ヤルデニ。15年間続けてきたテクノロジー株へのオーバーウエート推奨を転換

Yardeni Pivots to Underweight on Mag 7 After 15-Year Tech Bet

エド・ヤルデニ氏のマグニフィセント・セブンに対する投資判断の変更

ウォール街の著名なストラテジストであるエド・ヤルデニ氏が、15年間にわたって維持してきたハイテク株への「オーバーウェイト(強気)」という投資判断を転換し、マグニフィセント・セブン(主要テック7社)を「アンダーウェイト(弱気)」に引き下げたことが大きな話題となっています。

ヤルデニ氏は2010年以来、一貫して情報技術および通信サービスセクターを推奨してきましたが、今回の決定は市場の構造的な変化を示唆する重要な転換点と言えます。

投資判断を転換した主要な理由

ヤルデニ氏が強気の姿勢を崩した背景には、主に3つの要因があります。

第一に、市場の極端な集中化です。現在、S&P 500指数の時価総額の約45%から50%をハイテクおよび通信関連の特定銘柄が占めており、これはドットコム・バブル期に匹敵する水準です。同氏はこの集中度がポートフォリオのリスクを不必要に高めていると指摘しています。

第二に、競争の激化です。これら巨大テック企業が享受してきた高い利益率を狙い、企業同士の直接的な競合に加え、新興企業や中国のDeepSeekといった新たな勢力の台頭により、かつての独占的な優位性が揺らぎ始めているという分析です。

第三に、利益成長の源泉が広がるという予測です。ヤルデニ氏は、テック企業が提供するAI技術を利用することで、これまでの成長から取り残されていた他の493社(インプレッシブ493)の生産性が向上し、利益成長を牽引するようになると見ています。

代わりに推奨されるセクターと今後の展望

ヤルデニ氏はマグニフィセント・セブンから資金をシフトさせ、金融、資本財、そして特に「放置されていた」とされるヘルスケアセクターへの投資を推奨しています。

同氏は「すべての企業がテクノロジー企業になりつつある」と述べており、テクノロジーを作る側よりも、それを利用して効率化を図る側に投資妙味があると考えています。

ただし、これは株式市場全体への悲観ではありません。ヤルデニ氏は依然として「黄金の2020年代(Roaring 2020s)」という強気シナリオを維持しており、S&P 500指数の目標値を2026年までに7,700、2029年までには10,000の大台に乗ると予測しています。

まとめと投資戦略への示唆

今回のヤルデニ氏の決断は、AIブームが「特定のインフラ提供企業」の段階から「広範な産業での活用」という次のフェーズに移行したことを象徴しています。

投資家にとっては、過度に集中したテック株への依存を見直し、より広範なセクターへの分散を図る再評価の時期が来ていると言えるでしょう。

 

 

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)にはMag 7が何パーセント含まれる?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」におけるマグニフィセント・セブン(Mag7)の比率について、2026年1月現在の最新データに基づき解説します。

1.オルカンにおけるMag7の合計構成比率

2026年1月時点の運用報告データによると、オルカンにおけるマグニフィセント・セブンの合計比率は約18%から19%前後となっています。

2024年末時点では20%を超えていましたが、2025年を通じて米国以外の市場(日本や新興国)や、米国市場内でも中小型株への分散(市場の広がり)が進んだことで、相対的に比率がわずかに低下しています。

2.銘柄別の組入比率(2026年1月時点)

組入上位10銘柄に含まれるMag7の各社比率は以下の通りです。

  • アップル:4.1%
  • マイクロソフト:3.6%
  • エヌビディア:3.4%
  • アマゾン:2.3%
  • メタ・プラットフォームズ:1.6%
  • アルファベット(クラスA/C合算):約2.8%
  • テスラ:1.1%

これらを合計すると約18.9%となります。

3.S&P500との集中度の違い

オルカンは全世界の約2,800銘柄以上に分散投資されているため、米国株のみの指数と比較すると集中度は抑えられています。

S&P500指数の場合、Mag7の比率は約30%から33%に達しており、オルカンの約1.7倍の集中度となっています。ヤルデニ氏が指摘する「特定のメガキャップへの依存リスク」を回避したい場合、オルカンはS&P500よりも分散が効いた選択肢と言えます。

4.上位銘柄の変化と新たな勢力

2026年現在の特徴として、かつてのMag7一辺倒から、ヘルスケアのイーライリリーや、半導体のブロードコムといった銘柄が台頭し、テスラやアルファベットの比率に肉薄している点が挙げられます。

オルカンは時価総額加重平均を採用しているため、ヤルデニ氏が予測するようにMag7の成長が鈍化し、他のセクターが台頭すれば、自動的にそれらの比率を調整して反映する仕組みになっています。