すべてヒトが悪い。人類が悪い
せいぜい50年前とかの話じゃない、ずっと昔からの問題。
なにが「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」だよ。
歴史から学んでいない。
砂漠化
中東、特にメソポタミア(現在のイラク)は、農業が始められた最初の文明が起きた地域と言われている。ここは緑に豊かで土壌が肥えていたが、過度な農業活動により土壌が渇いていったことと、河の上流にあった森林の伐採によって上流に降った雨が一気に河に流れ込むことにより洪水が発生し、下流の表土を流し去った。また、灌漑によって表土の塩性化を招いた。さらには上流からアルカリ性の土砂が流れ込むことにより植物の成育には向かなくなった。
同様のプロセスはエジプトやインダス河流域でも起きている。インダス河流域に発達したインダス文明は、メソポタミア文明(シュメール)との交流が強く、同様の農業活動を行なったと思われる。森林は焼き煉瓦を作るために伐採された。
インドでは、特にアショカの時代に焼き煉瓦を使った建設が盛んになり、結果として森林の大規模な伐採が行われた。現在では、多くの地域では当時の地層に含まれる有機物の量がほとんどゼロに近い。
南アメリカ、オセアニアなどの熱帯雨林では、伝統的に焼畑農業が行なわれてきた。これは、熱帯の痩せた土地を開墾すると同時に灰を肥料とする農法である。近年、熱帯地域での人口増加により焼畑農業が過剰に行われるようになり、熱帯雨林の回復限度を超えた開拓が問題視されている。熱帯地域は土壌が薄く、植生がなくなると容易に母岩が露出してしまう。これによって土地が不毛化していくことは、湿潤な気候下における砂漠化であると言える。
社会主義国圏ではしばしば土壌の維持や再生の理解を無視した大規模な農地開発が行われ、結果的に’砂漠化’を招いた例がある。中国では大躍進政策における失敗や、ソ連では自然改造計画によるアラル海環境悪化、北朝鮮の主体農法の失策がよく知られている。
サハラ砂漠の南部では、急激な人口増加に伴って、焚き木にする潅木の伐採が木々の再生を上回る勢いで行われたことが大きな原因とされている。