ロシア・ウクライナ戦争から汲み取るべき、来たる「宇宙戦」への教訓
まず、大国の戦争は未来の戦略に多くの教訓を残すが、いま注目すべきは「ドローン」などの小型機器がネットワークで結ばれることで、リアルタイムの情報収集や標的選定、精密攻撃が可能になった点だ。ウクライナ軍はこのネットワーク効果を活用し、伝統的な大量兵力集中のロシア軍を上回る戦闘力を発揮している。これは従来の戦争原則の再考を促す。
具体的には3つの戦争原則が再考対象となる。
1. 戦力集中（mass）：従来の大規模兵器に頼るのではなく、数多くの小型かつスマートな装備を迅速に供給できる体制が重要。そのためには民間サプライヤーの活用が欠かせない。
2. 奇襲（surprise）：高価な特殊装備は必須でなく、広く普及した商用技術を予期せぬ使い方で迅速に運用することが可能。
これらを宇宙戦に当てはめると、
3. 装備数の急増（proliferation）が戦略的に重要。多数の有用な宇宙アセットが少数の高性能装備より強力になる。
戦闘効果の革新は現場の兵士から生まれることが増えている。
ネットワークとソフトウェアの信頼性が戦力の鍵となるため、「ゼロトラスト・アーキテクチャー」や「セキュア・バイ・デザイン」によりシステムの安全性を確保する必要がある。
まとめると、今後の宇宙戦争では大規模装備の数と質だけでなく、それらを連携させるネットワーク技術が勝敗を決める。従来の戦争の考え方を踏まえつつ、技術革新と供給体制を整えることが重要になっている。
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