「生活保護目的の外国人が日本に殺到」のデマ…実は受給者、割合ともに減少 専門家「実態を正しく把握して」
「生活保護目的の外国人が日本に殺到」のデマと実態
- ネット上で広がる「外国人が生活保護目当てで日本に殺到している」という主張は、事実に基づかないデマです。
生活保護受給外国人の実態
- 近年、在留外国人の数自体は増加していますが、生活保護を受給している外国人の人数・割合はむしろ減少しています。
- 厚生労働省の調査によれば、2013年からの11年間で被保護外国人数は約1万人減少し、被保護者全体に占める外国人の割合も3.48%から3.25%に低下しています。
- 生活保護の適用・運用方法は日本人と外国人で原則同じであり、国籍による優遇や基準の緩和はありません。
- 生活保護を受けることができる外国人は永住者や定住者、日本人の配偶者など特定の在留資格を持つ人に限られており、短期滞在者や技能実習生などは対象外です。
「違法」「憲法違反」との主張について
- 「外国人への生活保護支給は違法」「憲法違反」といった主張もネット上で見られますが、これも事実ではありません。
- 2014年の最高裁判決は「生活保護法の適用対象は『国民』であり外国人は含まれない」としつつも、「行政措置により事実上の保護対象となり得る」と判断しており、「違法」とはされていません。
なぜデマが広がるのか
- 排外主義や生活保護バッシングと結びつき、根拠のない批判やヘイトスピーチが拡散されています。
- 「外国人の方が受けやすい」「日本人の税金が食いつぶされている」といった声もありますが、実際には外国人も税金(所得税、住民税、消費税など)を納めています。
専門家の指摘
- 社会福祉士や支援団体は「生活保護目当てで外国人が殺到している事実はない」「実態に基づかない情報が差別や偏見を助長している」と指摘し、冷静かつ事実に基づいた議論の必要性を訴えています。
- 「生活保護目当ての外国人が殺到しているという事実もなく、統計上、在留外国人は増加の一途をたどっていますが、外国人の受給者はむしろ年々減っています」(厚生労働省・被保護者調査より)。
まとめ
- 「生活保護目的の外国人が日本に殺到している」という情報は、統計・制度運用の実態から見て明確なデマです。
- 外国人の生活保護受給者数・割合は減少傾向にあり、受給条件も日本人と同等の厳格な審査がなされています。
- 事実に基づかない情報による差別や偏見の助長を避け、正確なデータと法制度に基づいた冷静な議論が求められます。