在留外国人は、4割強が国民健康保険を未納
在留外国人の国民健康保険料の未納問題は、日本の社会保障制度において重要な課題となっています。特に都市部では、外国人世帯の保険料滞納率が高く、国籍によって顕著な差が見られます。
滞納率の実態
- 例えば、東京都荒川区のデータによると、ウズベキスタン国籍の世帯では滞納率が76.92%に達し、ミャンマー(57.33%)、ネパール(62.68%)、ベトナム(50.78%)なども高い滞納率を示しています。
滞納の背景要因
外国人が保険料を滞納する主な理由として、以下の点が挙げられます:
- 経済的困難:技能実習生や低賃金労働者など、収入が限られているため、保険料の支払いが負担となるケースが多いです。
- 制度理解の不足:日本の社会保険制度に関する情報が外国語で十分に提供されていないため、加入義務や支払い方法を理解していない場合があります。
- 手続きの複雑さ:転職や失業などで保険の切り替えが必要な際に、適切な手続きを行わず、結果として未納となることがあります。
滞納による影響
保険料の滞納が続くと、以下のような影響があります:
- 医療給付の制限:短期被保険者証や被保険者資格証明書が交付され、医療機関での窓口負担が全額自己負担となる場合があります。
- 在留資格への影響:保険料の滞納が在留資格の更新や永住許可の審査においてマイナス要因となり、不許可となる可能性があります。
政府の対応と調査
厚生労働省は、在留外国人の社会保障制度への加入状況や保険料の納付状況を把握するため、初めての調査を実施することを決定しました。
また、法務省は、特定技能外国人が保険料や税金を一定程度滞納した場合、在留資格の変更や更新を不許可とする措置を検討しています。
結論
在留外国人の国民健康保険料未納問題は、経済的要因や制度理解の不足など複合的な要因によって引き起こされています。政府は、制度の周知や多言語対応の強化を進めるとともに、滞納が在留資格に与える影響についても厳格化を検討しています。
2024年5月24日