ロシアは旧式兵器の再利用や国外調達、工業力増強で損失を補い、2~3年は戦争を続ける能力がある

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北朝鮮 ロシア支援「兵器より派兵」戦争長期化・首脳会談を視野

北朝鮮はウクライナ侵攻中のロシアに対して軍事支援を続けており、内部検討の結果、軍事兵器の供与よりも兵士の派兵の方がロシアにとって効果的だと判断しています。これは戦争の長期化を見越した戦略であり、北朝鮮外交官はロシア側の本音を把握し、プーチン大統領と金正恩総書記の首脳会談開催も視野に入れているとのことです。韓国の国家情報院の報告によれば、すでに約1万5,000人の北朝鮮兵士がロシアに派遣され、そのうち約4,700人が死傷しています。また、今後さらに2万5,000人から3万人の兵士追加派遣の見通しも示されています。

一方で、北朝鮮は昨年10月以降、兵器輸出や派兵の見返りにロシアから先端兵器の技術移転を受けており、これにより軍備の近代化を進めています。特に近年は人工知能搭載ドローン、高性能電子戦装備を備えた戦車、超音速巡航ミサイルを搭載する新型駆逐艦、先進的な防空システムなど多様な兵器の開発が急速に進展していると報告されています。これらは主にロシアからの支援や技術移転によるもので、北朝鮮の軍事力強化が地域の軍事バランスを変える可能性が指摘されています。

また、国際監視団体の報告によると、過去1年間に北朝鮮はミサイルやロケット、数百万発もの砲弾をロシアに供給し、さらに1万人以上の兵士を派遣していることが確認されています。これらはロシアによるウクライナの都市や重要インフラへの攻撃能力強化に寄与しています。代わりにロシアは北朝鮮に対し、防空システムや高度な技術、燃料供給などを行い、相互に軍事支援を補完している状態です。

このように、北朝鮮は兵器の提供だけでなく、大規模な兵力派遣を通じた実質的な軍事支援に重点を置き、戦争長期化による両国の戦略的利益を追求していることがわかります。北朝鮮側も兵士派遣は社会的地位向上や経済的利益の機会とみなしており、軍事協力の深まりが今後も続く見込みです。

 

 

ロシア軍、夏季攻勢でも渡河に苦戦 練度不足の部隊には攻略難しく

ロシア軍は2025年夏の攻勢においても、ウクライナのドニプロ川やオスキル川といった主要な河川の渡河作戦で苦戦を続けています。2022年05月のウクライナ東部ルハンシク州でのシベルシキー・ドネツ川渡河では、ロシアの1個大隊戦術群が全滅する大損害を被りました。その後も新たな戦術や技術の導入があったものの、渡河遂行能力は大きく改善しておらず、致命的な弱点となっています。

とくに南部のドニプロ川では、黒海に注ぐ河口近くの戦略要衝ヘルソン市周辺で2024年末の大規模な渡河強襲(ボート300隻投入)もウクライナ軍の砲撃やドローン攻撃に撃退されました。2025年06月現在もロシア軍はこの地域で連日攻撃を試みていますが、ウクライナ軍は火力で抑え込み、直接射撃やドローン攻撃で上陸を阻止している状況です。

東部オスキル川でも渡河の繰り返し失敗が続き、ロシア軍の練度不足が攻略を難しくしています。相当数の兵力や装甲車両を安定的に対岸に送り込めない限り、大きな前進は困難とみられます。

まとめると、2025年夏のロシア軍の渡河作戦は依然として困難を極めており、河川を越えた大規模な進軍や攻略の足かせとなっているのが現状です。

 

 

ロシアの戦争継続能力を断つには

以下のポイントが重要です。

  1. エネルギー収入の遮断
    ロシアの戦費の多くは石油・天然ガスの輸出収入に依存しています。現状の制裁は抜け道が多く、十分に機能していません。石油価格上限(1バレル60ドル)を厳格に監督し、違反には厳しい制裁を科す体制を確立すること、さらに欧州などによるロシア産天然ガスの輸入量を大幅に減らすことが不可欠です。
  2. 軍需物資の供給網遮断
    ロシアは中国、イラン、北朝鮮などから軍需物資や武器の供給を受けています。これら第三国への圧力や制裁を強化し、兵器や重要部品(半導体、機械工具など)の流入を断つことが必要です。
  3. ウクライナへの軍事支援強化
    ロシア軍の消耗を促すには、ウクライナへの兵器・弾薬・防空システムなどの大規模かつ継続的な支援が不可欠です。ウクライナ軍が戦場で優位に立つことで、ロシアの戦争継続意思と能力に打撃を与えられます。
  4. 制裁の抜け道封じと金融制裁の強化
    現行の金融制裁はロシア経済に大打撃を与えていません。金融取引や資産凍結、国際決済ネットワークからの締め出しなどをさらに徹底し、制裁逃れを困難にする必要があります。
  5. 国内世論や動員への圧力
    戦争長期化でロシア国内の不満や動員疲れが高まれば、継戦能力は低下します。情報戦や外交圧力も有効です。

現状、ロシアは旧式兵器の再利用や国外調達、工業力増強で損失を補い、2~3年は戦争を続ける能力があるとされています。したがって、上記の対策を複合的かつ継続的に実施することが、ロシアの戦争継続能力を断つ現実的な道です。

 

 

兵站 重要なのに軽んじられる宿命
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概要

  • ロジスティクスの重要性と、歴史的に繰り返し軽視されてきた理由を解き明かす一冊です。

本書の主なポイントは以下の通りです。

  • **戦争の本質の一つは「兵站をめぐる攻防」**であり、攻撃側は敵の兵站拠点や連絡線(シーレーン、鉄道、道路、橋梁など)の切断を追求し、防御側はそれを守ろうとする。この攻防が戦いの帰趨を決めてきたと著者は指摘します。
  • ナポレオン軍、ドイツ機甲師団、旧日本軍など、歴史上の強大な軍隊も兵站の失敗によって敗北した事例が多いことを解説しています。
  • それにもかかわらず、「いにしえから兵站は重要視されてきたのに、実際の戦いではなぜか繰り返し軽んじられ、多くの兵士が命を落としている」という不可思議な現象に迫ります。
  • 兵站の本質や重要性を、小学生の遠足や旧約聖書『出エジプト記』など身近な例でわかりやすく説明し、さらに「兵站を心臓・血管・血液・細胞などの譬えで説明」「内線作戦と外線作戦」「マハンのシーパワー理論」「ボールディングの戦力逓減理論」「作戦正面の長さ・面積と兵站」「地政学と兵站」など、6つのキーポイントから多角的に分析しています。
  • 著者は元陸将であり、北アフリカ戦線、バルバロッサ作戦、インパール作戦、朝鮮戦争など、実際の戦役を例に兵站の実態と失敗の教訓を解説しています。

この本は、なぜ兵站が「重要なのに軽んじられる宿命」を背負ってきたのか、戦史と理論の両面から考察した内容です。戦争や軍事に関心のある読者だけでなく、組織運営やマネジメントにおける「見えにくい基盤」の重要性を考える上でも示唆に富んだ一冊です。