2025年11月10日 中国共産党後の中国:CCP後の中国への備え
「China after Communism: Preparing for a Post-CCP China」という報告書は、中国共産党(CCP)の崩壊後の中国に備えるためのシナリオと戦略を分析したものです。この文書はハドソン研究所のもので、経済や人口動態、政治・社会問題などCCPが直面している国内外の課題を詳述しています。CCPの経済成長鈍化、住宅市場の危機、若年層の高い失業率、人口の高齢化や出生率低下、腐敗や官僚の非効率、公共の信頼低下が内部不安定の原因とされています。また、米国や西側諸国との貿易摩擦や途上国との関係悪化が国際的な圧力となっています。
報告書は、ポストCCP期の安定化に向けた具体的提言として、米国特殊部隊の介入による暫定政権支援、生物兵器関連施設の精密ターゲット攻撃、経済の抜本再編(債務拒否、国有資産の民営化、金融の分散化)、アメリカ企業の中国撤退や中国企業の米国からの排除などを挙げています。さらに軍事力の縮小と専門化、秘密警察や治安組織の解体、民族間や宗教的少数派の人権保護の強化が不可欠とされています。
また、政治的に分裂した後の中国では、新たなナショナリズムやイデオロギーの台頭が見込まれ、台湾の独立問題にも慎重な対応が求められています。中国の内政・外交は変化し、例えば南北朝鮮型の関係になる可能性も示唆されています。台湾はポストCCP世界に適応するための防衛、外交、経済政策の見直しが必要とされ、こうした変化に備える戦略が詳細に議論されています。
この報告書は中国共産党の崩壊が想定内のシナリオだと位置づけ、世界の安全保障、経済、市民権保護に向けた包括的な準備と対応策を提案しています。
2025年11月10日 「日本も中国崩壊に備えよ」 都内でアジア民主化集会
2025年11月9日に東京都内で開催された「アジアの民主化を促進する東京集会」では、中国共産党の一党独裁体制崩壊に備えた動きを加速すべきとの意見が表明されました。この集会は一般社団法人「アジア自由民主連帯協議会」が毎年開催しているもので、今回が15回目です。
基調講演をした江崎道朗麗澤大学特任教授は、トランプ政権に近いハドソン研究所の報告書「共産党後の中国:CCP後の中国への備え」を紹介し、トランプ政権が中国崩壊シナリオを検討している可能性を指摘しました。日本やアジアの民主化勢力は米国と議論を始める必要があると強調しました。
また、石平参議院議員(日本維新の会)は日本が中国共産党政権の延命に加担してきたことを批判し、少数民族の抑圧を助長してきたと述べ、国会に中国崩壊を促進・準備する特別委員会設置の必要性を主張しました。
集会には中国のチベット自治区、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区出身者らが参加し、中国政府による少数民族弾圧の実態を報告。台湾やミャンマー、カンボジアの民主化活動家も、中国共産党の危険性を訴えました。さらに、香港の「リンゴ日報」創業者の黎智英氏に「アジア人権賞」が授与されることも発表されました。
2025年11月13日 平和を愛する共産中国という嘘 戦争を起こし米国を敵視
米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー
- この記事は、米国のシンクタンク「ハドソン研究所」中国センター所長マイルズ・ユー氏による、中国共産党(以下、CCP)の本質的な性格とその国際的行動を批判的に分析した論説です。テーマは「平和を愛する中国」というプロパガンダと実際の行動との乖離にあります。以下に要点を整理します。
中国の「平和国家」イメージは虚構
- CCPは建国以来、「調和を重んじる平和な文明」という自己像を世界に発信してきたが、実際には朝鮮戦争、ベトナム戦争、ウクライナ戦争など、多くの紛争に関与し続けてきた。
共産主義体制の本質は「闘争と支配」
- マイルズ・ユー氏は、共産主義が平和を「戦闘の中断期間」としか見なさず、常に闘争と征服を通じて権力を正当化する思想だと論じる。毛沢東の「政治権力は銃口から生まれる」という言葉を引用し、CCPにとって侵略は「体制維持の要件」とする。
中国の世界戦略:代理戦争と反米軸形成
- 建国以来、中国はアメリカの敵対勢力を支援し、長期的な不安定化をもたらしてきたと指摘する。
- 朝鮮戦争:毛沢東の介入が金王朝体制を永続化させ、現在の北朝鮮の核威嚇を生んだ。
- ベトナム戦争:中国がハノイを軍事支援し、アメリカの疲弊を狙った。
- ウクライナ戦争:ロシアに対し軍民両用物資の約90%を供給し、制裁による崩壊を防いでいる。
- 中東:イランとの4000億ドル規模の協定を軸に、ハマス・ヒズボラなどの代理組織を強化。
- 中南米:ベネズエラの軍事拡張を経済・外交両面で後押し。
目的:米国の疲弊と民主主義の転覆
- これらの支援は偶発的ではなく、米国を分断・弱体化させ、独裁体制が正義とされる国際秩序へ転換する狙いがあると評する。著者は、レーニンの「資本家をその売った縄で吊るす」という言葉を、CCPの現代版戦略として引用している。
結論:平和と共存は不可能な体制
- CCPは世界最大の軍を統制しながら、唯一のマルクス・レーニン主義政党として存続しており、その思想自体が「恒常的闘争」を前提とするため、真の平和とは共存し得ない。
- 世界はこの侵略的体制を克服するまで、恐怖と詭弁によって翻弄され続けると締めくくっている。
この記事は、冷戦期以来の「共産主義=拡張的・好戦的」構造を現代中国に当てはめ、ウクライナ・中東・中南米を結ぶ中国の地政学的影響を「代理戦争の連鎖」として位置づける内容です。
特に焦点は、「中国共産党体制の存続そのものが紛争を必要とする」という構造的論点にあります。

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