住人にリフォームをさせる 奇をてらった入居対策

 

思い入れを強くさせ、臭いものにはフタをする。最近、流行のスタイル

空室率3割、築56年公団住宅の入居率が劇的回復!

福岡の「グッデイ団地」が生んだ想定外の効果

背景と課題

  • 全国で住宅供給公社が管理する公団住宅は約214万戸あり、そのうち61%が築30年以上と古い住宅が多い状況です(2023年国土交通省発表)。老朽化や住民の高齢化に伴い空室率も上昇し、公団住宅の空洞化が大きな社会問題となっています。
  • 福岡市東区の「名島団地」は築56年、330戸の団地で、かつては空室率が3割を超えていましたが、2024年から高い入居率を維持しています。このV字回復の鍵は「DIY(Do It Yourself)」の導入でした。

名島団地とグッデイの連携によるDIY企画

  • 名島団地は福岡県住宅供給公社管轄で、空室対策としてDIYの自主施工を促進する企画を当初独自に実施。DIYで住居を改装し、現状回復義務の免除を認める制度を導入したものの、普及は限定的でした。
  • 福岡県を中心に北九州・山口に65店舗展開するホームセンターの先駆け「グッデイ」が公社から制度普及の協力を依頼され、これを受け入れ「グッデイ団地」として支援を開始。
  • 新規入居者に対しては、DIYに必要な工具や資材を約2万円相当進呈し、さらにDIY実施を条件に入居から2カ月分の家賃を無料とするインセンティブを設けました。

グッデイ代表取締役社長 柳瀬隆志氏の考え

  • グッデイはDIYアドバイザー資格を持つ社員を抱えるが、実際にそのスキルを活かす場がなかった。一方、公団には物理的な住宅はあるがDIYに必要な物資が不足。両者の協力でWin-Winの関係が成立した。
  • 柳瀬社長は祖父の創業した嘉穂無線(現ホールディングス)が「修理して使う」企業理念を持ち、DIYの普及を重要視。
  • 少子高齢化に伴い職人が減少し、新築建替えの採算性も難しい中、DIYによるリノベーションが重要となる。日本人は手先が器用でDIYに適性があると指摘。
  • 業者施工のリフォームでは得られない「楽しさ」や「達成感」をDIY体験で提供することで、住民の満足度向上に繋がるという考え。

「グッデイ団地」がもたらした想定外の効果

  • 空室率3割超だった築56年の団地でのDIY推進により、入居率が劇的に回復。
  • DIYを通じて住民が自らの住まいを手入れすることで、単なる居住空間の提供を超えた「大人の隠れ家」や「南仏プロバンス風」といった特色ある空間も創出されている。
  • 住民の自己表現やコミュニティ形成、地域活性化にも好影響を与えている。

今後の展望

  • 既存の公団住宅の空洞化問題は全国的な課題であり、DIYを含むリノベーション支援策は参考となる成功例。
  • 少子高齢化と職人不足という厳しい状況下において、公団住宅の維持・改善のための新しいモデルとして注目される。
  • DIYの普及により住民の生活満足度や地域コミュニティの活性化が期待され、他地域での応用も期待される。

福岡・名島団地の「グッデイ団地」事例は、DIYを軸にした入居促進と空洞化対策の新しい可能性を示しています。DIYを通じて住まいに愛着を持つことが、築古の公団住宅の価値回復につながっている点が最大のポイントです。

 

 

配管は古いまま。不安

  • ご指摘の「配管は古いまま。不安」という懸念は、築年数が古い公団住宅(特に名島団地のような築56年の物件)にとって、とても現実的かつ重要な問題です。DIYや内装を自分好みに改装できても、給排水やガスなどの配管設備が老朽化していれば、住み心地や安全面で不安は残ります。

配管が古いままの主なリスク

  1. 水漏れや詰まり
    経年劣化による配管破損、水漏れ、詰まりなどのトラブルが発生しやすくなります。
  2. 衛生面の懸念
    古い配管の内部にはサビや汚れが蓄積しやすく、水質悪化や衛生リスクに繋がる場合があります。
  3. 修繕費用の不透明さ
    表面的なDIY改装に気を取られ、見えない部分のトラブル発生時に高額な修繕費用が発生する恐れも。

