銃撃事件巡り関係を問題視 仏紙、欧米では「カルト宗教」
参院選での自民党の勝利について、11日付のフランスの経済紙レゼコーは、岸田政権が経済改革を進める環境が整ったと指摘する一方、安倍晋三元首相の銃撃事件を巡る自民党と宗教団体の関係が問題視され、政権の足を引っ張る可能性があると伝えた。レゼコーは、銃撃事件の容疑者の母親が入信した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関し、欧米では「カルト宗教」と認識されていると指摘。自民党との関係は第2次大戦後にさかのぼり、反共産党の立場を共有して選挙支援を受けてきたと説明した。フィガロ紙は、日本の大手メディアは10日まで宗教の名前を伝えなかったと指摘した。
自民党と統一教会について
自民党と統一教会について、常識だと思っていたことが、世間には想像以上に知られていないことがわかってきました。なぜ統一教会が自民党と癒着するかというと、統一教会の教義は「反共産主義」だからです。 この「反共」に、日本の極右ファシスト(笹川良一ら)や岸信介が結びつき、票や金や「裏の仕事」などを通じて、持ちつ持たれつの関係になっています。統一教会(または協会)は「世界基督教統一神霊協会」です。 現在は「世界平和統一家庭連合」と名を変えました。 (2015年8月)統一教会の教祖は「文鮮明」(本名ではない)という人物です。 英語では Sun Myung Moon と書かれることが多く、この宗教をMoonismと呼ぶこともあります。 (1920年生、2012年没)彼の宗教活動が始まったのは日本占領時代のようですが、大正時代からあった「血分け」といういかがわしい宗教を基にしているという説があります。 サタンの血を清めるため、教祖と性交して云々、という奴です。 これは後の教義にも継承されるのですが。いかがわしいのはともかく、彼は戦後の混乱した朝鮮半島で信徒を集めることに成功したようです。 そして朝鮮戦争が起こり、韓国の情報工作機関KCIAが、彼の宗教能力に目を付けたみたいです。 1977年のアメリカ下院報告によると、統一教会はKCIAの工作組織である、とされています。この報告はフレイザー報告書と言われるものです。詳しいことが分からない部分もありますが、「世界基督教統一神霊協会」として創設されたのは、朝鮮戦争直後の1954年らしく、創設間もない時期の信者にはアメリカの情報機関員や、後のKCIA要員もいるらしいので、初期から工作活動との親和性が高いのです。カルト宗教として日本で問題になり始めたのは、1960年代後半のようです。 まだマスコミも発達していない時期ですが、主に若者が狙われ、狂信的な信仰に入って家を出てしまい、教誨のための金集めをするなど、親を泣かせたのです。 今でもよく聞くカルトですね。統一教会は、宗教運動と並行して政治団体も持っています。「勝共連合」といいます。 共産主義に勝つ、という「反共」思想です。 しかし、なにしろ元が怪しい淫行宗教ですから「共産主義=サタン」という程度の「思想」です。彼らの教義は「統一原理」と呼ばれていて、「原理講論」という書物にいろいろ書かれているのですが、かなり大部の書物で、書かれていることをまともに理解するのは(ryしかし、突き詰めると「サタン側」「天使側」という雑な括りで話が出てきたりして、最近のQアノンみたいな臭いもします。 添付は初学者向けの教材「はじめての統一原理」から引用です。このカルト宗教が本領を発揮し始めるのは、1970年代だと言っていいと思います。 冷戦構造が落ち着き、1972年にニクソン大統領が中国を訪問、ベトナム戦争も終わる気配を見せてきます。 韓国は朝鮮半島からアメリカという後ろ盾を失うことを怖れました。そこで朴正熙大統領とKCIAは対外工作に力を入れます。 統一教会(勝共連合)が日本やアメリカの政界へ浸透を図るのです。 ここで日本側の受け皿になっていたのが笹川良一です。 戦前からのファシストで、同じく戦犯だった岸信介らとも昵懇の仲です。文鮮明は1967年には来日し、笹川らと「反共活動」を発起することで意気投合していたようです。 70年頃には「生長の家」などの反共団体とも連携した動きを見せており、どんどん動きは活発になるのです。笹川良一、児玉誉士夫など戦前からの右翼人脈は、当然、岸信介に結びつきます。 70年安保で左翼学生運動に悩まされた岸らは、対抗のために任侠団体や右翼学生団体を活用するのです。 これは「生長の家」が「日本会議」の母体になった経緯でもあります。 「日本会議」は有名ですよね。これは有名な写真です。 1973年に、岸信介が統一協会本部の文鮮明を訪問した写真だそうです。 書かれているとおりの関係です。さて、統一教会の「原理講論」は1960年代には日本でも翻訳されています。 しかし、あえて翻訳されなかった部分があります。 韓国発祥の新興宗教なので日本は「サタン側」なのです。右翼の皆さんはそれでいいのか! いいのです。 反共で自民党の権力が維持できて金が儲かればいいのです。 一日一善は大事だけど競艇や競輪で金を設けるのはいいのです。そもそも岸信介自身、戦犯容疑者として巣鴨に収監されていたのを、アメリカCIAが「アメリカの傀儡政権を作れ」というので釈放して、総理大臣にまでしたのです。 アメリカ傀儡国家の日本で、反共やって権力持って金儲けするのが、彼らの仕事です。つまり、自民党は朴正熙の軍事独裁政権と、超仲良しだったのです。 一緒に反共活動をやって、権力を維持していくのが仕事です。 日米同盟や韓米同盟が命です。さて、統一教会やKCIAはアメリカへもロビー活動をやります。 しかし、これはアメリカ議会で大問題になりました。 外国の工作機関が入り込んで政治に関わるなんて、普通の国の愛国者は許しません。 当たり前です。 (日本は普通の国ではないのでいいんですけど)アメリカで問題になって設置されたのが、通称「フレイザー委員会」で、1977年に発表された調査報告が、統一教会について詳しい資料になっています。 それがね、アサヒジャーナルに載っちゃったのです。 朝日新聞は酷いことしますねえ。さて、統一教会は信者を集めてお金を集めるだけでなく、さまざまな事業にも手を伸ばしています。 日本では炭酸飲料「メッコール」とか「一和の高麗人参茶」とかが有名だったりしますけど、そんな可愛いものばかりではないです。 中でも特異なのは武器の製造です。1950年代終わりには「鋭和散弾銃」(現在の統一重工)という企業を作っており、やがて韓国陸軍に武器を納入するまでになりました。 そして、この鋭和散弾銃は日本にも入ってくるのです!