日本の観光地や空港では徐々にゴミ箱の設置が増えている

日本

 

観光客の最大の疑問:清潔な日本になぜゴミ箱がないのか

日本で公共の場にゴミ箱が少ない理由は、複数の要因が重なっています。主な理由としては、1995年の地下鉄サリン事件をはじめとするテロ対策によるゴミ箱の撤去、安全確保の観点、カラス被害の防止、ゴミ回収・処理にかかる公共コストの削減、そして「ゴミは持ち帰る」という市民の自律的な意識やマナーの強さが挙げられます。また、食べ歩きがマナー違反とされる文化も、街にゴミが落ちにくい背景の一つです。これらによって、日本の街は清潔な環境と秩序が保たれています。

具体的には観光地での例を見ると、奈良公園では野生の鹿がゴミを食べて命を落とす事故が起きたことから、1985年頃にゴミ箱が撤去され、「ゴミは持ち帰る」ことが徹底されるようになりました。最近は観光客の増加で持ち帰りが徹底されない問題もあり、特定の場所にソーラー式ゴミ箱を設置するなどの対策もとられています。

また、日本人の意識の高さや社会全体での協力により、ゴミ箱が少なくとも清潔さが維持される独特のシステムが成り立っています。リサイクル意識が強く、ゴミの分別も細かく行なうため、ゴミ箱のサイズ自体も小さいことが多いです。公共交通機関や駅も清潔であるのは、日本人が場をきちんと保つことを当たり前としているからです。

一方で、訪日外国人観光客にとっては、ゴミを捨てる場所がなく不便に感じる声もあり、アンケート調査では「ゴミ箱が少ない」という困りごとが最上位にあがるケースもあります。そのため、観光地や空港では徐々にゴミ箱の設置が増えてはいますが、日本独特の文化的背景の理解が求められています。

まとめると、日本のゴミ箱が少ないのは、

  • テロ対策で公共ゴミ箱を減らした歴史的背景
  • 市民のゴミ持ち帰りの自律的マナー意識
  • 環境保護・リサイクルの文化
  • ゴミ箱管理コストやカラス被害防止の実務的理由

これらが複合的に作用し、清潔な国土を実現しているのです。

 

 

シンガポールは街中に多数のゴミ箱が設置されている

シンガポールには街中や公共の場所に多数のゴミ箱が設置されており、ゴミを捨てる場所に困ることはありません。市内のあらゆるところに約6千個のゴミ箱が5メートルから25メートル間隔で配置されていて、ポイ捨て禁止の厳しい法律と罰金制度により街は非常に清潔に保たれています。

ただし、MRT(地下鉄)駅構内には防犯のためゴミ箱が一切なく、駅に入る前にゴミを捨てておく必要があります。

また、ゴミ箱は分別が簡単でリサイクル用のボックスもあり、例えばガラス、紙、プラスチック、缶をまとめて回収したりするケースもありますが、場所によっては細かく分別されていることもあります。

シンガポールはゴミ処理に本腰を入れており、最新のゴミ箱にはソーラーパネル付きでその場で圧縮できるものも設置されているなど、街の美化に多くの投資をしています。

まとめると、シンガポールには街のあちこちに利用しやすいゴミ箱が充実しているため、市民や観光客はゴミを適切に捨てることが促進されています。

 

 

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