対策や確認ポイント

  1. 入居前に配管の点検履歴を確認
    自治体や管理会社(住宅供給公社など)が最近配管を更生・交換したか、もしくは点検状況を確認しましょう。
  2. 今後の修繕計画について質問
    築年数が古い団地では、今後の大規模修繕計画(配管含む)が立てられていることも多いので、予定有無を問い合わせるのが安心です。
  3. DIY可能範囲の確認
    DIYでリノベできるのは通常、壁・床・天井・内装で、配管の交換などインフラ設備は住民自身で自由に触れません。もし住民自身がどうしても安心したい場合、一部オプションで追加工事の可否を管理会社に問い合わせてみましょう。

最後に

  • 内装を工夫しても、設備の安心が伴ってこそ快適に暮らせます。入居を検討する際は「DIYで個性は出せるが、インフラ設備は公的な管理・計画修繕に頼る」という方針になることが多いです。不安な点はまず管理会社や住宅供給公社へ素直に相談・確認することを強くおすすめします。

 

 

空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!
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本書の特徴

  1. セルフリノベーションに特化
    古民家や空き家を「自分で直して住みたい!」という方のための、実践的なDIY入門書です。
  2. 豊富なイラストと写真
    改修の流れや手順、ポイントをイラストや写真を使って丁寧に解説。視覚的に理解しやすく、初心者にも親切な構成です。
  3. 実体験に基づくアドバイス
    著者自身が7年かけて古民家をセルフリノベーションした体験をもとに、成功談・失敗談を含めた「生きた知識」が詰まっています。
  4. 地方移住や田舎暮らしにも対応
    空き家探しや地域との関わり方、地方移住のステップについても扱われ、都会から田舎暮らしに憧れる方にも役立ちます。

目次(抜粋)

第1章 空き家改修の前に知っておくこと
・空き家改修の常識/非常識
・改修費用の比較
・空き家探しのポイント
・建築確認申請が必要な場合
・専門家への相談タイミング

第2章 さぁ、空き家の現場に行こう!
・工具や資材の調達
・解体や床・屋根・壁など部分的改修
・フローリング貼り、珪藻土や漆喰塗り
・配管・電気・キッチン設置など

第3章 こだわりの改修事例集
・セルフリノベーションで生まれ変わった家の紹介
・DIYリノベーション座談会

コラム(古民家文化、家族で楽しむ改修、移住者の体験談など)

この本はこんな人におすすめ

  1. 空き家DIYに興味のある初心者
    何から始めれば良いのかわからない方でも、全体の流れが体系的に学べます。
  2. 田舎暮らしやセカンドライフを検討している方
    改修だけでなく、地方移住・地域との付き合い方も学べます。
  3. 自分らしい家づくりを目指す方
    手作業の楽しさや、住まいへの愛着が深まる具体的なヒントが満載です。

読者の感想(抜粋)

  • 「イラストが多くて楽しい。自分にもできそう!」
  • 「生きた知識が詰まっていて、部分的な改修にも使える」
  • 「全体を通して網羅されており、信頼できる内容」
  • 「移住のステップや実際のDIYが分かるので心強い」

著者紹介

  1. 1973年大阪生まれ。一級建築士。
    設計事務所を退職し、滋賀県の古民家を7年かけてセルフリノベーション後、田舎暮らし体験施設なども運営。NPO法人 結びめの「空き家改修塾」講師も務めています。
  2. 関連するあなたの興味とのつながり
    暮らしの自己改善や自己実現を目指す姿勢は、オリソン・マーデンや斎藤一人の思想にも通じる部分があります。
    DIYやセルフビルドによる実践は、家庭菜園や日本の園芸の工夫・手作業を楽しむ心と重なります。
    人生哲学やことわざの探究を通して得られる「自分らしい生き方」のヒントとしても、自分で家を直す過程は大きな意義があると言えるでしょう。

まとめ

  • 空き家や古民家の改修に少しでも興味があるなら、手順の網羅性や初心者にも分かりやすい解説、実際の事例紹介が詰まった一冊です。DIYで住まい創りを通じて「自分らしい暮らし」に一歩踏み出したい方におすすめです。

 

 

 

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