従来の収益モデルを維持できず
2025年12月15日 中国系航空会社の値下げが止まらない 東京→上海→バンコク「往復3万円」便で見たサービス劣化の現場
中国国際航空・中国東方航空・中国南方航空の運賃が急落しており、東京―上海経由―バンコクが往復3万円前後、シンガポールで約3.3万円、パリでも10万円を切る水準にまで下がっている。こうしたフルサービスキャリア(FSC)がLCCより安い状況は異常といえる。
取材によると、価格の上下が激しく、人手操作で頻繁に値を変える「集客のための手動調整」が行われている模様で、組織的なシェア拡大戦略というより「必死の集客策」に近いという。
背景には、中国政府の日本旅行自粛要請や景気減速による中国人旅行客の激減がある。旅行需要が落ち込み、上海浦東空港では免税店やカフェがほぼ閉鎖状態で、利用客の姿もまばら。空の混雑や活気は完全に消えていた。
実際に搭乗した著者は「往復3万1,000円」の東方航空便でバンコクへ向かったが、機内食がなく、モニターや冊子類も消え、サービスの大幅縮小が見られた。乗客の多くは欧米人で、日本人は少数。安さゆえに利用した学生や中高年もいたが、便のキャンセルや欠航など不安定さも指摘されている。
結論として、値下げ競争の裏には、中国の航空業界全体が景気減速と需要低迷で苦しみ、従来の収益モデルを維持できなくなっているという現実がある。高市発言など外交摩擦も影響しているが、より根本的には経済構造の変化が背景にあると筆者は分析している。
2025年12月13日 中国東方航空、日本の地方空港発着便を大幅欠航へ 中国政府が渡航自粛呼びかけるなか
中国東方航空は、上海発着の日本地方空港便を12月22日から2026年2月末まで大幅に欠航する。
欠航対象路線
- 札幌、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇を除く上海-日本路線が対象で、新潟、富山、小松、静岡、岡山、長崎、鹿児島便が該当する。 この期間は春節連休と重なり、日本の地方観光業や同社の業績に影響が出る可能性がある。
背景要因
- 中国政府は11月の高市首相の台湾有事関連国会答弁を受け、日本への渡航自粛を呼びかけており、これが欠航の主因と見られる。 同社は取材に対し追加コメントを控えている。
