プーチンはウクライナ全土の占領を目指す。次の標的はバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)

サバイバル

プーチンはすでに政治的な敗北を喫した

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、ロシアによるウクライナ侵攻が単なる二国間の紛争ではなく、世界の秩序を根本から変える重大な転換点であると警告しています。

ハラリ氏が示す「ウクライナ危機後の世界」に関する主要な分析と展望を整理しました。

ジャングルの法則への回帰

ハラリ氏が最も懸念しているのは、世界が「ジャングルの法則」に戻ってしまうことです。

第二次世界大戦後の数十年間、人類は「戦争は不可避な自然現象ではない」という共通認識のもと、平和な国際秩序を築いてきました。

しかし、ロシアのような大国が武力によって隣国を征服することが許されれば、世界中の国々が「いつ攻撃されるかわからない」という恐怖に支配されるようになります。

その結果、各国は医療や教育、気候変動対策に充てるべき予算を削り、軍備拡張に回さざるを得なくなります。これがハラリ氏の説く「人類の最大の失敗」への道筋です。

プーチンの歴史的誤算

ハラリ氏は、軍事的な勝敗とは別に「プーチンはすでに政治的な敗北を喫した」と指摘しています。

プーチン大統領の目的はウクライナという国家を消滅させ、ロシア帝国の一部に戻すことでした。

しかし、実際の侵攻はウクライナ国民の団結を強め、ロシアに対する深い憎しみを植え付ける結果となりました。

ハラリ氏は、憎しみは世代を超えて受け継がれるため、たとえロシアが軍事的に領土を占領したとしても、ウクライナという魂を支配することはもはや不可能であると論じています。

物語の力と民主主義の試練

ハラリ氏の歴史観において重要なのは、人間は「物語」を共有することで協力するという点です。

ウクライナの人々が示した勇気やゼレンスキー大統領の振る舞いは、世界中の人々に「自由と民主主義のために戦う」という強力な物語を再認識させました。

一方で、この危機は民主主義国家がどれだけ自らの理念を守るために犠牲を払えるかという試練でもあります。

情報戦やサイバー攻撃が並行して行われる現代において、偽情報に惑わされず、国際的な連帯を維持できるかどうかが、危機後の世界の形を決めると分析しています。

核の脅威と新たな冷戦

ウクライナ危機は、長らく忘れ去られていた「核戦争の恐怖」を現実のものとして呼び戻しました。

ハラリ氏は、核による脅しが外交の道具として定着してしまうことを強く警戒しています。

もし国際社会がこの暴挙を止められなければ、私たちは21世紀にふさわしい「グローバルな協力体制」を失い、相互不信と軍拡競争が支配する、19世紀のような不安定な時代に逆戻りすることになると警告しています。

ウクライナ危機後の世界
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トランプ大統領の対ロシア和平路線を優先し、情報機関の警鐘を軽視

政治家は最悪の想定をすべき。アヴリル・ギャバードの意見はトランプのご機嫌取り

政治家は最悪のシナリオを常に想定し、備えるべきだという指摘は妥当です。アヴリル・ギャバード国家情報長官の「好戦派プロパガンダ」発言は、トランプ大統領の対ロシア和平路線を優先し、情報機関の警鐘を軽視する姿勢に見えます。

  1. ギャバード発言の背景
    ギャバード氏はXでロイター報道を「トランプ和平努力を阻害するもの」と批判しましたが、これは共和党内の不介入主義的傾向を反映しています。米下院民主党議員の指摘通り、プーチンの野心はウクライナ全土を超え、バルト三国への拡大も懸念されます。
  2. 最悪想定の必要性
    ロシアの行動史から、クリミア併合やドンバス侵攻のように段階的拡大が常套手段です。NATO加盟国への脅威を過小評価すれば、抑止力が弱まり、欧州全体の安全保障が揺らぎます。政治家は楽観論より、軍事・外交強化を優先すべきです。
  3. 米政権内の対立
    トランプ政権下でギャバード氏のような見解が主流化すれば、ウクライナ支援が縮小し、ロシア優位を招く恐れがあります。情報機関の分析を「プロパガンダ」と片付けるのは、過去のロシア誤算を繰り返すリスクです。

 

 

2025年12月21日 ロシアの行動史から、クリミア併合やドンバス侵攻のように段階的拡大が常套手段

このニュースは、ロシアのプーチン大統領がウクライナ全土の占領を依然として目指しており、さらに旧ソ連に属していた欧州地域の一部にも野心を抱いているという、米情報機関の分析をもとにしたロイター通信の報道を伝えています。

報道によると、

  • 米情報当局の評価では、プーチン氏は現状に満足しておらず、より広い支配領域を求めているとされます。
  • 米下院情報委員会の民主党議員は「プーチン氏はさらなる領土拡大を望んでいることは一貫した評価だ」と述べ、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)が次の標的になると懸念していることを説明しました。
  • これに対し、アメリカ国家情報長官のアヴリル・ギャバード氏は「この報道は好戦派のプロパガンダであり、トランプ大統領の和平努力を妨害するものだ」として否定的な見解を示しました。

つまり、今回の報道は、米国内の情報機関と政治指導層の間でも、ロシアの意図やトランプ政権の対ロシア姿勢をめぐる認識の対立があることを映し出しています。ウクライナ戦争が長期化する中、プーチン政権の最終目標をどう評価するかは、NATOと米国の対ロ政策に大きな影響を及ぼす重要な要素となっています。