2025年10月22日 廈門500万の人口はどこへ?「台湾タウン」が空城に
厦門では近年、生活コストの上昇と経済低迷により、若年層を中心に市外へ流出する人が増えています。表面上は美しい街並みと自然環境があっても、現実には高い家賃や生活費が人々を「外へ押し出す」ような状況です。
金融的視点から見ると、「資産の成長速度が生活コストの上昇に追いつかない都市」は人を引き留められません。かつて台湾企業が支えた厦門経済は、米中対立や地政学的リスクの高まりにより投資が冷え込み、企業の撤退が相次いでいます。その影響で街の活気が急速に失われています。
具体的な状況として:
倒産する企業が増加し、経営者でさえ再就職せざるを得ない。
- 給料水準の低下:
- フードデリバリー配達員:約6000円/日
- 宅配員:約5000円/日
- 清掃業:約2000円前後/日
- 会社員でも月給8〜10万円程度
→ 一般労働者が一日1万円を稼ぐのは困難。
- 失業者と副業労働(配達ドライバー等)が急増。
- かつて賑わった繁華街や台湾タウンは閑散とし、ショッピングモールや店舗の閉鎖が相次ぐ。
- 「店を開いても人が来ず、閉店が連鎖」している。
映像の最後では、閉店した大型店舗を映しながら「実体経済は本当に厳しく、消費者の要求水準が高い一方で支出は減り、経営者は精神的にも肉体的にも追い詰められている」と結ばれています。
この内容は、台湾企業撤退・地政学的リスク・消費不振・都市生活コストという複数要因が重なり、厦門の街全体が「かつての繁栄を失いつつある」現状を伝えています。
2025年10月24日 アメリカ通商代表部 第1次トランプ政権時の「中国との『第1段階』貿易合意を調査」と発表 首脳会談を前に“揺さぶり”か
アメリカ通商代表部(USTR)は、トランプ政権第1次政権時に中国との間で結んだ「第1段階」貿易合意について調査を実施していると発表しました。この動きは、今後予定されている首脳会談を前に、アメリカ側から中国に対する揺さぶりの一環と見られています。
背景としては、第1段階合意は2019年に成立し、中国が米国からの農産物購入などを約束する内容でしたが、その履行状況や合意の効果に関して議論が続いてきました。今回の調査はこれまでの合意内容の履行評価や問題点の把握を目的としているとみられ、米中関係の見直しや今後の交渉に影響を与える可能性があります。
また、トランプ大統領は中国との交渉に関して強硬な姿勢を維持しつつも、一方で習主席との関係を強調し、交渉の進展も期待しているとされています。こうした背景から、調査発表は交渉の立場を有利にするための圧力としての意味合いも持っていると言えます。
第1次トランプ政権時に孫正義がトランプと約束したアメリカへの投資。言葉通りに実行したのか?
第1次トランプ政権時(2016年末)に孫正義氏はトランプ氏に対し、アメリカに500億ドルの投資と5万人の雇用創出を約束した。2024年のトランプ次期大統領への再会談では、この投資を1000億ドル(約15兆円)に倍増し、10万人の雇用創出を表明している。ただし、孫氏にはすぐにその全額の資金はなく、大規模な資金調達やSBG資産の売却などを組み合わせる必要があるため、約束は投資計画の表明であり、言葉通り即実行されているわけではない。投資内容は主にAI関連の新興技術やデータセンターの整備が想定されているが、実行の詳細な進捗は未明である。複数の報道では、孫氏の発表はインパクトを狙った側面もあり、資金面などの課題から現実的には達成が容易ではないとの見方もある。総じて、当初の約束は表明されているものの、完全に言葉通りに実行されたとは言い難い状況である。
現代の「物語」過剰社会に対する批判的な哲学書です。著者は「人生は物語ではない」と強調し、現代社会で「物語性」や「ストーリー性」が過剰に力を持ち、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけが苦しみをもたらしていることを問題視しています。タイトルの「遊びなおす」とは、人生を「やりなおす」や「選びなおす」ではなく、固定された物語の枠を超えて自由に再解釈し自分の人生を楽しみなおすという意味が込められています。
本書は大きく二部構成で、第一部で物語の危うさを批判し、第二部で物語を相対化する新しい思考=「遊び」の哲学を探究します。著者は、SNSの自己紹介や就活の自己PRなどで流行する「自分語り」や「何者かになろうとする物語」が持つ魔力と危険性を示し、新しい物語との向き合い方を提示しています。難波氏は分析美学・ポピュラーカルチャーの哲学を専門とし、若い視点から次世代の哲学として物語への批判を展開しています。
この本は、現代の生き方や自己認識の枠を見直したい人に示唆を与える内容で、単なる物語論ではなく哲学的な思考の道具として役立ちます。難解ながら面白く、物語による固定概念から自由になりたい人への手がかりを示す新鮮な1冊です。

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