになるのか? その理由は非常に明白なものでした!

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