マスク率いるxAI、アップルとOpenAIを提訴 App Storeでの共謀を主張
イーロン・マスクのAI企業xAIが、アップルとOpenAIを相手取り米テキサス州で訴訟を起こした。xAIは両社がApp Storeで共謀し、ランキング操作や審査遅延を通じて競合アプリの上位表示を妨げ、独占的地位を維持していると主張している。特に、xAIの提供する「X」と「Grok」がカテゴリー別では上位にあるにもかかわらず、主要なおすすめ枠に表示されない点を不当と指摘した。
背景には、2024年にアップルとOpenAIが提携し、ChatGPTをiOSに統合したことがある。xAIは、この提携が数億台のiPhoneを通じてChatGPTを事実上唯一の標準AIチャットボットに押し上げ、競合他社の成長や革新を阻害していると批判している。
これに対してOpenAIは、「マスクによる継続的な嫌がらせにすぎない」と反論。アップルは現時点でコメントをしていない。なお、過去には中国のDeepSeekなど他社のAIアプリもApp Storeで1位を獲得しており、xAIの主張には疑問も呈されている。
この裁判は、テクノロジー業界におけるAIの独占やアプリ配布に関する独禁問題の焦点となる可能性が高いです。
OpenAIのアルトマンCEOはイーロン・マスクを軽蔑し、その事業を狙い撃ちしている
サム・アルトマンとイーロン・マスクの対立の現状
- アルトマン（40）とマスク（54）は、2015年にOpenAIを共に設立したが、2018年にマスクは主導権争いに敗れ離脱。
- その後、OpenAIはChatGPT公開で注目を集め、マスクは2023年にxAIを設立。
- 2024年にはマスクがOpenAIの営利化を阻止するため提訴、アルトマンも反訴。SNS上の挑発や個人攻撃が過熱している。
アルトマンによるマスク事業への「狙い撃ち」
1. 脳コンピューター・インターフェース分野
- アルトマンが支援する「Merge Labs」はNeuralinkと競合。
- Merge Labsは時価総額約1250億円で資金調達中。
- Neuralinkは評価額約1.3兆円。
2. SNS分野
- OpenAIはマスクのXに似たSNS構築を計画中。
- Xの月間利用者数は約6億人、ChatGPTは週7億人が利用しており、競合した場合に脅威となり得る。
3. 自動運転分野
- テスラの販売台数は低迷し、マスクはロボタクシーに活路を見出そうとする。
- しかし完全自動運転は未認可。
- OpenAIは自動運転ソフト企業「Applied Intuition」と提携し、次世代のAI自動運転技術を推進。
- アルトマンは「従来の手法を超えた技術」とテスラを暗に批判。
4. 宇宙・自動運転スタートアップ投資
- 衛星打ち上げを狙う「Longshot Space」、次世代自動運転システム「Glydways」などを支援。
- これによりSpaceXやテスラの事業領域に直接圧力をかける形に。
背景
- かつては志を共にした2人だが、現在は互いの事業と個人を攻撃し合う関係へと変化。
- アルトマンは投資や技術開発を通じ、マスクのビジネス領域に正面から挑戦している。
- 一方マスクはSNSや裁判を通じて反撃。両者の対立はシリコンバレー全体を巻き込む大規模な構図になっている。
2010年代におけるサム・アルトマンとイーロン・マスクの「蜜月期」
2010年代・アルトマンとマスクの関係
- 両者は当初、互いを深く尊敬しており、革新的技術で社会を変革しようとする同志的な関係だった。
- 特にAIのリスクと可能性を真剣に議論し、人工知能の暴走を防ぐために2015年に非営利のOpenAIを共同設立。
- 当時、アルトマンはYコンビネーターの代表として数々のスタートアップを育成し、マスクはテスラとSpaceXを軌道に乗せ、経営者として絶大な影響力を持ち始めていた。
- 2人は「人類の未来を守るためのAI研究」を理念に掲げ、資金提供者や技術者を集めてOpenAIを立ち上げ、大きな注目を浴びた。
関係が悪化し始めた要因
- マスクは「AIの危険性を真剣に捉えていない」とアルトマンや他のメンバーに不満を抱き、研究方針を巡って意見対立を深めた。
- 2018年、マスクは取締役を退任。表向きは「テスラがAI開発を進めており利益相反になるため」と説明されたが、実際にはOpenAI内の主導権争いが背景にあると見られている。
- 以降、OpenAIが営利事業に転換し、ChatGPTを公開したことを機に両者の関係は急速に対立へと傾いていった。
まとめると、2010年代のアルトマンとマスクは未来を共有する仲間であり、OpenAIを通じて「人類のためのAI」を追求しようとしていた。しかし、AI研究の方向性や組織運営のあり方をめぐる対立が、やがて現在の深刻な確執につながった。
アルトマンとマスク 関係変遷タイムライン
サム・アルトマンとイーロン・マスクの関係の変遷を、仲の良い時期から現在の対立までを時系列で整理しました。
| 年 | 出 来 事 | 関係性の状況 |
|---|---|---|
| 2010年代前半 | AIのリスクや未来を議論し意気投合 | 良好（同志的関係） |
| 2015年 | OpenAIを共同設立（非営利AI研究） | 強固なパートナーシップ |
| 2016〜2017年 | OpenAIの拡大。マスク資金提供、アルトマン運営 | 協力関係が継続 |
| 2018年 | マスクが取締役退任。主導権と方針で対立 | 不協和音が表面化 |
| 2022年後半 | ChatGPT公開、大ヒット | 関係悪化が顕在化 |
| 2023年03月 | xAI設立。OpenAIと正面衝突 | 公然たるライバル関係 |
| 2024年 | マスクがOpenAIを提訴、アルトマン反訴 | 法廷闘争に発展 |
| 2025年 | Merge Labs、自動運転、SNSなどで競合 | 全面的な対立、関係最悪 |
コメント